香港といえば見逃してはならないのは夜景。
中でも有名なのはヴィクトリアピーク(太平山頂)からの100万ドルの夜景であるが、山の上までの往復は時間がかかることもあり、2005年、初めて香港に行ったときには見に行ったものの、それ以来一度も行ってなかった。
今回、実に19年ぶりに行ってみることにした。
激混みの15番2階建てバスでピークへ
ビクトリアピークへ行くには登山電車のピークトラムで行くのが一般的であるのだが、往復88HKDと結構な値段する上に、夜は混んでいて酷いときは乗車するまでに1時間近く待つ場合もある。ということで今回は路線バスで行くことにした。
路線バスで行く場合は、中環(セントラル)から15番の2階建てバスか、1番のミニバスに乗る。ミニバスの方がルートが短く運賃も安いのだが、MTRの中環駅から一番近い交易廣場のバスターミナルに15番のバス乗り場があったのでここから乗ることにした。時刻は18時過ぎ。終点のピークまでは45分程度らしいのでちょうど終点につくタイミングで19時頃の日没となるはずである。
ただこの15番バス、スターフェリーピア前のバスターミナル始発なので席がほとんど埋まっていた。かろうじて座れたからよかったけどほとんどの人は立たされていた。
しかも、金鐘や湾仔など途中のバス停にも乗客がたくさん待っていて、しまいには乗り切れない始末で、観光客同士でいざこざも起き始めて車内の空気は劇悪状態に…。
さらにこの15番バス、ピークトラムのようにまっすぐ登っていくのかと思ったら、跑馬地(ハッピーバレー)のあたりまで東進してからうねうねと山道を登っていくルートで、ものすごく時間がかかる。
というか、さっきまで銅鑼湾(コーズウェイベイ)にいたので、何のために中環まで戻ったんだよ、って感じである。
大混雑のコーズウェイベイを抜けて、5年前に香港来た時通ったオリンピック橋を再訪。2016リオでいっぱいになってたので2020東京はどうなったのかずっと気になってたのだが、まさかの「これで打ち止め」でした…orz pic.twitter.com/A6x5CtbCh9
— たま (@tamazotamazo) 2024年5月18日
まあ途中から乗れないし乗れても立ちっぱなしなんだけど。
こんなんだったら中環からノンストップで走らせればよいのに…と思ったのだが山道の途中には意外に住宅が立ち並んでいて、結構地元の人たちが降りて行ってた。地元客がいる以上はそんなノンストップ便は走らせられないわなぁ。
そんなバスであったが、左窓からは香港島南部の景色が見れる個所もあり、ちょうど香港仔(アバディーン)のあたりか、入江とマンションを見ることができた、これはピークトラムでは味わえない景色だ。
18:55頃ようやくピークギャレリアの1階にあるバスターミナルに到着。いやあ、疲れた…。
獅子亭からのビクトリアピークの景色
ピークギャレリアを出ると、目の前にはピークタワーの巨大な建物がそびえている。さすが山の上だけあって気温は23度、風が強くて少し肌寒かった。
一般的にはビクトリアピークの夜景とはこのピークタワーの屋上、スカイテラス428からの景色を差すが、ここは有料でしかも75HKDと結構な値段がする。前回2005年も行った、ピークタワーの脇にある太平山獅子亭(ライオンパビリオン)へ向かった。ここからであれば無料で景色を楽しむことができる。
中華様式の建物がフォトジェニックでもある獅子亭から、まさにトワイライトタイムの夜景を眺める。多くの人がいたが、激込みで写真も撮れないほどではなかった。ああ、やっぱり香港の夜景は素晴らしいなぁ…。
絶景!ルガードロード展望台へ
とりあえずこれだけでも十分満足なのであるが、今回の目的地はここではない。
ピークタワーの脇から、太平山の中腹をぐるっと囲む遊歩道のひとつ、盧吉道(ルガードロード)を15分ほど歩いた先に展望台があり、ここからの景色がまた素晴らしいらしい。
今回はそこからの絶景を見たいと思う。
ルガードロードは高低差もなく、舗装もされていて歩きやすい。しばらくは視界が開けない樹々が生い茂る中を歩くので、ビルに囲まれた街、香港に来たことを忘れてしまう。
日没を過ぎだんだん暗くなってきたが、街灯も整備されており行きかう人も多いので危ない感じはしなかった。
