2日目は4時半起きで岡山駅を出発です。
早朝の福塩線
岡山5:15発の山陽線始発電車で福山へ行きます。
眠いが、115系なのでMT54のモーター音が心地よい。
ただいよいよ113系・115系の牙城だった岡山も2023年度から置き換えが始まるという。
6:10福山着。接続は良く、6:13発の福塩線府中行に乗る。 日の出は6時半前であるが、周囲は明るくなってきており、景色は楽しめそうだ。
福塩線は途中の府中までは電化路線で本数も多い。私鉄を出自とする路線らしくちょこちょこと駅に止まりながら、7:03府中着。
ここでも接続は良く、1分乗り換えで7:04に出発。車両はJR西日本ローカル線でよく見るキハ120の1両編成である。
府中から先は極端に本数が少なく、10月にも8時台の通し列車が1本減らされ5本しかない。この列車を逃すと、土曜日など、昼に学校帰り客向けの臨時増便はあるらしいが、時刻表上の次の列車は15:05である。
ただここまで減らされても乗客は少ないながらにいた。学生もちらほらいたけど、朝の1本が減らされて影響はなかったのだろうか。
列車はは山沿いをくねくねと走っていく。急峻な峰があるわけでもなくやや長閑な眺めが続くが、日本の原風景ともいえる。
ところどころは視界が朝靄で覆われてしまったが、それもまた幻想的で良い。
三次に近い吉舎あたりからは乗客は徐々に増え、活気が出たところで塩町で芸備線と合流。 学校に近い八次で多く人が降りた後、8:50に三次駅へ到着した。 乗ってきた列車は9:58発の芸備線臨時列車になるようだ。
福塩線は周囲を含めて明るいうちに乗り通せないことから、個人的には芸備線どころか全国屈指の乗り通しに難のある路線であったが、芸備線の増便に合わせて無事乗れてラッキーである。
今は芸備線に焦点が当たっているけど、府中以北の路線の大半は尾道道がロックオンしているし、正直もう鉄道が存続するのは厳しいんじゃないかな。 心配なのは、芸備線に比べて全くと言っていいほど存続の動きが見えないこと。著名な観光地もこの路線を乗りつぶし以外で乗り継ぐ必要性もないことから、存続はかなり難しい気がしますね。
卯建の残る三次の街並み
三次では1時間ちょっと時間があるので、ちょっと市内を散策することにした。
三次の市街地は駅から10分ちょっと歩き江の川を渡った橋の先にある。
鵜飼いくらいしか知らなかったが、城下町として最近は古い町並みを売り出しているそうだ。 「うだつが上がらない」という慣用句は、このあたりの商家の装飾(卯建)が語源となっているそうで、見ごたえのある商家を眺めながらしばし散策する。
朝なので店が何も開いていないのが残念であり、また機会があれば来てみたいところだ。
芸備線で備後落合へ
三次駅へ戻り、9:58発の臨時列車に乗る。ここから備後落合までも未乗区間である。
乗客は20名ちょっとという感じか。広島からの接続も取っている割にはもうちょっと乗っても良い気がしたが、まあ混んでないこのくらいがちょうど良いのかもしれない。
車内ではスタッフがアンケートが取っていたが、正直この路線に乗りに来ただけの自分は何を言えばよいのか困りましたわ…救いなのは、同類ばかりなのでスタッフも慣れた感じで聞いていたところか。
途中の備後庄原までは開けた区間を快調に走るが、だんだんと山が狭まってきて備後西城あたりからはJR西日本必殺の25キロ徐行区間ばかりとなる。本当にこの25キロ制限は鉄道の命を殺しているとしか思えない。 アンケートでももっと速く走れと言っておいた。
11:21に7月以来の備後落合着。これでこのあたりの未乗区間は全部乗ったことになる。
乗ってみた感じ、正直備後庄原より先は厳しいなぁという気がしたけど、福塩線とは異なり特に木次線への乗り継ぎを考えるとこの区間が無くなってしまうのは厳しいので、せめて備後落合までは残しておいてほしいところだが、その木次線ですらどうなるかわからないし、ホントローカル線はこの先厳しいね。
ドライブインおちあいでおでんうどんを食べる
備後落合では1時間ちょっと時間がある。
鉄道ファンの聖地とも呼ばれる備後落合駅の待合室には様々な掲示がされ、臨時増便にあわせて町のスタッフのグッズ販売もやっていたが、ここで1時間もいるのはちょっと厳しい。 といってもこのあたりは何もない。
駅前は古びた建物が数軒並んでいるだけで、コンビニなんてものは当然ない。
歩いて20分ほどいったところに「ドライブインおちあい」という店があり、かつて備後落合駅でも食べられた名物「おでんうどん」が楽しめるのだが、営業時間が12時からとなっており、次の列車が12:30発なので食べるにはちょっと厳しい。
ただここでぼーっとしているのも時間がもったいないので、ドライブインまで行ってみることにした。
国道183号を西へ歩く。まだ紅葉にはちょっと早いものの、山の樹々は少し色づき、綺麗だった。 木次線のガーター橋をくぐると、目的地のドライブインおちあいが見えてくる。
行ってみると営業中の看板が出ていて、ドライブインらしく車で来ている人がすでに食事を待っていた。
なので自分も注文。食べられないと思っていたおでんうどんが食べられそうだ。
これがおでんうどん。じっくり煮込んだ出汁に具沢山のうどんが大変美味しかった。 日によって具は違うみたいで今回は正直おでんっぽさはあまりなかった気がするが、自分はあまりおでんが好きじゃなかったりする(失礼)ので、逆にこの具のチョイスは良かったです。
12時前に開いているのがこの日だけなのかどうかはわからないし、来年も臨時増便があるのかはわからないが、同じダイヤだったら臨時増便の乗り継ぎ時間中におでんうどんチャレンジは実施する価値はありそうだ。
再び20分ほどの道を戻り、12:30発の芸備線新見行に乗ります。 ここからは7月に乗った区間。もっとも廃線が心配される区間であるが、この列車の客は10名ちょっととやや振るわなかった。やはり県境をまたぐ区間は厳しいね。
新幹線&やくも早特3
新見からは、新幹線&やくも早特3で帰ります。
高速バス対抗として出されたこの切符、割引率が50%以上の半端なく高く、売られているのは米子から先だけなのだが、米子からの切符を新見から乗っても十分安い。
この手の切符は内方乗車を禁止する場合も多いのだが、ネットで調べた限りこの切符にそういう制限はないらしいので、今回事前に米子発の切符を手配しておいた。
新見14:39発のやくも18号に乗る。全国唯一の国鉄型特急電車となった381系にこの1年で2度も乗れるとはありがたい。
岡山からは15:58発のぞみ38号に乗る。JR東海のN700系でもう東京に帰った気になるが、今日は新大阪まで。
そのままのぞみ38号で帰った方が家に着くのは早いのだが、トクたびマイル利用なので伊丹へ行き、19:00発NH38便で帰京。
乗りつぶしだけの旅行ではあったが、福塩線と芸備線という大物を片付けたので充実した旅であった。 しかしまだ完乗までの道のりは長い。一体達成するのはいつになるのやら…。