たまの日記

最近は弾丸旅行ばかりです。

アウグスブルク、魅惑の街をてくてく歩き / 2024.02 ドイツ1泊4日弾丸旅行(4)

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の続き。

アウグスブルクはロマンティック街道の最大かつ最古の都市。商業や銀行業で栄えた街並みが見どころなのだが、日本人にとってロマンティック街道といえばローテンブルクやノイシュバンシュタイン城のほうがメジャーで、訪れる人は多くないのではと思う。自分もそうであったので、今回初めて街歩きをしてみることにした。

おもな見どころが軒並み見れず…

アウグスブルクの見どころとしてまず挙げられるのが市庁舎。黄金のホールと呼ばれる部屋は目がくらむかのような豪華さだという。

Stadt Augsburg

市庁舎まではアウグルブルク中央駅から歩いて15分ほど。あいにくの小雨模様なのが残念だが、のんびりと市内中心部を歩くと、市庁舎前の広場に到着。

市庁舎前の広場ではイベントが開かれていて、出店も何軒か出ていた。地元の人が集まる地方都市っぽいのんびりとした雰囲気が良かったな。しばしパフォーマンスを愉しみ、さて市庁舎へと向かったが…。

え、2月10日から13日まで休み…理由が書いてないのでなんでだかよくわからなかったけど、なんてついてない。

気を取り直して次の見どころである大聖堂へ向かう。10世紀に建てられた教会で、11世紀につくられた世界最古のステンドグラスが見どころだという。

ところが、日曜日あるあるなのだが、ミサで入れなかった。うーむ、ついてないな…。

街を南北に縦断する広々としたマクシミリアン通り。ここは豪商フッガー家の商館だったフッガーハウス(今でも銀行とか普通にテナントとして入っている!)がある目抜き通りであるが、ヘラクレス噴水から旧市街地南部の聖ウルリヒ&アフラ教会を望む景色もアウグスブルクを代表する眺めである。なのだが、冬場なので噴水は動いておらず、さらには教会が改修中でちょっと微妙な眺めに…。

うーむ、主だった観光スポットがみんなこんな感じなのは残念だったな。

ちょっと残念だった観光スポット巡りであったが、市庁舎前の広場で食べたカレーヴルストは美味しかった。ドイツに来たら一度は食べないといけませんな。

世界最古の社会福祉住宅、フッゲライ

気を取り直して、他のスポット巡りといきましょうか。

向かったのはフッゲライ。豪商フッガー家が建てた世界最古の社会福祉住宅だとのこと。

Fuggerei

慎ましやかな歴史ある住宅が並ぶ様が一見の価値はあるが、驚くのは現在も現役で、老人たちが普通に住んでいるということ。

博物館として整備された部屋もあるのだが、たまたまなのか居抜きの部屋が公開されていて、生活感あふれる部屋の雰囲気がとても興味深かった。現役の部屋を見れるというのはなかなか面白かった。

ただこのフッゲライ、入場料が8ユーロもするのは結構高いかな…。

アウグスブルク世界遺産、水管理システム

アウグスブルクはあまり日本では知られてなさそうだが、アウグスブルクの水管理システムという世界遺産がある。

アウクスブルクの水管理システム

15世紀に整備された高度な水管理システムだそうで、今でも市内には水路が張り巡らされているそうだ。

市庁舎の裏手、少し坂を下ると、水路が見えてきました。

すごい水量の水が目の前を音を立てて流れていくのは結構迫力がある。

市街地のあちこちに水が流れ、分岐し、時には暗渠として道路の中に潜り込む。水路に沿って街歩きするのが無茶苦茶面白い。まさにブラタモリの世界だ。

水車を備えた塔を抜けなおも水路をたどっていくと、旧市街南端のローテス門に到着。赤く聳え立つ門の脇には給水塔があり、ここから市内へと水を供給していたのだそうだ。

アウグスブルク街歩きのまとめ

残念ながら市庁舎をはじめ主だった観光スポットが楽しめず、消化不良に終わるかなと思ったのだが、世界遺産の水路巡りが面白くて、最後は時間が足らないくらいだった。水路に沿って歩き、地元の人たちの生活感あふれる建物たちを眺めるのはとても楽しかった。

ただこのTBSの動画を見ると行けなかったところばかりだ。もっと時間作って街歩きしたいところだ。というかさすがテレビ局が撮る映像はレベルが違うな…。

アウグスブルクミュンヘンからも近いし、もっと注目浴びても良いのではないかな。

Augsburg Hbf 13:20発のICEでミュンヘンへ移動します。10分ほど遅れていたが街歩きが楽しくて結構ギリギリだったのでちょうど良かったくらい。

ドイツ鉄道は遅れは激しいはストばかりするわで評判は地に落ちており、今回もストでも起こされたらどうしようと思っていたのだが、予約していた列車が運休になってしまったものの、遅れはそんなに酷くはなかったので概ね予定通りの旅ができたのはラッキーだった。

さて、次はミュンヘンです。

 

Sparpreis振替でICEに乗ってアウグスブルクへ / 2024.02 ドイツ1泊4日弾丸旅行(3)

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の続き。

フランクフルトからドイツ鉄道アウグスブルクへ行きます。

Sparpreisで予約した列車が運休で振替

Frankfurt /M Flughafen Regionalbahnhof 6:16発のSバーンに乗って、フランクフルト空港からフランクフルト中央駅に向かいます。

