たまの日記

最近は弾丸旅行ばかりです。

竜飛海底駅訪問記(5):北斗星で北海道へ

郡山駅21:53発の北斗星でいよいよ北海道へ向かう。

北斗星には何度も乗ったことがあるが、2001年以来すっかりご無沙汰な上に、これまでの乗車もその全てが札幌18時過ぎに出発し上野に10時過ぎに到着した上り北斗星4号であり、下りは1回も乗ったことがなかった。 今回は途中駅からの乗車であるが、楽しみだ。

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先頭の機関車はEF510型に更新されど、客車は伝統の24系ブルートレインである。 北斗星のエンブレムが豪華さを演出しているが、1988年の登場から四半世紀。ブルーの外板はベコベコで正直結構痛々しかった。

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B個室は通路もしっかり作られており、高級感もあるが、今回は素通り…orz

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2号車の開放B寝台が今回の寝床である。 3連休だけあって上段含めてほぼ満席だった。 まあ、古き良き汽車旅感が漂うB寝台の旅もまた良き経験である。

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今回、できれば21:30~営業のパブタイムで夕食を取ろうかと思っていた。 しかし…3連休なだけあって満席な上に、ロビー室で待ち客も多数いたので断念。 繁忙期は郡山からだとダメだね。今回、松島に行かずに宇都宮まで戻れば行けたかもしれなかったが、まあ仕方がない。

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ということで保険のために予約しておいたグランシャリオ弁当を引きとり、ロビーカーで遅い夕食。 小ぶりではあるが、海の幸が凝縮された弁当でなかなか美味しかった。

5日前までに電話すれば予約可能で、包装紙の裏が乗車証明書にもなっているのが嬉しい。

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ロビー室はパブタイム待ちの人で満席であったが、22:30のラストオーダーを過ぎ、何組かは結局入れなかったようだ。

23:00を過ぎるとさすがにロビー室もガラガラになるが、今残っている北斗星は半車ロビー室の編成しか残っていないので、ロビーカーが連結されていた北斗星4号しか乗ったことのない自分には少し息苦しい。北斗星4号は個室数は少なかったが、ロビーカーがついて広々していたし、出発も到着も中途半端な時間なのか北斗星3往復の中で一番すいていた列車だったので寝台も確保しやすく重宝していたのである。

今思えば北斗星で帰京ってのは贅沢の極みだったなぁ…。

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最後尾のオハネフ25は、貫通路まで客が入れるので、通り過ぎるホームを眺める。 まさに夜汽車。旅情を感じますね。

23:30発の仙台を過ぎ、そろそろ眠くなったので寝ましょうかね。

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B寝台もカーテンを閉めればプライベートスペースとしては十分で、自分は全く気にならない。 横になれば快適だ。 ということでおやすみなさい…。

長時間停車で目を覚ます。恐らく機関車の付け替えを行う青森駅だろう。 屋根に雨が叩きつけられる音が結構激しい。今日は午前中は雨交じりの予報であったが予想以上に強いようだ。

もうひと眠りするが、5時半を過ぎ、スラブ軌道のコーッっという音が響くともう寝れなくなった。 身支度をしてロビー室へ行く。 ちょうど青函トンネルの最深点の緑色の蛍光灯が通り過ぎたところだった。

吉岡海底駅を過ぎ、地上へ。雨が強かったのが残念だが、北海道だ。 列車は海沿いを走っていく。 徐々に明るくなっていく中、前方に函館山が見えてきた。 その姿は次第に大きくなり、旅人を優しく見守ってくれる。

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自分は江差線から見る函館山の景色が好きだった。 約30分にわたり、徐々に近づいてくる函館山を見るとまさに「はるばる来たぜ函館~」という気分だった。 逆に帰りは、楽しい思い出を名残り惜しむかのようにずっと寄り沿う函館山が印象的だった。 特に夏場は漁火の灯りが海を照らす中、どっしりと佇む函館山がとても感動的だった。 2002年にここを通ってから、すっかりご無沙汰であったが、再びこの景色を見られて満足である。

木古内から函館までのこの区間は、第3セクターとして残る見通しではあるが、東京からはるばる列車で北上しここを通る機会はもうないかもしれない。そんな思いで、最後かもしれない函館山の景色を堪能した。

上磯を過ぎると、6:30となり食堂車営業となる。昨晩行けなかったので朝食と行きましょう。

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昨晩パブタイムに行けなかったリベンジ客とかで早々に満席になるかと思いきや、朝早いからかすぐには満席にはならなかった。 まだ完全に朝になっておらず、席を照らすライトが温かいが、朝、食堂車を見るとあちこちにガタがきているのがどうしても目についてしまう。この車両を使うのももうそろそろ限界だろうな。

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食堂車に限らず自分は朝は洋食派なので、洋食セット(1600円)を注文。 10年以上前の洋食よりもちょっとコストダウンが目立つなぁという気がしたが、食堂車はそこで食事をすることに意義があり、十分である。デニッシュパンは暖かくて美味しかった。

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食事をとっていると、定刻6:35より少し遅れて函館駅に到着。 今日の目的地は函館であるが、実はパブタイムに行けず、朝食を食堂車で取る可能性を考え寝台券は次の森まで予め買っておいたので、そのまま乗車。

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森まではわずか40分ちょっとであるが、大沼公園や駒ケ岳など高原のような景色が堪能できる。 もっとも今日はあいにくの雨模様であったが、北海道だけあって赤づいた紅葉を楽しむことが出来、贅沢な気分だ。

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定刻7:27より少し遅れ、雨模様の森駅着。 短い時間であったが楽しませてくれた北斗星ともお別れである。 しかし外板の痛みはホント激しい。頼むからちゃんと補修してあげなよ。

さて、ご存知の通りこの直後、北斗星北海道新幹線函館開業を前に2014年度末に廃止されることが報道された。 豪華寝台特急として憧れの的であった北斗星も、設備的にはかなり厳しく、自分はまだまだ満足で憧れの存在であるが、致し方がないところであろう。

しかしトワイライトエクスプレスカシオペアも、存続という報道もあるが、新幹線との併存というのが青函間を走る機関車をどうするのかなど、今更投資するのか甚だ疑問なことを考えると厳しく、このまま行くと北海道行夜行列車が消滅になる可能性が高いというのは、やはり寂しさを感じ得ない。 12年もご無沙汰だった自分がえらそうなことは言えないのだが、今回が最後かな…とも思ったのだが、できればもう何度かは乗ってみたいなと思う。

今回はB寝台だったので、次は10時打ちして最低でもB個室、できれば大人買いでA個室を狙いますかね…。