の続き。
今日の目的地は標高3400mの八合目トモエ館。所要時間目安は休憩抜きで5時間程度のようなので、18時到着を目標にしようと思う。
標高2305mの富士スバルライン五合目との標高差は1100mほどと塔ノ岳よりは低いので、高山病の心配さえなければ無理なく到達できるはずである。
六合目まではほとんど平坦で、観光客も多く歩く遊歩道的な区間であるが、ここを急いで走ると後半バテるということなのでツアー集団よりもゆっくり進むくらいな感じでのんびり歩く。
六合目には12:45に到着。のんびり歩いたつもりだったがコースタイム50分よりは少し速かったようだ。
ここで少し休憩。このために買ったドライマンゴーを食べるが、すごく美味しかった。行動食としてはオススメである。
12:57に出発。ここからは本格的な登山となる。
つづら折りの登りがずっと続く。砂礫の道なので結構歩きづらい。
六合目を過ぎると木々がなくなり、直射日光の直撃を食らうのだが、天気は時折日が差すくらいで、汗をかくこともなく快適に歩く。これは、本当にありがたかった。
小一時間ほど歩くと、山小屋が連なる七合目エリアに入っていく。よく写真で見た景色が広がり、ああ、富士登山しているんだーという実感がわいてきた。
最初の山小屋、花小屋を13:56に通過。
ここからは岩場の連続となるので、昨日ダイソーで買った軍手を手にする。
個人的には砂礫の道よりは岩場の方が楽なのだが、ツアー登山客はストックをしまわない人が多いので渋滞になる。ストックは使わない方が楽に登れると思うんだけどな。
渋滞はご来光直前がほとんどなのかと思ったのだが、実際は七合目以降はツアーに遭遇するとすぐつかえるのでほとんど渋滞だった。
でもはっきり言ってこっちも抜くほど急ぐ必要はないし、ペースメーカー的に使っていたので迷惑という感じではなかった。
下を見ると…登山者だらけ!
七合目トモエ館に14:08に到着し10分ほど休憩。ここは目的地の八合目トモエ館と同じ系列である。
ここから八合目トモエ館まではあと180分とのこと。ほぼ予定通りのペースという感じか。
このあたりは10分おきに山小屋があり、賑やか。
吉田口はこのお祭り騒ぎさを敬遠する人も多いが、いかにも富士登山という感じで自分は楽しい。
七合目最後の山小屋、東洋館に15:07に到着し休憩。
ここは山小屋の中では比較的綺麗で、標高2900m強と標高差で半分弱の場所にあるので最初泊まろうと思ったのだが、5月の時点で完全満室で断念したところである。
が、2日くらい前に再度見たら、今日を含めて若干余裕があったようだ。
きっとツアーのキャンセルがあったのだろうが、こう前時代的にツアー最優先で予約を取るのってどうなのよって思う。登山なのでガイド付きの方が安全なのかもしれないけど。
ただ結果的に仮に泊まれたとしても、七合目だと少し早く着きすぎだったかな。
七合目を超えると標高3000mを過ぎる。
段々高山病の症状が出てくるころだが、何としたことが自分に軽い頭痛が…。
3000m強の標高は、スイスのゴルナーグラートやユングフラウヨッホで体験済みで特に何もなかったので、きっと大丈夫だろうと思っていたのだが、登山列車で行くのと登山では違うのかな。
休憩中のツアーの脇を通った時ガイドが「10のうち5くらい頭が痛いようなら諦めた方がいい」と言っていたのが気になったが…。
酸素缶を使う人が増えだし、持ってない自分はちとうらやましかったが、深呼吸を繰り返し先へ進む。
八合目に入り、15:54に太子館に到着。
このあたりが標高差でちょうど半分ほどという好条件の山小屋なのであるが、ここははとバス御用達山小屋で一般客はほぼ使えない。
山小屋前のベンチで休んでいたら「ツアーの宿泊説明に使うので脇へずれろ」と…。
はとバス憎し…。
八合目を過ぎると、岩場はなくなるが、砂礫の道になるので自分としては厳しい。空気が薄いという実感はないのだが、頭が痛いので深呼吸を繰り返しながら先に進む。
幸いガンガンするというところまでは進展しなかった。ある程度の頭痛は仕方ないのだろう。
白雲荘に16:45着。このあたりまで来ると苦しそうな人をちらほら見るようになる。
ふと眼下を見ると、雲の切れ目から山中湖や吉田市街が見えるようになった。ここまで来たんだなぁと実感。
雲が切れてきたということは、明日の朝は期待できるかも。
このあたりまで来ると、ツアーも段々減ってきて人が少なくなってくる。
だが八合目まで元気に登ってくる小学生ツアーもいた。苦しそうな子もいたけど、みんなで頑張って登るのはえらいね。うちの娘とか連れてきたら絶対ダメだな。
さて、本八合目まではもう少し!「トモエ」の文字が見えてきました。
眼下には見事な「影富士」が。もうすぐ夕暮れですね。
17:40、標高3400mのトモエ館に無事到着。ほぼ予定通りの到着である。
歩いているときは全然気にならなかったが、温度計を見ると12度だった。
影富士を眺めていると寒くて震えるくらい。
広間はそんなに広くなく、綺麗でもなかったが、まあこんなものでしょう。
到着後すぐに夕食となる。夕食は山小屋の代表格、カレーである。お腹がすいていたからか、カレーは美味しかった。
おかわりはできないのだが、ご飯が比較的多く、全部食べたら気分が悪くなった。高山病予防には沢山食べないってのもあるのだが、失敗したかな…。
8人部屋に押し込まれる。布団は寝袋で、寝返りはもちろん打てない。
左隣は親子で、右隣は最初いなかった。
夕暮れになるとやることがないし、翌朝は早いので、19時には寝ることにした。
が、あたりまえだけど眠くない。しかも19時半過ぎに右隣に女性3人組がやってきて、がさごそしていたのでますます寝れなくなった。
隣も夕食後は静かになったのでうとうとするが、寝ると呼吸が浅くなるので気分が悪くなり、起きて深呼吸をする。寝たり起きたりの繰り返しで寝たんだか寝ないんだかよくわからない状況のまま、夜は更けていった。
(つづく)