10分ちょっとでFrankfurt(Main)Hbfに到着。

フランクフルト中央駅は1999年に初めて訪れて以来、ドイツ鉄道の旅の出発点。ここに来るとドイツに来たんだ!と気分が盛り上がりますな。

さて、フランクフルト自体に特に用はないのだが、今回駅で振替の手続きをしなければならないので案内窓口へ向かった。

今回の旅では、最初Frankfurt(Main)Hbf 8:20発のEC113に乗る予定を立てていた。ドイツも客車列車は減少の一途をたどっており、昨年12月にInterCityの食堂車が全廃されてしまっている。日中オーストリアのクラーゲンフルトまで走る長距離EuroCityは貴重な存在で、この列車でウルムまで行き途中下車、そして食堂車で朝食でも食べるか…と思っていた。シュトゥットガルト経由は2004年以来20年も乗ってないのでその点でも楽しみだった。

(ルート地図はBahn Experteより)

ところが、こちらに書いてあるマンハイム付近の工事の影響かヴュルツブルク経由での迂回運行になってしまい、ウルムを経由しなくなってしまった。

nits-train.com

ずいぶん大胆な迂回だなと思ったが、そのせいか早割のSparpreisが安かったのでこれでアウグスブルクへ行くことにして予約した。アウグルブルクまではわずか19.90EURであった。激安である。

なのであるが、出発10日くらい前にミュンヘン始発になり運休となってしまった。

あっさり運休にすんなよ…と思うが、これがドイツ鉄道クオリティなので仕方がない。

ただこのような早割で予約した列車が運休になった場合、基本的には好きな列車に振替えて目的地に行くことができるのだが、Alternativeな列車を検索しようとすると…

何も出てこない…。

実はドイツではICEとEC/ICは運賃体系が異なるので、恐らくECが運休になったのでEC/ICでの振替ルートを出そうとしても、本数が少ないので代替案が出せないのだろうと思われる。

ドイツで突然電車がAusfällt(運休)した話

こちらのサイトを見る限りEC/ICの振替でICEにも乗れるようだが、日本だったら特急の振替で新幹線に乗るような感じなので、現地でEC/ICだけとか言われる可能性も否定できず、でもだとしたら何も振り替えられないじゃん、という一抹の不安がよぎる。うーん、こんなんだったらICEにすればよかったな…。

ただ窓口で聞いてみた結果、振替はICEでも乗れるみたいで、ICEのルートを案内された。で、持っていたeチケットの打ち出しにスタンプを押してくれた。

"Zugbindung aufgehoben"とは「列車の接続が解除された」との意味らしい。ドイツ鉄道スマホアプリで列車に乗れるので、このスタンプをもらわなくても振替自体はできるのだが、あるとないとでは安心感が全く違うので、eチケットの打ち出しは用意しておいた方が良い気がするね。本当は振替ルートの印刷も欲しかったのだが、窓口のプリンタが調子悪いみたいでくれなかった。うーむ。

ただ最終的にはECのSparpreisでICEに乗れるというお得な結果になった。早割で運休や遅れを食らったら好きな列車に乗れるのであれば、最初からノーマルプライスの切符を予約する必要は全くなく、早割で予約したほうが絶対に良いと思う。

ICE3で食堂車を愉しみながらミュンヘン

振替案内されたのはFrankfurt(Main)Hbf 6:53発München Hbf行ICE523。アウグスブルクへ行くのにミュンヘンを経由するのがなんか変な感じである。

ICE523はドイツ鉄道のフラッグシップ、ICE3。平日だったら混んでそうな列車だが、今日は日曜なのでガラガラだった。

フランクフルト中央駅をゆっくりと出発。始発なのでほぼ定刻だった。いよいよドイツ鉄道の旅のスタートです。

2月なのでドイツの日の出は8時半ごろと遅い。外が見えるようになったのは8時を過ぎたくらいだった。しかしこのICE523、途中工事のためかところどころ徐行運転するので段々遅れてきた。最初の停車駅、Aschaffenburg Hbfでいきなり5分遅れ…うーん、なんでこんなに遅れるかなぁ。

ミュンヘンの乗り継ぎ時間は17分しかないので気が気でないが、このICE523には食堂車がついているので、せっかくなので朝食を取ろうと思う。

食堂車は他に3組ほどいたがすいていた。普通のメニューも食べられるのだろうけど、モーニングメニューがあったのでそちらとコーヒーを注文する。

大きなパン3個とコーヒーで10EURである。日本円で1600円か…と思うとちと高いが、食堂車で、と考えれば十分安い。温められたパンが美味しかった。

だだっぴろい平原が続く車窓がドイツっぽい。この車窓を見ながらコーヒーを飲む。なんて贅沢なひと時だろう。日本では味わえなくなった体験を愉しむが、残念なのは天気が悪いこと。雨も降ってるようでせめて雨は止んでほしいところだ。

少し遅れを短縮して9:00頃にNürnberg Hbfに到着。ここでミュンヘンに買い物でも行くような乗客が多く乗り込む。ニュルンベルクももう20年近く訪れていない。今日は素通りだが次回はまた街歩きしてニュルンベルガーソーセージ食べたいな…。

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ニュルンベルクからは高速新線に入りスピードを上げるが、先行列車がつかえているのかところどころ徐行が入りさらに遅れ、結局終点のMünchen Hbf到着は定刻よりも9分遅れの10:15であった。

ミュンヘン中央駅は2010年以来14年ぶり。懐かしいな。

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不細工なICE4でアウグスブルク

ミュンヘンの乗り換えができるか心配だったが、無事10:23発ICE518に乗り継ぐ。ICE518は新型のICE4である。このICE4、見てわかる通り何とも言えない不細工な顔で、特に先ほど乗ってきたICE3と比べてしまうとそのダサさが際立つ。ドイツの列車は基本的にみんな格好良いのに、なんでこんな変な顔にしてしまったんだろう。

ただ車内に入れば洗練されたインテリアで、ゆったりくつろげるのはさすがドイツである。

ミュンヘンからアウグスブルクまではわずか30分ほど。定刻10:53にAugsburg Hbfに到着。あいにく小雨模様の天気だが、アウグルブルク観光と行きましょうか。

 

