香港を訪れるのは今回が早8回目。これまでは香港ディズニーランドや中心部が多かったので、今回の旅では中心部ではなく郊外のスポット巡りをしようと思う。
レパルスベイのビーチリゾートをそぞろ歩き
まず向かうのは香港島南部。ビルが林立する北部とは全く異なり、南部は緑豊かな山を背にした入江が続くのんびりとした香港らしくないエリア。今回はその中からレパルスベイ(浅水湾)へ行くことにした。
浅水湾(レパルスベイ/Repulse Bay) | Hong Kong Tourism Board
中環の交易廣場バスターミナルからスタンレー行260番バスに乗る。レパルスベイまでは30分ほど。気軽に行けるリゾート地だね。結構乗客は多かった。
早く並んだので2階の先頭席を確保。金鐘から湾仔にかけてはビルに囲まれた香港らしい道を進むが、ハッピーバレーの競馬場を横目に見ながら香港仔(アバディーン)トンネルを抜けて海洋公園前を左折すると、右手に入江が見え、海岸線に沿ったカーブの多い細い道を走っていく。都会の喧騒はどこへやら、わずか20分でこの景色の差に改めてびっくり。
レパルスベイバス停で下車。まずはビーチへ向かうとしましょうか。
うわー、これはまさにビーチリゾートだね。一般的な香港のイメージとは全く違う、どこかのリゾート地といっても通じそうな風景だ。
曇り空ではあったが雨は降ってなかったのがありがたい。ビーチが雨だと幻滅だからね。気温は26度ほど、ビーチを通る風が心地よい。海はめちゃめちゃキレイと言うわけではなかったが澄んでいて、入江なので波も穏やか。靴脱いで海に入りたかったがぐっと我慢(苦笑)
土曜の午後だけあって多くの人たちで賑わっていた。
後ろを振り返ると、山を背にした高層マンションが林立していた。風水の気の通り道にあたるそうで穴が開いているのが香港らしい。レパルスベイは風水的に素晴らしいエリアらしく、高級住宅地として栄えているとのこと。
そういう意味ではここはいかにも富裕層っぽい白人比率が高くて国際色豊かだった。なんだかんだ言っても香港はまだまだインターナショナルな都市だよね。
そんな香港ぽさのないビーチを歩いていくと、極彩色の建物が見えてきて、再び香港らしくなる。ここ、鎮海樓公園は海の守り神、天后を祀る天后宮をはじめ、様々な神様たちが集まるパワースポット。1970年代に作られたということで歴史は浅いのだが、中国人観光客の人気スポットだという。
高さ10mもある大きな観音像や媽祖像が並ぶ写真はよくガイドブックでも紹介されているが、左の観音像が工事で覆われていた。残念。でも媽祖像だけでも十分迫力がある。
渡ると寿命が延びるという長寿橋を渡ると、長寿の象徴であるシャチホコをはじめ、いろんな神様の像がこれでもかと集まっている。こんなごった煮的に集めちゃうと逆にどれだけご利益があるんだろうか?と思ってしまうが、見てて楽しいし、入江をバックとした極彩色の建物群はインスタ映えしそうだね。
往復僅か3時間弱。なかなか楽しいレパルスベイでした。香港島は小さいので南部は遠いように見えて、思ったよりも気軽に行くことができる。次はスタンレーやアバディーンにも行ってみたい。
沙田のパワースポット、車公廟
翌日向かったのは新界の沙田。香港の面積の多数を占め、大陸ともつながる新界であるが、今まで一度も訪れたことがなかった。とはいえ今回訪れる沙田はその新界の入口でしかないのだが、楽しみだ。中心部からはMTRで30分もかからない、意外に便利な場所にある。
9時前にミニホテルセントラルをチェックアウトして、中環駅から一駅MTR港島線に乗り、金鐘からMTR東鉄線に乗り換える。中国本土と直通する九広鉄路を出自とする東鉄線は、ついこの間まで九龍側の交通の便が良いとは言い難い紅磡(ホンハム)始発だったのだが、2022年に金鐘まで延長されて香港島から訪れるのは便利になった。
紅磡からは地上をしばらく走り、獅子山トンネルを抜けて新界に入り最初の駅、大圍(タイワイ)駅で降りる。
