たまの日記

最近は弾丸旅行ばかりです。

男鹿線完乗~秋田新幹線で帰京 / JREポイント半額特典キャンペーンで行く東北(8) (2022年10月)

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の続きです。

秋田市内を一瞥した後はまだ未乗だった男鹿線に乗ります。

デジタルフリーパスとEV-E801系で男鹿へ

秋田10:38発の男鹿線直通男鹿行に乗る。

男鹿線の車両は蓄電池電車のEV-E801系である。

EV-E801系(ACCUM):JR東日本

このEV-E801系は8月に乗車した、JR九州のBEC819系をベースにした車両である。

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外観な内装はJR東日本らしく大人しめになっているが、大きなLED方向幕などJR九州っぽさは感じられる。九州ベースの車両が遠く秋田の地で走っているとは興味深い。

車内のディスプレイにはどちらのモードで動かしているのかが表示されるが、なまはげのイラストが表示されるのが秋田っぽい。

今回、男鹿まで往復するにあたり、何かお得な切符でもないものかと思っていたのだが、TOHOKU MaaSのデジタルフリーパスで提供されている秋田・男鹿おさんぽきっぷを使うことにした。

TOHOKU MaaS:JR東日本|東北の旅行・グルメ・観光がスマホで便利になる

1550円と秋田~男鹿往復より10円高いが、今日は帰りに秋田より先まで乗るので、秋田~和田間の運賃を考えるとお得である。

スマートフォンで買えるので、駅で切符を買わなくても良いのは便利なのだが、TOHOKU MaaSって正直あんまり情報が出回ってないと思う。スマホネイティブな人に本当に刺さっているのか、そしてJR東は本当に売る気があるのか疑わしいな。

そんなデジタル化が進んだ男鹿線ではあるが、乗ってしまえばわずかな乗客を乗せて休日午前ののんびりとした空気を運ぶローカル線であった。

男鹿半島の南岸沿いを走る男鹿線であるが、海はほとんど見えず、見えるのは長閑な田園風景とあちこちにそびえたつ風車ばかりであるが、八郎潟が海に接する船越水道にかかる八郎川橋梁からは、八郎潟残存湖と日本海を両方望むダイナミックな景色を楽しむことができた。

11:32、小一時間の男鹿線の旅は終わり男鹿駅へ到着。

男鹿駅は改築されてこぎれいな駅舎になっていて、反対側の道の駅おがとの間は広々とした駅前広場ができ、観光客で賑わっていた。もっとも、ここに来ている人のほとんどは車だろうけど…。

EV-E801系は駅に整備された剛体架線にパンタグラフを上げ、秋田に向けて充電を行う。男鹿での折り返しはどの列車も30分以上停車して充電作業を行っているようである。秋田までは大した距離ではないのに毎回充電など無駄な気がするのだが、ローカル線にありがちな数分の折り返しではないので、周囲を散策する時間があるのはありがたい。

大龍寺の庭園を散策

向かったのは駅から5分ほど、坂を上った先にある大龍寺

大龍寺 楽水亭庭園 | 男鹿の観光スポット | 男鹿なび

戦国時代からの歴史ある曹洞宗の寺院だそうだ。

この寺の見どころは明治時代に西洋史学家、澤木四方吉の父で地元の名士、澤木晨吉の別荘だった「楽水亭庭園」だという。

落ち着いた景観、自然と調和した庭園が見事だった。しかし、澤木四方吉という方、ここに来るまで全く聞いたことがなかった。まだまだ知らないことが多すぎる。

庭園の奥には、多宝塔様式で鐘楼を兼ねた龍王殿がそびえ立つ。この様式は日本唯一なんだそうだ。

ここから海を臨む景色は見事だった。今日はそこまで見えないが、遠くは森吉山まで見えるのだそうだ。ここで鐘を鳴らし、この後の旅の安全を祈願。

通路には先代、そして先日亡くなったばかりの当代円楽の写真が。両氏ともここを訪れ、襖絵を書いていったそうだ。

そんな話を、住職さんや奥さんからしていただき、お茶のサービスまでしてもらった。特筆すべき重要文化財などがあるわけではない寺ではあったが、その優しい雰囲気が心地よくて、訪れて良かったなと思う。わずかな折り返し時間で訪れるのが勿体なかったな。

しかし、当代円楽が亡くなってしまうのもびっくりであったが、72歳だったのも驚きだ。自分もだいぶ年を取って月日の経つ無常ばかり感じてしまう。

大龍寺を後に、道の駅おがにもちょっと立ち寄ったものの、地元の物産売り場は充実していたものの、レストラン以外で食べられるものがアイスくらいしかなく、軽く地元の名産でも買って車内で食べようかと思ったのだが断念。車で食材を買うならそれでよいのかもだけど、もうちょっと食事が充実してると良かったかな。

12:19発の秋田行に乗り、秋田へ戻る。

横手を往復して大曲から秋田新幹線で帰京

秋田からは13:45発の新庄行に乗る。

このまま東京に帰るのであれば秋田新幹線に乗ればよいのだが、実は大曲から横手までの間が未乗区間になっている。もう20年以上前、まだ山形新幹線が新庄まで延びる前に北上線で横手に出てから、特急こまくさで新庄方面に向かったと記憶しているのだが、このためこの区間だけ抜け落ちた次第。それから20年、乗ろう乗ろうと思ってここまで来てしまった。

大曲までは秋田新幹線との並走区間で、時折E6系がすれ違う。この区間普通列車でも110kmまで飛ばすので、すれ違いは迫力があり心地よい。

大曲を過ぎて、田園風景を眺めながら15分ほどで14:59横手着。わずか5分で折り返し列車に乗り込む。20数年ぶりの横手訪問はわずか5分で終わる(苦笑)

15:22大曲着。

大曲は花火の街。駅前には花火の模型があり、駅前の商店街も花火通りだとか。ちょっと行くと資料館もあるのだが、今日はそこまで行く時間がなく断念。

さて、帰りは15:39発こまち34号に乗ります。

大曲では進行方向が変わるので、東京行も秋田行も同じ向きで入ってくるのが面白いが、乗り間違えのないようにしないといけない。

予約した前日夜では残席が数席しかなく通路側しか取れてなかったが、当日の朝に窓側席が1席だけ空いたのでなんとかコンセントのある席を確保できた。しかし、前日夜でも当日数分前まで席が空いてれば取れるJREポイント特典は本当に素晴らしい。特典航空券とはエライ違いだ。半額でなくなっても、ちょこちょこ使って行きたいと思う。

遅い昼食として、秋田駅で買った大舘名物の鶏めしを車内で食べる。さすが有名な鶏めし、味・ボリューム・値段とも文句なし。大変美味しく頂きました。

この日の東北・秋田新幹線は結局軒並み満席で、よく前日夜に取れたものだと思う。

途中の仙台からもわんさか乗ってきて、コロナ前の流動に完全に戻ってきたことを感じるが、この後旅行支援、そしてJR東日本パスの期間限定販売(註:10/22で終了)を考えると、東北はしばらくは混みすぎて出かけられないな…。

こまち34号は先行列車遅れで東京駅手前で数分待たされたが、定刻19:04を少し過ぎて東京駅に無事到着。前日に決断した割には大胆な移動となった日帰り旅であったが、未乗区間も片付けられて満足な一日であった。

これでJR東日本管内の未乗区間は、津軽線の中小国~三厩間を残すのみとなった。のだが、この区間は8月の大雨で不通となってしまい、復旧の見通しが未だ経っていない。このまま廃止となって完乗達成なんてことがなければ良いのだが…。