NH203便・ANAプレミアムエコノミーでフランクフルトへ / 2024.02 ドイツ1泊4日弾丸旅行(2)

2月10日(土)。日中は家事などをして、夜いそいそと家を出発し、京急で21時過ぎに羽田空港第2ターミナルへ。

羽田空港第2ターミナル国際線ANAラウンジで夕食

2週間ぶり(笑)の国際線ターミナルです。

深夜便出発のピーク時間帯ではあるが、2タミ出発便は5便しかないので出発ロビーはガラガラ。21時半まで営業の両替所でちょっとだけユーロに両替してとっとと出国しANAラウンジへ向かうとしよう。

この前より人は多かったけど、それでもこの余裕っぷりはすごい。利用者的には素晴らしいけど、これ他の航空会社からすると優遇過ぎと文句言われても仕方がない気がする。3月から6割の便が移るとか言ってるけど、際際乗り継ぎなんて知らんから全部移すべきなんじゃないのかなぁ。

2024年3月31日より対象便拡大!羽田空港をご利用の際はご利用ターミナルをご確認ください | 羽田空港国際線 | 空港と都市に関する情報 | 空港 | ご旅行の準備 | ANA

3タミのANAラウンジでは何十人待ちになるシャワールーム、驚異の待ち人数ゼロだったし。まあ自分は家でお風呂入ってきたので使わなかったですけど。

ダイニングコーナーはこの前よりも品数が多く、唐揚げやハンバーグ、ポテトといった食事っぽいメニューが増えていた。ライブキッチンコーナーにもコックさんがいたが、作ったものをそのまま出す形態ではないみたいだ。

これから乗るNH203便は、出発後機内食が出ないので、ここでがっつり夕食を食べる。カレーの皿が朝と違って大皿しかなかったのでそれなりによそってしまったけど、まあANAラウンジのカレーはこんなにたくさんはいらなかったかな…。

まあ色々言ったけど、利用者からするとこのラウンジ本当に素晴らしく、SFCとっといて本当に良かったなぁと思いますな。

2週間前のラウンジの様子はこちら。

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NH203便プレミアムエコノミーに搭乗

NH203便は73番ゲートから22:45に出発する。

今日の機材はB787-9・JA839A号機。コロナ前のフランクフルト線はB777-300ERであったが、早期退役で機材が減っているためB787-9になっている。なのでビジネスクラスはロンドン線で飛んでいる最新のTHE ROOMではなく、格下げ感があるのは損した気分だ。まあ、今日の往路はビジネスじゃないので別になんだって良いのだけど。

搭乗開始時間の22:15前にGROUP2の列に並ぶが、車椅子客の搭乗に手間取り、機内の案内は20分以上遅れていた。搭乗に時間がかかるのは仕方ないとして、事前に案内を遅らせるとか、もっと車椅子客を早く乗せるとかあると思うのだが、ANAのグラホは相変わらずレベルが低いよな…さらに最近iPadばかり覗き込んでろくにアナウンスしないから余計にたちが悪い。

そんなわけでようやく席に着席。6年前と同様、プレミアムエコノミーである。

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ただ前回はSFCのアップグレードで座れたプレミアムエコノミーだが、2019年4月からプレミアムエコノミー特典で直接予約できるようになったので、今回は14時間もかかるということもあって片道33500マイル払ってプレミアムエコノミーを最初から予約してある。

ANA国際線特典航空券 プレミアムエコノミーの予約を開始します

プレミアムエコノミーは台北で乗っていらい2週間ぶりだが、今回は長距離便なので、幅、ピッチともこの余裕がありがたい。

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今回は夜行便であるが、もしかしたらオーロラが見れるかもと思ったので最前列の窓側席を確保した。

しかしこの目的地までの飛行時間「13:45」ってのは本当にぞっとするな…。米国東海岸線よりも長い。

NH203便は結局定刻よりも遅れた22:59にプッシュバック。C滑走路に向かうと、これまでになく減光した。なんだANAもやればできるじゃないですか。

C滑走路から23:17に離陸。東京湾上空を旋回して高度を上げていく。ディズニーランドやスカイツリーなど東京の夜景を堪能。さよなら日本。

本来であればこのまま横浜上空から右旋回して北上するのだが、ロシア上空を通れないので左旋回して太平洋上を北へ向かう。こちらは全く土地勘?がない。スカイマップは迂回ルートはプリセットはされていないようで、ある程度距離が進まないとこの後どう進むか出てこないみたいだ。

離陸後、以前はパンが配られていたが、今回はペットボトル、パンやお菓子などが入った袋が渡される。ずいぶんチープだが、何しろこの先14時間近く飛ぶので、このくらいは必要だろう。

なかなか過ぎ去らない時間

スナックが配給されると機内は真っ暗になるので寝るしかないのだが、どうも最近機内や車内で寝つきが悪い。7月のサンライズの時もそうだったが、うとうとしても熟睡できないのである。年なのかなぁ。

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プレミアムエコノミーはノイズキャンセリングヘッドホンがついているので、それを当てながら、寝てるんだか寝てないんだかわからない状態がしばらく続いた。

いい加減に疲れたのでちょっと起きると、時刻は日本時間で6時過ぎ。だいぶ時間は経ったが全体で言うとまだ半分を過ぎたくらい。ただアンカレジは過ぎ、北極海には入ったらしい。普段は大っ嫌いな3D地図だが、北極海を通るルートだと2Dだとどこ飛んでいるのかよくわからないので、3Dは重宝する。

プレミアムエコノミーの客はスープを頼めるので注文。前回乗った時は特製カップラーメンだったのだが、今回は市販のスープDELIだった。このスープDELI、特売で買って在宅勤務の時によく家で食べてるので全くそそらない(苦笑)のだが、時間間違えると全然柔らかくならないパスタはしっかり柔らかくなっていたのはさすがだった。

