MRT東西線に乗り、ブギス駅で下車。
通りを覆い尽くすかのような樹々が実に見事だ。 歩いて10分ほど行ったアラブストリートにあるサルタンモスクが次の目的地だ。
ここは10年前に来たことがあるのだが、夕方で拝観できなかったので今回はガイドブックを見て拝観可能な時間にあわせてやってきた。
ところが、何と工事中で中に入れないとのこと…orz 確かにネットで検索すると出てきたが、気づかなかった…。
しかし、外観の工事が終わっていたのは幸いで、ブッソーラ・ストリートから金色に輝くドームを眺めるだけで、エキゾチックな異文化を味わい幸せな気分になる。久々に来た甲斐があるというものだ。
ちょうど観光ツアーも動き出す時間で、日本人を初め、多くの観光客が来ていたけど、シンガポールくらいツアーじゃなくても自分たちで回れると思うんだけどな。
ブギス駅に戻り、MRTに乗る。最近開通したダウンタウン線に乗車。
初期に開通した東西線、南北線は郊外に出ると地上を走るので楽しいのだが、最近開通した東北線、サークル線、そしてダウンタウン線は全線地下なので面白くない。 ただ、ダウンタウン線は無人運転の先頭車から前方の景色を楽しめるようになっていて、カーブや勾配を繰り返しながら走るのが見えてそれはそれで面白かった。
マリーナベイエリアをぐるっと回って、テロックエア駅で下車。
出来たばかりであまり馴染みのない駅だが、シェントンウェイのビル群とチャイナタウンの境目に位置する場所である。
今日はこれから、チャイナタウンをぶらぶらしようと思う。 シンガポールは華人中心の社会なので、あえて観光地であるチャイナタウンに行くこともないだろうとこれまで行ったことがなかった。が故に12年経っての初訪問はそれはそれで楽しみだ。
まずは歩いて数分のシアン・ホッケン寺院へ。
福建省出身の華人が、船乗りを守る天后を祀った寺院である。 中に入ると、荘厳な色合いが印象的で、撮影は禁止であった一番奥の天后の美しさには目を見張った。
ツアー客も多く来る場所だが、午前には来ないのか地元の人がたまに参拝に来るだけここだけはゆっくりとした時間が流れている感じでそれも良かった。 しばしこの落ち着いた雰囲気を堪能する。
テロックエアストリートは歴史ある建物がリノベーションされてお洒落なレストランになっていたりする。 ここは読んで字のとおり中華医院だったカフェ。外観をうまく活かしているなと思う。
このあたりは古き良き雰囲気を残すショップハウスが並んでいた。シンガポールらしい光景だね。
洒落た店が立ち並ぶアン・シアン・ロードを歩き、チャイナタウンを南北に突っ切るサウスブリッジロードを横断。建国50年を祝い、派手な装飾がされていて、チャイナタウンの勢いを感じる。動物の柄がなかなかかわいい。
道を挟んだ反対側にある巨大な建物、佛牙寺にも行って見ましょうかね。
ここは2007年に出来たものすごく新しい寺院で、いかにもな中華様式のド派手で巨大な外観は、伝統とは無縁の建物ではあるが、チャイナタウンの新名所として多くの観光客を集めている。 特に白人が多く、こういうのは興味あるんだろうかね。
新しい建物ではあるものの、日曜午前ということで巨大な弥勒菩薩像を前にしたきらびやかな大ホールには多くの地元の人が集まっており、観光目当てなだけではなく実際にシンガポーリアンの厚い信仰を集めているようだ。それにしても、華人の人たちは本当に信仰深いよね。
そしてここが一番有り難いのは冷房完備なこと(笑)。ずっと外を歩いていたのでこの涼しさも有り難い!
