の続き。
山鉾町の屏風祭を見学
山鉾巡行のもう一つの楽しみは屏風祭である。窓越しに見える京町家に貴重な屏風や美術品などが飾られ、京都の文化に気軽に触れる機会を与えてくれる。
今回は新町通で屏風祭を行っている吉田家、藤井紋の2か所を見学。北観音山の会所前に隣あっており、特に有名な場所である。
吉田家は後祭山鉾巡行復活の立役者、吉田考次郎氏の家であり、普段は「京都生活工藝館 無名舎」として一般公開されている。
実は自分も過去2度予約したのだが、1回目に予約した2022年9月は台風の影響で京都着が遅れて予約した時間に間に合わず、2回目に予約した2023年5月は奥様の不幸で見学中止になってしまい、未だ見学できていない。
2回目はその代わりに大西常商店の京町家を見学してこれはこれですごく良かったのだが、ずっと心残りだった。今回入口のみとはいえ見学できて良かった。
そして玄関前には吉田氏の姿も。車椅子には乗られていたがご健在ぶりを見れて良かったです。
こちらはずらっと並んだ屏風が実に見事な藤井紋。北観音山のミニチュアが置かれていてよくSNSとかでも見られる光景である。そして本当に京町家は奥に長い。
後祭の宵山を堪能
後祭の宵山は明日21日から23日までとなっているのだが、今日曳き初めを行った山鉾は、駒形提灯を並べて事実上宵山が始まる。なので夕方、再び新町通へやってきた。
まずは大船鉾へ。
時刻は18時半前。東京より西に位置する京都のこの日の日没は19:15頃なのでまだ暗くはない。ちょうど駒形提灯の取り付けが行われていたが、お囃子は早くも奏でられていて宵山の雰囲気がある。
大船鉾はいち早く粽などの授与を20日から始めているうえ、ほかの山鉾では明日からの搭乗もこの日の19時から始めるなど、非常にサービスが良い。お気に入りの鉾になりましたわ。
18時半過ぎに拝観券の受付を開始、お囃子が終わった45分くらいに鉾に乗ることができた。
隔年で先頭を飾る大きな大金幣を見ながら搭乗。船型なので端っこにベンチのような場所があって安定感はあるが、横幅が狭くて昨年乗った岩戸山に比べて狭さを感じた。ここにご神体や囃子方が大挙して乗るんだから本番はギチギチなんだろうな。
鉾を降りるとちょうど駒形提灯に明かりがつき、いよいよ宵山らしくなってきた。自然と心が躍る。さて他の山にも行ってみましょうかね。
南観音山はまだ準備途上といった感じで、駒形提灯も南側しか付いていなかったが、それでも風情たっぷりだった。
北観音山ではちょうど御囃子が始まってた。風情あるなぁ…。前祭の宵山よりも人少ないので後祭はじっくり鑑賞できて面白い。#祇園祭 #祇園祭2024 pic.twitter.com/TWySUElPEH
— たま (@tamazotamazo) 2024年7月20日
北観音山はちょうどお囃子を奏でていて、その音色が良かったな。ここは西側が駐車場になっているので、奥まったところから俯瞰で写真が撮れるのも良い。
そして鷹山。こちらもお囃子が奏でられていて雰囲気は最高だった。そして三条通に面する鷹山から望む西の空の色合いが本当にきれいだった。今日も暑い暑い1日だったけど、それを忘れてしまうような印象的な色合いでした。
鯉山、そして浄妙山。浄妙山などはまだ山は出来上がってなかったけど駒形提灯が付くだけで気分は盛り上がっていく。この駒形提灯、本当に見事だね。
今日は本当の宵山ではないのですべてを見て回ることはできなかったけど、それでも立ち寄れて良かったです。後祭の宵山は人が少なくて落ち着いてじっくりとみられるのが本当に良い。露店が立ち並び賑やかな前祭の宵山も良いけれど、23基もあると全部回るのは大変だし、11基とこじんまりしていて、そして昔ながらの雰囲気が味わえる後祭にすっかり魅かれました。来年は翌21日まで滞在して宵山を満喫したいですな。