オーロラでも見えないかな…と思って外を見るが、何にも見えなかった。ただ外はほんのり明るかったのは、やっぱり北極圏を飛んでいるからなんだろうね。

それから1時間ほど経ち、クロワッサンのサイドイッチの配給。あまりおなかはすいてなかったが、とりあえず食べる。さすがに飽きてきた…。

長い長い14時間を終えフランクフルトへ

さらに寝たんだか寝てないんだかわからない時間を過ごし、残り3時間を切ったところで機内が明るくなる。

グリーンランドを超えて、ヨーロッパが見えてきましたよ…。

以前のNH203便は朝食ということで軽めな機内食であったが、今回は日本時間で言えばお昼ごはんの時間であることから普通のメニューであった。「トマトペンネとチキンのクリームソース」を選択。クリームソースの中にチキンが入っていて、これ自身は美味しかったのだが、チキンが思いのほか少なくてちょっとがっかり。

機内を散策。エコノミーはほぼ満席だった。B787-9はシートピッチは86cmと広いのだが、いかんせん横9列は狭い。これで14時間は正直きついだろうな…。

ただプレミアムエコノミーも、広いと言っても所詮はエコノミー。特にANAのプレミアムエコノミーは初期から出ているがゆえに、最近レベルアップが進む他社に比べると少し見劣りがする気がする。特典航空券だとプレミアムエコノミーとビジネスクラスの差は片道6500マイルしかないのだが、ちょっとぼったくりな気がするなぁ。あと6500マイル払えばビジネスクラスだったら席さえあればビジネスクラスに乗りたいわ…なんて書いたら、4月18日からビジネスクラスの必要マイル数が増えて差がつくという改悪をするそうで…泣

ANA国際線・提携航空会社特典航空券 必要マイル数の一部改定について|ANA

また特に最前列は想定はしていたもののフットレストがなく足の置き場に困ってしまったので、次回乗るのであればもうオーロラの可能性は無視して通路側最後列にしたいと思う。さすがに14時間だと疲れた。

3Dでこれまでのルートを動画でたどる。これまで大っ嫌いだった3Dマップであるが、ルートを動画で撮ると面白いね。

長い長い14時間がもうすぐ終わります…。

離陸時は減光していたが、着陸時は明るいままだった。どういう基準なのかよくわかりませんな。まあずっと目つぶってたので明るい方がしゃきっとする気はしたけど。

フランクフルトの市街地の明かりを見ながら、5:14にフランクフルトマイン国際空港に着陸。5:28にスポットイン。ほぼ定刻での到着である。

14時間のフライトお疲れ様でした!いよいよ6年ぶりのドイツです。

フランクフルトの入国審査を何も聞かれずにパス!

6年ぶりのドイツ語の世界にうきうきするが、ここからが最初の難関。入国審査である。

昔はザルだったフランクフルトの入国審査は最近特に厳しいとされ、自分も6年前に滞在日数と目的を聞かれてなんでそんなに短いんだ何しに来たとあれやこれや聞かれて難渋した。なので今回は1泊して(まあ翌日午前に帰るので全く普通じゃない行程なのだが)eチケットやホテルの予約も打ち出しておき、何か聞かれたときの想定問答(アワードチケットがこの日程しか取れなかった、とか…)も用意しておいたが、果たしてどうなるか。

EU外からの入国審査は半分くらいしか開いておらず行列ができていた。指示された場所に並ぶが、入国審査官の裁量と言うか並んでいる人の出自によって進みが全く異なり、目つけられそうな国から来ている人に当たると列が全く動かなくなる。

最初並んでいた列も全く進まなかったので途中で列を変え、日本人親子3人旅の後ろに並んだ。この3人は1人ずつ審査を受けてたので、後ろの2人は何も言われずにスタンプを押されていた。

で、自分の番になったところ、その家族の一員と思われたのか?なんと何も聞かれたなかったのですよ!超ラッキー。先ほどの3人旅の皆さん本当にありがとう。フランクフルトの入国審査は日本人個人グループの後に並ぶのが一番良さそうだ。

しかし、なんで何も悪いことしてないのにこんないちいち悩まないといけないのか…。EUは近々ETIASというESTAのような事前申請システムを入れるみたいだけど、金払って事前申請させるのなら自動化ゲートでさくっと入国させてほしいものだ。

フランクフルト国際空港のコンコースに出ました!久々のこの光景に感無量です。パタパタ、まだ動いてたのね。また会えるとは嬉しい!

さあ、時刻は6時前、まずはフランクフルト中央駅へ向かいましょうか。

(つづく)

ANA特典航空券で行くドイツ13回目・弾丸旅行のスタート / 2024.02 ドイツ1泊4日弾丸旅行(1)

2018年6年ぶりにドイツへ行ってまいりました!

気づけばもう6年か…長かった。

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3か月前に奇跡的に特典航空券を確保!

コロナ禍も過ぎ、台湾、マレーシアと海外に出かけたので、いずれはヨーロッパへ、ドイツへ、とは思っていた。

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しかしご存じの通りヨーロッパはロシア上空を飛べなくなって迂回運航のため時間がかかってしまう上に、酷い時には往復10万円以上かかる燃油サーチャージ、加えて急激な円安ユーロ高とトリプルパンチな状況で、しばらくは行けないなと思っていた。

ただよく考えると、この3要素が近々好転する可能性があるとはとても思えず、むしろ一時期下落していた燃油サーチャージがこの秋以降再び上昇してきたので、もう今のタイミングで出かけるべきではないかと思うようになった。

そう思ったのが近所のニッケコルトンプラザで行われたいちかわドイツデイを見に行った10月上旬。

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ドイツはANAの方が圧倒的に便利なので、まずポイントサイトで貯めまくったポイントをANAのマイルに移行するが、ポイント移行には思いのほか時間がかかり、ヨーロッパ往復分マイルが移行できたのがサーチャージがさらに上がる直前の11月末であった。しかし、

  • 必要マイルが少ないローシーズンで行ける1月~2月か4月
  • ロシア迂回で所要時間がかかるので最低でもプレミアムエコノミー以上
  • できれば復路はビジネスクラス
  • 前回現地0泊で入国審査がやばかったので、現地で1泊しつつ、週末で行ける日程

というのをこの直前のタイミングで空席を見つけるのはまあ無理だろう、とりあえず4月のキャンセル待ちでもしておくか…と思ってサイトを調べたら、なんと以下の日程で特典航空券の空席があったのですよ!

