少し時間が早いが夕食としよう。
地下鉄を乗り継ぎ、人民広場から少し歩いたところにあるのは…
豫園で大混雑であった南翔饅頭店の支店である。
店は小綺麗でゆっくりと食べられるのは有り難いが、目抜き通りの南京東路から一つ奥まったところに構えているからかガラガラであった。 南翔饅頭店って上海的には本当に一番なんですかね。ちと気になる。
メインはやはり蟹肉小籠包、あと2品ほど注文した。 小籠包はアツアツで美味しかったが、ちょっと大味で蟹肉を一人で8個も食べると飽きますね。
個人的には台北の小籠包に軍配を上げたいと思いますが、値段は台北よりも安く、上海ならではの食事ということで満足である。
店を出ると段々日が暮れてきて、南京東路の広告も輝きを増してきた。
が、何しろ今日は歩き疲れたのでこちらへ…。
中国に来たからにはマッサージである。
月並みではあるが、桃源郷という日系のマッサージ屋に入り、1時間の足裏コースで今日の疲れを癒すことにする。
足裏は入り口脇に並べられた仕切りもない椅子に座って受けるので、ちょっとどうかなあという気もしたが、部屋に入ると落ち着いた照明にゆったりした音楽が流れ癒される。 ただ、あと同じような工程を3日繰り返すわけで、大丈夫かなあとも思う。
満足して外に出ると、すっかり夜の世界であった。
ネオンが眩い世界が広がるが、6年前はもっと原色中心のケバケバ感があったような気がする。ずいぶん落ち着いたような感じがするのは気のせい? 新宿のほうがケバケバしいような気がした。
さて、南京東路を歩くと、定番の外灘である。 外灘の夜景は6年前も訪れたのだが、前回は7月末で気温が35度超えのため電力不足によるライトアップ休止の憂き目にあってしまった。 そのときもそれなりに浦東は綺麗だったと思っていたのだが、通常のライトアップの写真を見るともっと輝かしいらしい。 そんなわけでリベンジなるか。
6年前はほとんどライトアップされていなかった租界時代の歴史的建造物が今日は見事に輝いていた。 特に時計台が印象的な上海海閣の綺麗なこと。素晴らしい。
対岸を見ようと多くの人で賑わう中を何とか押しのけ、浦東新区のビル群を眺める。 6年前はなかった上海ヒルズ(上海環球金融中心)をはじめ、多数の高層ビルが輝く様はまさに現代の上海を象徴している。 6年前は無茶したビル群だなあという気がしてならなかったが、今見るとだいぶ恰好が釣り合ったように見えるのは気のせいだろうか。
プロムナードを少し散策。いやぁ、見事だ。
でもメインストリートを一つ横に入るとあたりはこんなに暗くなるのが上海の実態でもある。 不夜城の感もある上海であるが、南京東路も22時を過ぎるとネオンもすっかり落ちてしまうという。 まだまだ東京などの大都市ではないんだなあという気もするが、上海がこのあたり今後どう変わっていくのか注目したい。
さて時間も段々なくなってきたので南京東路へ戻り、地下鉄で浦東へ。
浦東地区の金茂大厦、そして上海ヒルズから、東方明珠塔を見下ろす眺めは夜景の定番の一つである。 何とか時間を作って見に行きたかったのであるが、残念ながら時間切れ。 世紀大道からのビル群を眺めて終了とする。 さすが森ビルの力か、ライトアップが昔よりも格段に上品になったような気がする。
ただし今、上海ヒルズ内のドコモカウンターへ行って画面を見せると、上海特製ドコモダケがもらえるので、娘の土産代わりに行っておく。
地下鉄に乗って龍陽路駅に戻り、終電1本前のリニアで無事空港に戻った。
駆け足の上海観光であったが、最後の夜景が見れなかった以外は大体行きたいところに行けて満足であった。
Twitterにも書いたが、上海はここ6年で大きく変わったと思う。 6年前は急速な発展にものを言わせてやりたい放題のじゃじゃ馬という印象が強かったが、今回は実態を伴った余裕すら感じられた。
特に印象的だったのはマナー。クラクションの騒々しさこそ変わらないが、地下鉄の乗り降りなどだいぶ上品になったと思う。 ただこれは、今まで日本が絶対中国には負けないポイントだったことすら怪しいことを意味するわけで、ちょっとまずいのではないかと真剣に思った。
ただ、この上品さがかえって上海の面白みをなくしたような気もする。 都市を満喫するなら香港のほうがより洗練されているし、中国らしさを味わうのは同じ上品さであれば台北のほうが圧倒的に過ごしやすい。 まだ庶民的な街並みや、真っ暗になる路地など中国らしい面白さも残ってはいるが、それらが上品な都市になったとき、上海は面白い観光都市になっているのだろうか? と、いろいろ考えさせられながら、いよいよ4年半ぶりの欧州へ出発です。