伏見稲荷の宵宮祭に立ち寄り
時刻は19時半過ぎ。最初は20時過ぎの新幹線で東京に戻るつもりだったのだが、今日7月20日は伏見稲荷大社の宵宮祭が行われている。
伏見稲荷は24時間入れるので夜に訪れることは普段から可能なのだが、献納提灯に灯が灯され、ライトアップされているのはこの宵宮祭が行われている日だけ。毎年土用の丑の日直後の日曜に行われる本宮祭の前夜祭である宵宮祭は毎年日が変わるので、曳き初めかつ土曜の夜に重なった今年は実はラッキーだ。
なので新幹線の時間を遅らせて帰りに伏見稲荷に行くことにした。
JRの稲荷駅を降りて伏見稲荷の参道を眺める。ずらっと並んだ赤い提灯が実に幻想的だ。予想以上に人が多かったけど伏見稲荷自体は広いのでそこまでぎゅうぎゅうというわけではない。
2020年に夕方の伏見稲荷に来たことはあるけど、コロナ禍ということもあって寂しい感じだった。今日は一転、とても賑やかだ。
本殿の大きな献納提灯が本当に見事だった。そして浴衣姿の女性の頭にはキツネのお面が。いかにも伏見稲荷らしい景色が楽しい。
千本鳥居まで行ってみたが、ここは人が多くて暑苦しかった。ライトアップされていたが、本殿に比べると今一つだったのであえてこの時期に来なくてもよいかも。
わずかな時間の瞥見ではあったが、ライトアップされた夜の伏見稲荷は普段の昼間とはまた異なる雰囲気があって、来れてよかったです。
のぞみ62号であわただしく帰京
京都駅に戻り、21:21発のぞみ62号で東京に帰ります。本当は今日泊まっても良かったのだが、土曜泊だとホテル代が高いので、やむなく日帰りです。しかし、21時過ぎの新幹線に乗ってもその日のうちに東京の家に帰れるって考えると京都はむっちゃ近いですな。
今回はEX早特21で予約していたのだが、EX早特21は当日であれば列車の変更ができるようになったので、今日のように急遽宵宮祭に行くことを決めても変更ができる。21日より前に京都行くならばまず適当な時間の新幹線を予約すれば良い。今後は新幹線利用の比率が上がりそうだ(って、今までヒコーキで京都行ってた方がおかしいんだけど)
伏見稲荷参道で買ったお稲荷さんと、フレスコで買った鱧おとしで夕食。リーズナブルながら京都の夏っぽい食事となりました。
初めての曳き初め旅を終えて
いやはや、後祭の山鉾が動く様子を短時間で見ることができただけでなく、伏見稲荷の宵宮祭、そして曳き初め前には今年のそうだ京都行こうのロケ地、蓮華寺や下鴨神社のみたらし祭などにも行くことができ、実に充実した日帰り旅でした。
今年のそうだ京都行こうCMロケ地、蓮華寺へ。こじんまりした寺で拝観者も少なく庭園の青々とした樹々が綺麗だった。
— たま (@tamazotamazo) 2024年7月20日
ただ暑くて皆縁側で寛ぐので人のいないCMの絵は撮れず…朝イチで行かないとダメだね。 pic.twitter.com/4vrBtH5Y5p
土用の丑の日前後に行われる下鴨神社のみたらし祭(足つけ神事)へ。御手洗川の水が京都の暑さを吹き飛ばすほど冷たくて気持ち良い!!素晴らしい体験をさせていただきました。 pic.twitter.com/8bq9phS92q
— たま (@tamazotamazo) 2024年7月20日
この時期の京都は本当に面白い。また来年も行きます…っていうか、またこの翌週に京都へ行くわけですが(笑)それはまた次の記事で紹介したいと思います。
(つづく)