2月10日(土) NH203 羽田22:45→フランクフルト5:35+1 プレミアムエコノミー
2月12日(月) NH218 ミュンヘン10:15→羽田 6:55+1 ビジネスクラス

2月の3連休の復路でビジネスクラスが空いているなんてラッキーなんだろう。特にミュンヘン便は、現在週3便しか飛んでおらず現地日曜発便がないので、弾丸旅に使えるのが月曜が休みのこの建国記念日絡みの3連休のみ、という実に絶妙なチョイスだ。加えて、フランクフルトに比べてミュンヘンは空港利用料が安いようで、その点でもお得である。

到着後仕事なのが憂鬱だが、ビジネスクラスで帰り、会社行かないで在宅勤務してしまえば多少は楽だろう。フランクフルト発NH204便よりも到着時刻が2時間ほど早いので、会社を遅刻する可能性もほとんどないのもありがたい。

唯一ネックなのは、現地滞在できる2月11日が日曜日なこと。ドイツは日曜日は閉店法で店がどこも開いてないのだ。ただ観光スポットは開いているし、この在宅勤務なご時世会社へのお土産など買わなくても良くなったので、余計な散財しなくて良いのは逆にメリットかもしれない。

あと、先に日程を決めていた台湾旅行のわずか2週間後というスケジュールなので、それだけ1人で出かけまくって良いのだろうか、とも一瞬思ったが、こんな空席機会逃したら二度と出てこなさそうだったので、それももう気にしないことにした(笑)

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ということで73500マイル使って発券。燃油サーチャージは無茶苦茶かかったが、もうそれは気にしないことにした(笑)。同じ行程を普通に買ったら90万だったので、それに比べればお買い得だ。

アウグルブルク・ミュンヘン、そしてET420型の再会へ

今回フランクフルトからミュンヘンまで1日かけて移動する行程になったので、どこか1~2か所、まだ行ったことのない街に寄り道しながらミュンヘンへ行くことにした。最初はウルムとアウグスブルクにしようと思ったのだが、候補にしていた列車が運休になってしまい時間がなくなってしまったので、最終的にはアウグスブルクだけ立ち寄った。ロマンティック街道の最大都市アウグスブルクは意外にも初訪問であり楽しみだ。

またミュンヘンはもう何度も訪れているが、ちゃんと街歩きしたのは2004年以来なのでもう20年もご無沙汰でありこちらも楽しみである。

4travel.jp

そしてミュンヘンといえば、このブログではお馴染みET420型電車である。

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1999年の卒業旅行でミュンヘンやフランクフルト、シュトゥットガルトでの活躍を見て大ファンになったET420型は、2004年に一度ミュンヘンから撤退したにも関わらず、後継のET423型リニューアルによる車両不足の関係でいつのまにか復活し、どうも今では結構な本数が走り、しかもミュンヘン都心部を通り抜ける運用にも頻繁に入っているらしい。それであれば、久々に思い出のミュンヘンを走るET420型にぜひ会いに行きたいところだ。

今回は現地1泊するので、正味1泊4日。前回、前々回の現地0泊超弾丸ではないが弾丸旅行であることには変わりないので、超厳しいフランクフルトの入国審査で引っかからないことを祈りつつ、6年ぶり、13回目のドイツ旅行、スタートです。

 

台南旅行終了!NH854便でスピーディな帰国 / 2024.01 台南旅行(9・終)

1泊2日の台南旅行も終わり。台北松山空港16:50発NH854便で帰ります。

春節の飾り華やかな松山空港

台北駅からMRTで松山空港へ。本当松山空港は近くて便利だ。

松山空港春節を前に飾り付けがされていて華やか。出国審査を終え、いつものラウンジで休憩する。

ラウンジは相変わらず混んでいて、端っこにかろうじて空いていた席に座る。このラウンジ、向かい合わせのソファ席しかないので荷物置く輩が多くて困るし、食事もとりづらい。自分みたいな1人客からするとカウンター席があれば十分なのでカウンター席を作ってくれないものかしらね。

追い風に乗って超速帰京

NH854便の機材はB787-8・JA802A号機。前回5月はA320であったが、今回は所定のB787だった。

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GROUP3よりも長いGROUP2の行列に並んで優先搭乗。

B787-8のエコノミーはシートピッチが79cmしかない奴隷船仕様なので、今回事前座席指定で非常口席を選んである。なので足は延ばせるのだが、とにかく幅が狭い狭い。行きにプレミアムエコノミーに乗ってしまったので尚更である。自分の幅が膨張したのでは決してないと思いたい…苦笑

エコノミーはほぼ満席。日本人の帰国に向いた便だが、台湾人も多かった。

NH854便は定刻よりも早い16:42にドアクローズ。16:53に離陸した。さよなら台湾。

台湾北部を覆っていた分厚い雲を抜けると、夕方の青空が迎えてくれたが、あっという間に日が暮れて行った。

機内食は「白身魚唐揚げ 甘酢あん掛け」「ローストチキン 黒胡椒風味のオニオンソース」からの2択だったのでローストチキンを選択。このメニューは初めてであったが、ジューシーな味わいが美味しかったです。

