の続き。
ババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館でプラナカン文化に浸る
マラッカ随一の観光スポット、ババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館へ向かいます。
Home - Baba & Nyonya Heritage Museum - Home of a Peranakan Family Since 1861
ヒーレンストリートの中でもひときわ目立つ3棟続いた建物で、マラッカに7代続いたチャン氏の私邸を公開している。プラナカンの生活の様子を見学できる貴重な施設である。
これまでここでは写真撮影が入口しかできず、6年前マラッカではなく写真撮影ができるプラナカナン・マンションのあるペナンを目的地にした理由の一つだった。
ところが、どうも今回入口で案内を聞いた自分のつたない英語の理解の限り、写真撮影はNGとは言ってなかった。他の来場者もバシバシ写真を撮ってたので、自分も何枚か撮影した。今回、その写真を載せることにしたい。
入ってすぐに目に入るのが、贅をつくした装飾の家具の数々。とにかく見事だ。
2つの応接間を仕切る間仕切りは、金の透かし彫りを埋め込んだ重厚なもの。プラナカンの長年の生活を見守ってきた威厳を感じる。
中庭は吹き抜けになっており、外の明るい光が差し込んでいた。
先祖代々の位牌が祀られている部屋を抜けると、奥はダイニングルームやキッチンが続いていく。この建物の奥行は149mもあるそうだ。
2階の窓は、重厚な部屋とは変わって柔らかな色合い。細かな装飾が見事。
2階はプラナカンの生活の様子がわかる部屋になっており、婚礼・誕生日・葬式の展示がされていた。中でも印象的だったのは葬式のショーケース。青色の装飾が実に物哀しかった。
このババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館、素晴らしかった。ペナンのプラナカン・マンションも良かったけれども、あちらはプラナカンの装飾品をひたすら集めた場所であったのに対して、プラナカンの邸宅をそのまま展示しているこちらは、人たちの生活の匂いと歴史が色濃く感じられた。
そして、明るい雰囲気のペナンに比べて、重厚な雰囲気がとても印象に残った。この地で生きてきた品格や誇り、そして、かつて繁栄を謳歌していながら、歴史に揉まれ、今や静かに時を刻むだけとなった寂しさをこの博物館では強く感じた。
それは何なのかずっと思っていたのだが、帰国してから図書館で借りた「プラナカン・東南アジアを動かす謎の民」を読み、装飾品の美しさばかりだけではない、プラナカンのもう一つの顔が何なのか、改めて感じることができた。
もしこの博物館を訪れる方がいるのであれば、事前に読んでみると良いのではと思う。
またババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館で良かったのは、ガイドブックである。日本語版もあり、各部屋の内容がとてもわかりやすく解説してくれる。貸出品で返さないと行けず、売ってほしいわ…と思ってたのだが、ホームページからダウンロードできるようになっていた。
Downloads - Baba & Nyonya Heritage Museum
自分のつたない記述ではわからない部分は、ぜひこのガイドブックもご一読いただければと思う。
このババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館、奥が広いとはいえ一つ一つの部屋が広いわけではないので、来訪者が多いと入場制限がかかるようだ。ちょうど自分が入った時に欧米系の団体客がいて、1人だったのですぐ入れたが自分の後のグループ客は待たされていた。来訪者が多いと写真も撮りづらいし、待たされて入れないとかいう悲劇を生まないためにも、マラッカに1泊して朝一番で行くのが良いと思う。
マラッカグルメを味わう
マラッカ名物として挙げられるのはチキンライスボールだろう。チキンライスはシンガポールでもおなじみで自分も大好物であるが、鶏のエキスをギュッとしみこませたライスボールはとても美味しそうだ。
マラッカのチキンライスボールは、コロナ前であれば和記という店がまず挙げられていたのだが、コロナ禍で一時閉店したまま、現在も営業してない。今は中華茶室という店がメジャーであるが、昼前だというのに行列ができていた。
なので、下記のネット記事で気になった林記鶏粒飯という店に入った。中華茶室のすぐそばにある。
こちらはガラガラですぐに入れた。
この店の良いところはメニューが写真付きなこと。何が出てくるのかが良くわかる。そして安い!チキンライスボールがわずか9RMなのである。
ただそれにはからくりがあって量が少ないのである。ちゃんと食事をとろうとするのであればこれでは大人の男性では量が足らない。しかし自分が来たのは11時過ぎ。朝食食べてまだ3時間しか経ってないので、少ない方が逆に都合が良かった。
肝心の味はとても美味しかった。チキンは骨も少なく、透き通るような味わいはなかなか。あとチキンライスボールは、実はご飯がギュッと詰まっているがゆえにそんなに食べられる代物ではなかったりするので、この量がちょうどよかった。中華茶室のチキンライスボールは量が多すぎという記事もあったので、チキンライスボールをライトに体験するにはこの店がお勧めだと思う。
こちらのお店はカランテ・アート・カフェというお店。マレーシア13州のコーヒーが味わえるというお店。こちらの記事で、13州のコーヒーセットをお土産で購入できるということでやってきた。
が、ネット記事ではお土産だけの購入も可能、となってたけど、店が一方通行で飲食しないとお土産コーナーに行けないようになってた。
もちろん言えば買えるのだろうけど、せっかくなのでアート感覚たっぷりの店内に入り、マラッカ州のコーヒーを味わう。東南アジアらしい甘みのある味わいが美味しかった。こんなひと時も良いな。
本当はマラッカならではのニョニャ料理とかも食べたかったのだが時間もなく食べられず。ただマラッカは全体的に値段も安いし、美味しそうなお店が多かったので、次回来ることがあればもっといろんなものを食べてみたい。
素晴らしきマラッカの旅を終えて、クアラルンプールへ
マラッカ、行って良かったです。一番最初に写真を見た時にはヨーロッパの息吹を感じられる場所なのかと思ってたのだけど、それよりもプラナカンの街並みと歴史に惹かれ、それを思いっきり味わえたのが良かった。あと気に行ったのは、旧市街が小さくてどこに行くにも歩いて回れること。これは暑いマレーシアでは大変ありがたく、半日の滞在でも行きたいところは大体巡ることができた。
もちろん、マラッカ郊外にも見どころはあり、また今回訪れた場所も、本を読み直すとあれを見てないこれも見てないというところばかりだったので、またゆっくりと訪れてみたいところだ。
さて12時にホテルプリをチェックアウトし、Grabでマラッカセントラルへ向かう。
Get bus tickets online in Malaysia & Singapore at BusOnlineTicket.com
週末はバスが混むということで、BusOnlineTicket.comというサイトで予め予約しておいた。このサイト、今までは窓口でチケットに引き換える必要があり、マラッカセントラルでその時間を見積もっておく必要があったのだが、追加料金(今回は1.7RMだった)を払うとメールでQRコード入りPDFファイルが飛び、それを使うことでチケットレスで乗ることができた。これは便利だ。
13:00発のDELIMA社が運行するバスは横4列の車両だった。まあ日本のバスは皆4列だし、人気がないのか空いていて隣に人が来なかったのでゆったり移動することができた。ラッキー。
この後は帰国であるが、その前にせっかくなのでクアラルンプールをちょっと訪れることにしよう。
(つづく)