屯馬線との乗換駅でもある大圍駅はすごく大きかった。周りはマンションだらけでいかにも近郊のニュータウンといった感じの場所であったが、目的地はここから10分ほど歩いた先にある。
車公廟(Che Kung Temple) | Hong Kong Tourism Board
向かった先は車公廟。香港のパワースポット寺院といえば黄大仙廟が有名であり、自分も2005年初めて香港へ来た時に訪れているが、こちらも香港屈指のパワースポット寺院である。
宋代の将軍、車大元を祀った廟で、ここで風車を回すことで運勢が変わるといわれている。境内にはあちこちで風車が飾られていた。今日は風はそこまで強くないが風が吹くと一斉に回って壮観なんだろうな。
本殿内の車公像はとても大きく、その厳とした風貌はインパクトがある。せっかくなのでお賽銭をして運勢を変える方向の時計回しに風車を回して、開運を祈願。
境内はそんなに広くはないし、香港の中心部から30分もあれば来れるので、黄大仙はもう行ったわ、という香港2度目の人とかはなかなかおすすめなんじゃないかなと思う。
金色の煌びやかな五百羅漢像が有名な萬佛寺へ
MTRでもう一駅乗って沙田駅で下車。ここは新界のニュータウンの中心地で、駅前にはショッピングセンターがあり多くの人で賑わっていた。
次に向かう場所はこの沙田駅から10分ほど歩いた先にある萬佛寺(万仏寺)という寺院である。
ここの見どころは、なんといっても山道の五百羅漢像である。きらびやかな像が左右にずらっと並ぶ様は壮観で、見ごたえがある。
五百羅漢像は一体一体表情が異なり、なかには非常にユーモラスな顔つきの像があったり、手や足が異常に長い像などもあったり、見ていて飽きない(手が長い像は永すぎて全部映ってませんでした…)
ただ本殿までの距離はなかなか長く、登り坂はそこそこキツいので汗だくになる。これは夏とかに来ると結構きついかも。10分ほぼ登ってようやく本殿に到着です。
本殿の萬佛殿は香港というか海外の寺院にしては珍しく撮影禁止なのであるが、入ってびっくり。萬佛寺の名の通り、壁一面に小さな仏像が埋め尽くされ、その迫力には本当にただただ圧倒された。写真禁止なので山道の仏像の華やかさがインスタ映えする場所なんだろうだなぁと思ってきたのだが、そんな思いで来たことを恥じる思いだ。しばし立ち尽くし、ここで祈りを捧げた。
主殿の前の広場にはいくつか建物があり、端っこからは沙田のマンションが立ち並ぶ街を一望できた。まあ、香港初心者が来るような場所ではないだろうけど、なかなかインパクトのある場所で、来てよかったと思う。
今回の旅では初めて香港の郊外を中心に訪れてみたが、これらスポットはまだまだ香港全体で見ればメジャーな入口みたいなもの。香港には新界や離島など、まだまだ見に行けてない場所がたくさんある。中心部からそんなに遠くはないので、次来た時もまた郊外を攻めてみたい。
ビクトリアハーバーを眺めて空港へ
さて時刻は11時前。そろそろ空港へ向かう時間である。最初は沙田からバスで空港に行こうかと思ったのだが少し時間がありそうなので、尖沙咀に出て最後にアベニューオブスターズからビクトリアハーバーをを眺めることにした。
日曜の午前ということもあり観光客で賑わっていた。何度見ても、昼に来てもここから眺めるビクトリアハーバーの景色は素晴らしいね。今日の天気予報は曇り時々雨だったのだが、なんとか天気は持ってくれたのはラッキーである。
最後にパノラマでパチリ。
さて、1泊2日のあわただしい旅を終え、香港国際空港に向かいましょうか。
ちなみに今回、沙田駅からMTRに乗って尖東駅でいったん降りて尖沙咀駅から再び乗り、中環駅から香港駅まで歩いて東涌線に乗って空港へ向かったのだが、オクトパスカードだと尖東駅~尖沙咀駅の改札外乗り継ぎは運賃通算されるので、沙田から東涌までの運賃23.6HKDだけで済んだ。最近使えるようになったVISAタッチではこの乗り継ぎ制度はないので、香港の鉄道を乗り回すならばまだまだオクトパスは持った方がよいと思う。