食事をとるともう九州上空。行きは向かい風で3時間半かかったが、帰りは300km超えの追い風で2時間ちょっとで羽田に着くようだ。CAさんがとても忙しそうだった。

ところで今回気になったのが着陸時。1月2日に発生したJAL機と海上保安庁機の衝突事故で乗客乗員が全員無事に避難できた理由の1つとして、JALは夜間の離着陸時に照明を落とすというのが挙げられていたのだが、ANAは夜間の離着陸時に照明は落とさないのである。なのでANA便だと夜間の機窓撮影はできないのが不満でしょうがなかったのだが、今回、さすがにあれだけ言われたら照明どうするのだろうというのは少し気になっていた。

結論としては、完全に落としはしなかったものの、減光はするようにしたようだ。以前は減光すらしなかった記憶があるので、多少は進歩したと思うのだが、頑なに真っ暗にしないのはなんでだろう。照明を消すのは何もJALの専売特許じゃなく多くの航空会社でやっていることなので、素直にやればよいのに…。

羽田空港第2ターミナルから帰宅

羽田空港国際線のANA便は、出発便はターミナルが固定されているものの、到着便はどちらかは決まっていない。なのだが、今日のNH854便は第2ターミナルに到着するという。基本的に出発便に合わせているのかもしれない。

さてNH854便は定刻よりも早く20:01に羽田空港に到着、20:09にスポットインした。台北離陸からわずか2時間8分。速かった。

が…到着スポットは803番。うーん沖止めであった。せっかく早く着いたのに…これだったら3タミでボーディングブリッジ接続の方が速いのでは…。

後方の非常口だったのでバスも3台目と出遅れてしまったが、2タミはガラガラで、入国審査は一瞬、預ける荷物もないので税関も一瞬で通過。これは素晴らしい。2タミ到着ロビーには20:27に出ることができた。

が、なんだこの到着出口は。まるで隠し扉かのようなひっそりとした佇まいでびっくりである。これが日本の玄関口かと思うと…。

この反対側は昨日の朝来た2階国内線出発ロビーの端っこに位置するので、エスカレーターで1階国内線到着ロビーに向かい、20:35発高速バスに乗車。

羽田3タミからだと10分は早く乗車しないと間に合わないので、2タミから乗れるのは便利なのだが、自分が乗車する小岩・亀有方面行き乗り場は北側の5番なので、南端の国際線到着出口からは真逆で遠かった。冬だというのに汗だくになってしまったわ。

台南旅行を終えて

始めて台北以外を目的地とした台湾旅であったが、今回も楽しかった。台湾は何度いっても楽しいし過ごしやすいのは本当良いね。悠遊カードの残高がまだたくさん残っているので、また近いうちに出かけたいと思います。次回行くとしたら、2005年以来20年近くご無沙汰している高雄とか、台湾東部の花蓮とかに行ってみたいが、さすがにこのあたりだと1泊2日だと日程的になかなか厳しいので、たまには2泊3日くらいで行ってみたいな…。

(おわり)

タクシー代節約!烏山頭ダムと八田與一の功績をバスで巡る / 2024.01 台南旅行(8)

台南2日目のハイライトは烏山頭ダムである。

烏山頭ダム風景区

隆田駅からバスで烏山頭ダム

烏山頭ダム、ダムということでもっと山奥にあるのかと思っていたのだが、嘉南平野の奥まったところに位置しており、台鉄の駅からそう遠くない場所にある。といっても歩いて行けるほど近くもなく、台鉄の隆田駅からタクシーに乗って1時間半ほどで周遊するというのが個人旅行者には一般的で、よくブログやSNSでも紹介されており、時間も手軽なので自分も最初はこれで行こうかと思っていた。

が、このタクシー、コロナ禍の間に値上がって今は1000元するらしい。円安もあいまって1時間半で5000円弱か…と思うと、1人旅としては結構な出費である。

良く調べてみると、本数は少ないものの烏山頭ダムには台鉄の各駅からバスが何系統か走っており、このバスを組み合わせるとバスだけで行けそうだったので、今回はバスで行くことにした。なかなか乗るのはハードルの高い海外のバスではあるが、台湾のバスはどこでも悠遊カードさえあればタッチするだけで乗れるし、田舎であるが故に本数も少ないので違う系統に乗り間違うこともないだろう。

ということで鐡道ホテルを7時半過ぎにチェックアウトし、台南駅7:52発の普通列車に乗り込む。鐡道ホテルは駅前なので、台鉄に乗るには実に都合が良かった。

30分ほど乗って隆田駅で下車。そのあたりの日本の地方都市のような駅前であった。何台か黄色いタクシーが待機しており、これに乗れば楽々観光できるのだが、自分は右側のバス停へ。

8:45発の橘10系統台南芸術大学行に乗車。バスはマイクロバスであった。この橘10系統でダムに行くのは1日4本しかなく、台南から行くのであればこのバスに乗るのがベストだと思う。本数は少ないけどちゃんとバス停には時刻表、そしてLEDの発車案内まであり、スマホアプリでどこ走っているのかわかるので、乗るのはそんなに大変ではない。

隆田駅から3人乗り込んだのだが、途中の工業地帯のバス停で2人降りてしまい、ダムまで行ったのは自分1人だった。なかなか寂しい乗車率で、行く末がちと心配だ。

道はすいていて、15分ちょっとで烏山頭水庫バス停に到着。順調な滑り出しで何より。

烏山頭ダムの大きさと八田與一氏の功績に感動

烏山頭ダム周辺は烏山頭水庫風景区と銘打った観光スポットとして綺麗に整備されているのだが、今はシーズンオフなのか日曜だというのに閑散としていた。

車で入ることを前提にした広いゲートに向かい、入場料を払う。本当は100元なはずなのだが、なぜか半票の60元しか請求されなかった。バスで来たら割引でもあるのだろうか。

