の続き。
最初の予定では頂上でご来光を見ればそれで満足で、後は降りるもよし、お鉢巡りをするもよし、と思っていたのだが、ご来光は本当に疲れも高山病も一気に吹き飛ばすもので、よし最高峰に行こう!と思いお鉢巡りをすることにした。
このあたりはスケジュールに縛られない個人の特権だ。
歩くと火口の反対側に富士山の最高峰、剣ヶ峰を望むことが出来る。
すぐ行けそうだが、あそこまでは1キロ以上、一周は2.4キロもあるのだ。
前半は平坦な道が続き、快適な頂上トレッキングという感じ。眼下には雲海を望み、贅沢の極みだ。
15分ほどで御殿場口、富士宮口の頂上へ。ここは山頂郵便局と浅間大社の奥宮がある。
せっかくなので登頂記念の郵便を発送し、浅間大社へお参り。
浅間大社にはトヨタ販社の人達が会社のジャンパーを着て祈祷していた。すごいな。
剣ヶ峰まではもう少しだが、馬の背と呼ばれる急坂が待ち構えている。
この坂は登山道よりもはるかにキツく、砂が柔らかく何度も転びそうになる。
3700m超えの世界でこの坂は結構厳しいが、何とか登りきると…。
剣ヶ峰は写真撮影の大行列。
まあ、ここまで来たら撮らないわけにはいかないのでおとなしく並ぶ。
ここは富士山測候所、現在の富士山特別地域気象観測所がある。
登山前に新田次郎の「富士山頂」を読んできたので、ああこれが富士山レーダーのあった場所かと感慨にふけったが、今や無人観測所ってのもすごい世の中になったものだ、と思う。
そして…。
6:34、日本最高峰の剣ヶ峰に到達しました!
とにかく満足です!
満足してお鉢巡りも後半戦だが、北半分は結構アップダウンが大きい。
ゆっくりと景色を味わいながら前へ進む。
7時近くなり、風がやむと汗ばむくらい。太陽の力ってすごい。
眼下を見ると、朝の影富士がくっきりと見えた。富士山に登った人しか見ることのできない特権だ。
そして遠くを見ると、山々が広がっていた。
ツアーガイドの話を拝借するに、手前に広がる山々は南アルプスで、日本第二位の北岳も臨むことが出来た。
そして右端には八ヶ岳。南アルプスの後方には中央アルプス、八ヶ岳の後方には北アルプスも遠望できた。
ガイド氏曰く、夏場でここまでくっきり見れるのは珍しいとのこと。確かに雲の多い夏にここまで遠くまで見れるのはラッキーなのかもしれない。
次はどこへ行ってみようかな。
下手くそですが、3枚つないでみました。
こんな感じな光景が広がっているなんて、なんて贅沢!
火口には雪も若干残っていた。
三時間前に通った吉田口の鳥居が見えてくると、お鉢巡りもおしまい。
郵便局や写真撮影で並んだ時間を含めて、約2時間のトレッキングでした。
三時間前は大賑わいだった山頂の店も、中はガラガラで一息モード。ベンチには疲れてぐったりしている人も多くいた。
昨日の登山中は全然見えなかった山中湖も、今日はくっきり見えている。
天気が良いのは有り難いが、ちょっと日差しがきついかな。帰りは厳しいかも。
名残り惜しいが、日焼け止めなどをつけて、下山と行きましょうか。
(つづく)