今回宿泊したのは松葉屋旅館である。
祇園祭の特に前祭の期間はホテル代は高いのだが、3月に探したときに5500円という超格安な部屋を見つけたので速攻で予約した次第である。ただ今のメインの客層はインバウンドらしく、ネットで見る限り雰囲気は良さそうなものの日本人によるブログや口コミが少なくどんな旅館なのかが良くわからないままだった。さてどんなところだろうか。
外観・ロビー
松葉屋旅館は東本願寺の門前、ちょうど烏丸通が東に膨らんでいるあたりにある。元々は東本願寺の門徒向けの旅館だったらしい。
京都駅の市営地下鉄の北出口から徒歩10分ほど、五条駅の南出口からは徒歩5分ちょいと交通の便は悪くはない。特に祇園祭の期間市バスが迂回運行で役に立たないので、地下鉄の駅から徒歩圏内、さらには四条烏丸から歩けなくもない、というのはポイントが高い。
元々は木造2階建ての旅館だったそうで、今も旅館風の佇まいであるが、建物自体は2008年に建て替えられた新しいものだ。2棟の役割分担がよくわからないが、手前側の建物にフロントがある。深夜は奥側の入口からルームキーで入る。
フロントはこじんまりとしているが、手前のフリースペースは広く、インスタ映えしそうな造りだった。インバウンド客には良いんじゃないかな。
奥にはラウンジがあり、フリードリンクなどはないがくつろぐことができる。朝はここが朝食会場になるようだ。なんかユースホステルの談話室みたいな感じで素朴な雰囲気が良いね。
また、食べてないけどかき氷が440円で売られたりしていた。なかなか良心的な値段でサービスが良い。
3畳のシングルルーム
今回予約したのは一番ランクが低いシングルルームである。
安い部屋なのにはからくりがあり、わずか3畳なのである。果たしてどんな部屋なのか。
フロントとは別の棟のエレベータを3階で降りて廊下を歩くと左側に扉が2つある。これが2部屋だけあるシングルルームである。
中に入ると、確かに畳の数は3つなのだけど、思ったより広いという印象だ。布団とテーブルなのでスペースを有効活用できている気がする。
またトイレや玄関スペースはもちろん別なので、専有スペースは5畳くらいはあったのかな。これだけあれば1人旅には十分だ。
テレビは小さいものが1つだけだったが、まあ今や部屋でテレビなどほとんど見ないのでこれでも十分。
布団と浴衣が備え付けられている部屋に泊まるのはものすごく久しぶりだけど、日本人はこの組み合わせが落ち着くね。
トイレもウォシュレット付きで清潔であるが、部屋の中には洗面所がないので、身支度はこのスペースでする必要がある。この部屋に女性が泊まることはあまりなさそうな気がするが、女性は大変かも。
部屋は下珠数屋町通に面していて、窓を開けると外が見えた。特筆すべき眺めではないけれど、外の景色が楽しめるのは有難い限りだ。
部屋の外の浴室
この部屋の一番の特徴、それは浴室がないことである。ではどうするかというと、部屋の外に2部屋共用の浴室がありそちらを使うことになる。
避難経路図にも、部屋の前に浴室が描いてある。
浴室は普通の家の浴室という感じで、こざっぱりとしていて綺麗だった。ただ、正直この造りでは湯船にお湯を張って使うのはなかなか厳しいな。夏だったのでシャワーだけ短時間で浴びたけど、所詮2部屋なので、もう1部屋にも泊ってそうな雰囲気だったがかち合うことは全くなかった。
ちなみに部屋には冷蔵庫もなく、シャワー室入口脇にあった冷蔵庫を使うっぽいが、案内されなかったので使わなかった。まあ、使ったところでチェックアウトの時に忘れそう…。
松葉屋旅館のまとめ
この季節に5500円で泊れるだけでもありがたいのに、交通の便も悪くないし、スタッフの方々も親切でとても良い旅館だった。自分もそうだけど京都では小ぎれいなホテルとかばっかり泊まっちゃうけど、こういう旅館もたまには良いね。インバウンドの人たちだけ楽しむのは勿体ないと思う。
ただ、強いて言えば朝食の開始が遅く7時半からなので食べなかったのと、あとは交通の便が良いと言っても祇園祭の場所から遠いのはやっぱり不便である。特に夏の京都は五条駅まで5分歩くだけでも汗だくになる。そして地下鉄に1駅乗るだけで220円もかかるし…。
せっかくなので山鉾巡行の朝6時過ぎに東本願寺を経由して京都駅まで行ったけど、朝6時だってのに太陽の日差しギラギラで暑かったですわ…。
今回は3月に探したので出遅れたけど、来年も前祭行くならもうちょっと近くて安いホテルがあればあたってみたいが、見つからなかったらまたここにお世話になるかもです。