チケットの裏面には地図が書いてあったが、園内は車を前提とするほど非常に広く、歩いている人はほとんどいない。幸い今日は20度そこそこの穏やかな天気だったので、歩くのは苦ではないが、夏場だと結構しんどそうである。1月にここに訪れたのは正解だった。

まず第一に向かったのは八田技師紀念室

写真NGだったので写真がないのだが、八田與一技師が烏山頭ダムで果たした功績が日本語も交えてわかりやすく展示している。往時の生活の様子がわかる写真が沢山飾られており、大変参考になった。

紀念堂は旧放水口の脇にある。今は渇水期でもあり水の流れもなく穏やかだが、ここは終戦後、八田與一の妻、当代樹が夫が造ったダムの場所から離れたくなかったのか、身を投げた哀しい場所でもある。どんな思いだったのだろうか…。

放水口の脇にある発電所の名前は「八田水力発電所」であった。本当に八田與一が台湾の人たちに慕われていたことがよくわかる。

工事で犠牲になった人たちを祀った殉工碑に敬礼。八田與一の意向により、日本人・台湾人分け隔てなく犠牲者の名前が書かれているという。

いよいよダムに向かうことにしよう。

烏山頭ダムは日本でよく見かけるコンクリートで固めたダムではなく、極力コンクリートを使わない形で設計されたダムであり、そのため、今でも十分現役で稼働しているのだそうだ。見た感じは、大きなため池のように見えるが、この写真のようにその土盛りは非常にスケールが大きい。

いやはや、実にスケールの大きなダムである。想像以上の大きさだ。ただこれでもごく一部しか見通せてないところからも、いかに烏山頭ダムが大きいかがよくわかる。これだけの建造物を戦前に作り上げるなんてすごいものだ。

対岸の入り組んだ湖岸が島のように見えて実に美しい眺めを作っている。時折地元の人たちがジョギングしたり、観光客が自転車でサイクリングを楽しんだり、犬がとことこ歩いていたり…。穏やかでのどかな雰囲気が最高だったな。

パノラマで撮ってみました。

さて八田與一技師の像にご挨拶へ行くとしよう。

八田與一技師銅像は、ダムを見下ろす丘の上に置かれている。

日本式の灯籠が目印ですぐに場所はわかったが、思ったよりもこじんまりとした場所であった。派手さを嫌っていたという八田與一氏らしい雰囲気だ。

今日は特に命日でも何でもない日であるが、八田與一像やその後ろにある夫妻の墓には花やお供え物があり、綺麗に管理されているのは嬉しい限り。地元の人もここを通り過ぎるときはかならず挨拶をしていくようである。自分もここで氏の功績に感謝の挨拶をする。台湾9回目にして、ようやくここに来ることができ感無量であります。

八田與一氏の像からは、氏が力を入れて作り上げたダムを望むことができる。氏の功績や台湾の人たちの思いに恥じぬよう、我々日本人はがんばっていかねばならないなと改めて感じた次第である。

八田與一紀念園区へ

以上で烏山頭ダムの主だった見どころは終わりだが、近年烏山頭ダムに近接した場所に八田與一紀念園区が整備され、氏が住んでいた建物が復元されているので、そちらへ向かうことにする。

八田與一紀念園区は烏山頭水庫風景区の入口から600mほど北に歩いて一度出口を出て、道路を横断したところに入口がある。風景区のチケットを保持していれば無料なのだが、風景区側の入口は無人で入れず、必ず風景区→紀年園区という順で巡る必要があるようだ。最初、紀念園区近くで自転車を借りて先に紀念園区行こうかと思ったりしてたのだが、危なかった。このあたり、googleストリートビューとかでは判別がつかず、要注意である。

復元された八田邸は和洋折衷の建物で、八田與一らしい華美でもなく落ち着いた造りであった。

1935年の家族写真。真面目そうな一家という感じであった。

庭には当代樹氏の像が飾られていた。

紀念園区の前の道は「八田路」という。本当に慕われているのですね…

ここまでちょうど1時間半。非常に充実した滞在であった。タクシーの標準コースと比べると、烏山頭ダムの南側に位置する天壇や今の放水口にかかる吊り橋はさすがに遠くて行けなかったけど、1月の穏やかな気候にも助けられ主要なスポットは全て徒歩で巡ることができた。これならタクシー使わなくてもバスで十分ではないかしら。

バスを乗り継ぎ嘉義から台北

さてあとは復路、きちんと台鉄に乗り換えて台北に向かうだけです。

復路は行きのバス停の一つ手前、嘉南里バス停から10:31発新営行黄1系統に乗ります。ここのバス停はポールしかないが、通るバスは限られているので乗り間違いはまずない。台湾のバス停はどこもポールがちゃんと建っており、このあたりはよくポールすらない日本のバスよりもよほどしっかりしている。

今度のバスは大型でEVと思われる最新のタイプであった。乗客も多かった。

終点の新営で台鉄に乗り換えられるのだが、途中の林鳳営駅でも台鉄に乗り換えられるのでここで下車。ここの乗り継ぎは時間が数分しかなくちょっとどきどきしたのだが、無事乗り換えることができた。林鳳営駅は日本統治時代の駅舎が今も大事に使われている。白い駅舎とヤシの樹がいかにも南国らしい穏やかな雰囲気で、5月に訪れた香山駅と対比すると面白い。

www.tamazo-diary.net

このあたりからだと台南市街地よりも南に位置している高鉄台南駅まで戻るよりも高鉄嘉義駅から新幹線に乗った方が速いので、北上します。

林鳳営10:58発の普通電車に乗り、次の新営駅で追い抜く11:11発の自強号に嘉義までチョイ乗り。台鉄では70km以内であれば追加料金なく悠遊カードだけで自強号に乗ることができるので非常に便利だ。

