ジョージタウンの世界遺産エリアは「コア・エリア」と「バッファゾーン」に分かれている。
まずはコムタからバッファゾーンのエリアをぶらぶらしながらコア・エリアに入っていくことにする。
バッファゾーンのオールドタウン
まずは下町エリアとも言えるシントラ通り、そしてキンバリー通りを歩く。
このあたりは古びたショップハウスがずらり。
ショップハウスの象徴、アーケード状の「ファイブ・フット・ウェイ」を歩いてみれば、ジョージタウンらしく中国のみならず様々な文化が行き交い、とてもエキゾチックだ。
シントラ通りはかつての日本人街で、日本人としてはぜひ通ってみたかった通り。 その面影を残すのは通り名などごく一部であるが、かつてからゆきさん達が集まる通りであったそうだ。
ひっそりとした佇まいの中で、早くも開店していた食堂は美味しそうな匂いが漂いお客さんたちで賑わっていた。いやあ、趣があるなぁ。
キンバリー通りは広東人が集まる、ジョージタウンの中でも特にチャイナタウンの色が濃い通り。
ここは雑貨店が集まり地元色豊か。こういう通りを歩くだけで楽しい。
いやはや、ショップハウスはあちこちで見てきたけれど、ここまで沢山ある街並みを歩くのは実に壮観だ。 そして観光客然としない地元の雰囲気がまだ素晴らしい。 2年前に見たシンガポールのカトン地区なんか、あれはあれで良かったけど、ジョージタウン来ちゃうとおもちゃみたいだなぁ…。
さらに北へ向かい、ラブ・レーンに突入。 ここはさらに古びたショップハウスが立ち並び、オールド・ペナンの面影をよく残しているが、一方でカフェやブティックホテルに改装された建物も多い。
先ほどまでと違い、欧米人の姿がぐっと目立っていてどことなく欧米の雰囲気も漂うけど、これはこれでセンスがあって良いなと思う。
ジョージタウンにはあちこちにストリートアートが描かれており、ちょっとした観光スポットになっている。 全部巡っていると何日あっても足らないので今回は意図的には探さないけれど、地元の風景と調和してなかなか良い感じ。
様々な文化が行き交うハーモニー通りを南下
ラブ・レーンを右に曲がり小路を歩いていくと、コア・エリアに入る。
ここからは、世界遺産の中心部を南北に貫くマスジッド・カピタン・クリン通りを歩く。 文化が行き交う街としてはシンガポールがよく知られているが、ここマレーシアもイスラム教の国ではあるが、宗教の自由が認められており、特に交易で発展したジョージタウンは、様々な文化が実によく調和している。特にこの通りは「ハーモニー通り」と呼ばれ、様々な宗教寺院が隣り合わせに並んでいる。 ここに来てしまうと、シンガポールがいかに人工的に整備された街かがよくわかるね。
まずはペナン最古の中国寺院、観音寺へ。 海の神様、媽祖を祀る寺院で、他の道教の寺院と同様、昼間でも熱心に祈りを捧げている人たちで賑わっていた。
線香の匂い漂うこの趣は、台湾など他の国でも見られるが、ろうそくがパイナップルのような形をしているのが、いかにもマレーシアの寺院らしいね。
続いて、イスラム寺院のカピタン・クリン・モスクへ。 ここはとにかく白いミナレット(尖塔)がとても優雅。今日はあいにくの曇り空だが、南国の青い空とあいまったら綺麗なんだろうなぁ。
ここは礼拝堂の外側から見学が可能なので、静かな礼拝堂を見学。
イスラム教は偶像崇拝がないそうで、内部は広々としている。外は真夏の暑さであったが、ここだけは静かでひんやりとした空気が流れる。
一方、ハーモニー通りからさらに進むと見えてくるアチェ・モスクは、クリーム色のミナレットがどことなく港町に面する灯台っぽくて、地元の活気漂う明るい印象を受ける。 同じモスクでもわずか数百メートルでこんなに趣が違うとはとても面白いね。
そして最後はヒンドゥー寺院。今日は入れなかったが、スリ・マハ・マリアマン寺院の色とりどりの神々を眺めておく。
いやはや、わずか10分あまりの距離でここまで多種多様な寺院が集まる場所なぞ、他にはないんではなかろうか。ジョージタウンは実に奥が深い。 世界もこんな風に平和に共存する社会ができれば良いのに…。
(つづく)