ふと振り返ると、ピークタワーの屋上・スカイテラス428には夜景を眺める人がいっぱい!すごい混んでるんだろうな…。
さて、15分ほど歩くと、視界が開けてきました。
うわーっ。これは素晴らしい!! 絶景だ。
先ほどの獅子亭はビルが迫っているので迫力はあるのだけど、ビクトリアハーバーの広がりが今一つだった。ここはやや奥まった位置から俯瞰で眺めることができるので、ビクトリアハーバーを一望できてビルの明かりとのコントラストがより引き立つ。これ、これが自分が見たかった100万ドルの夜景ですよ。
展望台と俗称されるが、展望的なスペースはない。ただ人は多くないので、絶景を気軽に、そして無料で楽しむことができるのは素晴らしい。
だんだんと日が暮れて、闇夜にビルの光がキラキラと輝いてきた。
この場所はピークギャレリアのあたりよりも西側に位置するので、香港島の西側や西九龍の眺めも楽しめることができる。遊歩道なのでこの季節、樹々が入り込んでしまうのがちょっと玉に瑕であるが、それを上回る絶景にただただ満足です。
パノラマで撮影してみました。国際金融中心二期(IFCビル)を真ん中に、左に西九龍の香港一高くスカイ100展望台が入っている環球交易廣場、右に中国銀行タワーと特徴ある建物群を一目で抑えられるこの景色、ほんと素晴らしい。
よくガイドブックとかでビクトリアハーバーを望む夜景として紹介される写真と自分が獅子亭で撮った写真と何かが違うと思っていたのだが、ここからだったのかな。
ただただ満足なルガードロードからの眺めでした。
ルガードロードをピークタワーへ戻る途中の景色。ビクトリアピークの山肌には結構明かりが灯っていた。もともとビクトリアピークは英国人の避暑地だったこともあり、今でもこのあたりは高級住宅地なんだろうね。毎日この山道を行ったり来たりするのは面倒な気はするけれど。
最後にもう一度獅子亭に立ち寄り、景色を眺める。うん、ここからでも十分素晴らしいのだけど、ルガードロードと比較してしまうと全然だな。
往復で30分以上歩くけど、ビクトリアピークへ行くのならばルガードロードの展望台が絶対おすすめです。
ミニバスで下山し、スターフェリーからの夜景も堪能
時刻は20時前。さて帰りますか…と思ったら。
ピークトラム乗車待ちの長い行列が!来たときは誰も並んでなかったのに。
バスターミナルも行列であったが、行きの15番バスが時間かかったのに辟易したので帰りはミニバスで帰ることにした。ミニバスは定員19名と少ないが座席定員以上載せないので絶対座れるし、Google先生によると10分おきに走っているとのことだったのでまあすぐ乗れるだろうと思っていたのだが…。
全然バスが来なかった。20分に1本くらいしか走ってなさそうだったので結局40分くらい待ったかな。すごいここで時間を使ってしまったわ…。
ただバスは急坂を結構なスピードで降りていき、まっすぐ中環まで行くルートを通るのでわずか15分くらいで中環に戻ることができた。行きもミニバスにすればよかったな。
結局往復バス(15番バス12.1HKD、ミニバス11.8HKD)、展望台もタダということで合計で23.9HKDしかかからなかったビクトリアピークであったが、まあ往復で3時間近くかかってしまうので、何度も行く感じではない。何より行き帰りの混雑と行列がとにかく疲れるので、ルガードロードからの眺め自体は大満足だったけど、まあしばらくはいいかな。
さて、中環に戻ったからにはスターフェリーピアからスターフェリーに乗りましょうか。スターフェリーに乗るのは前回の香港以来5年ぶりだ。
スターフェリー、いつの間にか6.5HKDまで値上がりしてたけど、香港に来たからにはスターフェリーからの夜景はお約束である。涼しい海風を浴びながら、ショートトリップを楽しむ。いやあ、スターフェリー良いなぁ。
そして尖沙咀(チムサーチョイ)プロムナードからの夜景も久しぶりに堪能。ここ数年で、コロナ禍があり、香港の体制も大きく変わってしまったけれども、ここからの景色は全く変わらず、相変わらず素晴らしかったです。
最後はパノラマでパチリ。
気軽に異国情緒が味わえる香港はやっぱり魅力的な街だなぁと思います。