このPPタイプのE1000系に乗るのは2006年に九份へ行くときに乗って以来18年ぶりだ。最近3000系の新型が出てE1000系は徐々に数を減らしていくはずなので、わずかな時間とはいえ乗車できたのはラッキーだった。

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11:26に嘉義駅着。駅裏手のBRT乗り場からバスに乗って高鉄嘉義駅へ移動する。嘉義は台鉄による連絡路線すらないので不便だ。ただこの乗り換えを入れても台北到着は自強号に乗り続けるよりも速いんだよね。さすが台湾新幹線である。

12時過ぎに高鉄嘉義駅着。予約している台湾新幹線の列車まで1時間ほどあったので、駅弁を買ってベンチでお昼を食べる。

嘉義13:08発の台湾新幹線台北へ。事前に外国人向け2割引き乗車券で指定席を確保しておいたのでらくらく移動である。

台北には14:33着。気温は17度とそこまで低くはないが、1月の台北らしくどんより曇り空で、風が強くて寒かった。南部の穏やかな気候が懐かしいな。

なんとバス代がタダ!

ということで、バスで巡る烏山頭ダム訪問、無事に完遂したのだが、悠遊カードの記録を見返したところ…。

なんと今回乗ったバス代がタダだったのである。

どうも台南エリアのバスは、悠遊カードで8kmまでの乗車だと運賃のかからないキャンペーンをやっているらしい。下記のサイトでは2023年12月までとなっていたが、まだ適用されているようだ。

2384.tainan.gov.tw

普通バスで8km以上も乗らないので事実上バスにタダで乗り放題だとね。

嘉義駅から高鉄嘉義駅までのMRTも台湾新幹線の切符を持っていれば無料なので、今回全然交通費がかからなかった。タクシー代1000元に比べると天と地の差だ。これはバジェットトラベラーにはぜひおすすめしたいところであります。

ただ、今回悠遊カード結構使うと思っていっぱいチャージしたのに、全然残額が減りませんでしたわ。なので、また台湾行かないとですな。

 

好立地のバジェットホテル・鐡道大飯店に宿泊 / 2024.01 台南旅行(7)

台南で宿泊したのは鐡道大飯店(鉄道ホテル)である。

台南はいわゆるビジネスホテル的なチェーンホテルが見当たらず、あまりそそられるホテルが見当たらなかったので、立地重視、値段重視でこのホテルにした。

外観・ロビー

鐡道ホテルは台南駅前ロータリーの雑居ビルに位置している。駅前なので道に迷いようがないうえに、北站バスターミナル前なので市内観光にも便利である。

駅の目の前なので鐡道ホテルなのかと思う一方、確か中国語で鉄道は火車だったはずなので、なぜこの名前なのかはちと謎である。

小ぎれいなロビーでチェックイン。以前はセブンイレブンが入っていてイートインスペースも兼ねていたらしいのだが、今は撤退してしまっていてちょっとガランとしていた。なお、コンビニ自体はすぐ近くにファミマがあるので問題なし。

眺めの良いダブルルーム

アサインされたのは13階。一番安い窓無し部屋を予約したのだが…。

お、ちゃんと窓があるじゃないですか。これは嬉しい。窓際の出っ張りのあたりの床がベコベコだったけど…。

部屋はそれほど広くはないが、1人旅であれば十分。正直内装はくたびれまくっている古ホテルであったが、必要なものは全て揃っていた。ペットボトルは2本あったし、冷蔵庫もあるし、意外にも歯ブラシまで揃っていた。シーツもパリっとしてて快適。ネットも結構速かった。

バストイレも広いうえに、バスタブまであっておおっと思ったのだが、なんとバスタブと洗面所の間にカーテンがなく、自分の嫌いな洗面所がびしょびじょになるタイプであった。うーむ。さすがにこれでは湯船にどっぷりはできず、シャワーを浴びるに留めました…。

そして、トイレはもはや台湾で絶滅したと思ってた、紙を流すなタイプでありました。あまりに驚いたのか写真を撮り忘れました(笑)

フロアプランを見ると、窓有の部屋であっても外が見れない部屋があるみたいだが、自分の部屋はロータリー側のようだ。早速窓の外を見てみると…

おおっ、台南車站の建物や南国らしいロータリーが一望できた。これは素晴らしい眺めで大満足である。

ちなみに駅裏の高層ビルは台南随一の高級ホテル、シャングリラファーイースタンホテルである。シャングリラの中では安いホテルでホテル修行地としても使われるらしいが、自分にとっては縁遠く全く候補にはあがりませんでした(苦笑)

西羅殿牛肉湯の朝食

この鉄道ホテルは朝食の提供がなかったので、台南らしい朝食を食べに外に出た。

ホテルから10分ちょっと、台南公園の先にある西羅殿牛肉湯へやってきた。地球の歩き方Platに載っていた、台南名物の牛肉湯の店である。

朝6時過ぎと早かったのに地元の人たちが多く利用していた。朝の台南はさすがにちょっと寒かったので、温かい牛肉のさっぱり味のスープがほっと一息つく。牛肉湯を頼むと肉燥飯のサービスがつくのだがこちらは脂が乗っていてごはんが進む。非常に満足した朝食でした。

鐡道大飯店のまとめ

まあ想像通りボロかったが、ボロさは覚悟していたので、その上で眺めの良さとか部屋の広さとか、思った以上に快適であった。ただまあ、1人旅だから良いのであって、2人旅以上だったらもっとちゃんとしたホテルに泊まりたいところだ。

あとちょっと微妙だったのが値段。このホテル、平日だと2000円くらいでも泊まれてしまうのだが、週末は高く7000円以上した。まあ円安かつ台湾でもホテル代は高騰しているので、決してぼったくりではないものの、ちょっとこの設備で7000円は高いかなぁ。

人通りの少ない朝の台南の路地裏歩きを堪能し、名残惜しいが出発の時。2日目は台南を後に烏山頭ダムへ向かうことにします。