しばし涼みながら(苦笑)見学をし、時刻は11時。少し早いけれど、昼食といきましょう。 チャイナタウンで昼食と言えばまずはここですね…。
マックスウェル・フードセンターである。 シンガポールであちこちにあるフードコートのうち、特に有名な場所としてどのガイドブックにも載っている場所であるが、チャイナタウンに来たことがなかったので初訪問だったりします。
昼になると大混雑と言われるが、まだ11時なのでガラガラで、店も半分くらいしか開いていなかった。 ただお目当ての店はというと…。
お、開いてますね。ここ、天天海南鶏飯は、シンガポールのチキンライスの中でも特に人気を集める店で、この時間でも行列ができていた。 が、ひねくれ者の自分としてはここではなくこちらへ…。
数軒隣にある阿仔海南鶏飯であります。ここは天天海南鶏飯から独立した人が開いた店で、シンガポールでもどちらが美味しいか論争になっているとか。 よくある本家争いなわけですが、分家のほうがきっとサービス良いだろうと思って選択した。 ちょうど行った時は誰もいなかったけど、時間帯によっては本家よりも人気を集めるらしいです。
値段は阿仔海南鶏飯のほうが安かった時代もあったようだが、今は3.5SGDで同じ。ただ、阿仔海南鶏飯のほうはスープがついているようでその点お得みたいです。
さてそのチキンライスですが、うん、透き通るような味がとにかく美味しい。骨も少ないし、さくっと頂きました。幸せ~。 天天を食べてないので何とも言えないですが、どっちでも美味しいですよ、きっと(無責任)
食後はテンプルストリートをぶらぶらしながら、目の前の黄色い大きな建物に向かいましょう。 いかにもチャイナタウンらしい原色系の色がワクワクするね。 しかしその前にこちらへ…。
ガイドブックなどでおなじみの味香園で一休み。 入り口は狭かったが、隣の区画も含めて椅子はたくさんあったので無事席を確保し、夏ならではのマンゴーアイスを食べる。周りは日本人の女子(!?)が多かった。 ただ、アイスは美味しかったけど、肝心のマンゴーは量は少ないし味も苦くて今一つ。やはりマンゴーに関しては台湾の右に出るものはないな…。
ユー・トン・セン・ストリートを渡った反対側、先ほどの黄色い建物に入る。 ここ、ピープルズ・パーク・コンプレックスは華人の集まる大きなショッピングセンター。両替商、貴金属店や旅行代理店など様々な店が集まる、地元感豊かな場所が、ここは格安なマッサージ屋が多く集まっている。
朝から歩き続けたので、ここで一休みと行きましょう。
写真のようなシンプルな店がたくさん並び、値段もばらばらなのでどこにすればよいか迷うくらいだが、無難にガイドブックに載っていたテオチュウミン・リフレクソロジーセンターに入る。
客の半分くらいは日本人だった。 ちょうど施術士の人が足らなくて30分近く待たされたのだが、やってきたのがこわもての体格の大きな男性。おい足をボキボキにされるのか(泣)と思ったのだが、意外や意外、この体格に似合わず(失礼!)とてもソフトタッチで気持ち良い45分を過ごすことができた。しかも20SGDと格安だったのもありがたい。 すっかりリラックスできた。
ちょっと小腹がすいたので、フードコートへ行き老舗の肉まんや「道記」で小包を食べる。 アツアツで美味しかったし、1個だけ注文できるのがいいね。 そしてシンガポールなので英語が通じる。香港や台湾では漢字は読めても話せなくて困ったりするのだが、シンガポールではこういう店でも100%英語が通じるのは本当にありがたい。 (まあ台湾だったらこういう店でも日本語が通じる方が多いけど)
中秋節を記念して作られた派手派手なマーライオンを見ながら、チャイナタウンを後にしましょう。 初めてのシンガポールのチャイナタウンだったけど、結構味わい深くて良かったです。
しかしどこの国も華人の勢いには圧倒されるな。このパワーは日本人も見習わないとね。
(つづく)