京都旅行の後半は、北大路バスターミナルから銀閣寺へ向かう。
「わび」「さび」の世界、銀閣寺へ
哲学の道は、この季節はモノトーンの色合いであるが、きっと春や秋などはきれいなんだろうな。
しかし、意外なのはこの哲学の道、琵琶湖疎水の散歩道で整備されたのは1972年とつい最近だということ。もっと歴史ある道なんだと思っていた。
このあたりは年中観光客で賑わう場所で、年末というのにここも人が多い。
さて、銀閣寺である。
華やかな金閣寺に代表される北山文化とはことなる落ち着いた「わび」「さび」の東山文化。 外の世界とは異なる落ち着いた雰囲気がまた良い。
そして金閣よりも観光客数も心もち少ないのか、この雰囲気のせいか、ゆったりとした感じがする。
庭園に見事に整備された白砂の向月台を眺めつつ、庭園を巡っていく。
そして、奥の山へ続く道を登り、銀閣を見下ろす展望台へ。
東山の地形を活かしたこの景色がとても風情があって素晴らしい。
池を前にしたベストスポットから銀閣を改めて眺める。 華やかな金閣も良いけれど、自分としてはゆったりとした空気が流れる銀閣の方が好みかな。
ただこの銀閣寺、ネックなのは交通の便が悪いこと。東山の奥地にあるので、どこへ行くにもバスに乗るしかない。
銀閣寺前から出る京都駅行の洛バス100系統などは見てのとおり大混雑。 洛バスは観光シーズンなどは絶対乗っちゃならないな。
京阪の駅に行きたかったので、銀閣寺道から5系統に乗って三条京阪に向かう。 こちらはそれほど混んでいなくて座れたが、三条京阪までは結構時間がかかった。 出町柳へ行くバスに乗ったほうがよかったな。
もっとも三条京阪に行ったのには理由があり、ひとつは先月の仕事場付近をもう一度訪れたかったこと、そしてもう一つはこの三条大橋を娘に見せたかったことである。
三条大橋はご存知東海道の終点。ちゃんと知識として記憶に定着してくれればいいけど…。
平等院鳳凰堂で極楽浄土の世界を味わう
三条駅から京阪に乗り宇治へ向かい、本日最後の目的地、平等院へ向かう。 平等院も修学旅行または大学時代に訪れたことは間違いないが、どちらにせよ20年以上ぶりだ。
宇治に行くには東福寺からJR奈良線に乗るのが便利だが、京阪宇治線が確か未乗だったので京阪に乗りとおす。
img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tamazotamazo/20220819/20220819173858.jpg" border="0" alt="171230_036.JPG" width="360" height="270" loading="lazy" />
京阪宇治駅は宇治川を挟んで市の中心部から反対側に位置するが、平等院へはJR宇治駅からの距離とそん色はない位置にある。
水量豊かな宇治川を渡り、参道を歩いて平等院へ。 このあたりは宇治茶の店が集まり、歩くだけでお茶のいい匂いを楽しむことができる。
時刻は16時過ぎ。あいにく鳳凰堂内部見学は締め切られていたが、まだ外部の見学はできる。 段々日が陰ってきたので急いで見学することにしよう。
入ってすぐ眼の前に鳳凰堂が出迎えてくれる。
鳳凰堂は阿字池を前に、東に面して建てられているので、夕方は完全に逆光になる。
しかし、浄土を世界を模して造られたこの鳳凰堂、沈みゆく太陽の光を浴びた建物を見るほうがより往時の世界を体感できるというものだ。 実際、太陽の光を後光とした鳳凰堂は本当に幻想的で、まさに極楽浄土にふさわしかった。
また写真は撮れなかったが、併設の平等院ミュージアム鳳翔館に収められた雲中供養菩薩像をはじめとする国宝群も素晴らしかった。 往時の貴族階級がなぜ極楽浄土に救いを求め、ここ平等院に具現化していったのか。
人生もそれなりに長く生きてきたので、その思いも少しはわかった気がする。 娘にわかったかは極めて怪しいが…。
夕方あわただしく見学したのは勿体なかったが、無理して訪れて良かった。満足の行く滞在だった。
奈良線103系に乗りつつ奈良へ
その前にお土産ということでこちらへ。
京都駅にも店があって嫁リクエストで何度かお土産を買ったことのある中村藤吉本店である。 ここはカフェも楽しめるが、もう夕方なので本店限定のスイーツをお土産に買おうと思って立ち寄った。
が、レジが大混雑!しかも大混雑なクセにバカ丁寧な接客で一向に列が進まない。 次の奈良線の時刻が迫り、焦る…。
なんかこう、スタバとかが代表的だけど、意識高い系で無駄な接客するよりも、行列をいかに作らないようにするか、そっちの方がはるかに重要だと思うのだが。行列をステータスのように考えてないか!? 店員に大慌てで処理してもらい、大急ぎで宇治駅へ…。
何とか17:06発の城陽行普通電車に乗る。
もっとも、奈良に行くなら次の17:21発のみやこ路快速に乗れば良いのだが、急いだ理由はもちろん!写真のとおりこの城陽行きが103系だったからである(苦笑) この後しばらく103系が来ない時間なので、寄り道してでも乗っておきたかった。
この記事を書いている3月からは阪和線から転属した205系が運用を開始しており、全国でも唯一103系に比較的乗りやすかった奈良線も先が見えてきた。 その点では機会があれば103系に乗らねばならぬ。わずか8分ではあったが、MT55のモーター音を堪能する。
城陽駅では引き込み線に入って折り返すため、その入線シーンを映像と写真に収録。
もう2018年ということを考えると活躍の場は長くはないだろうが、できるだけ生き残ってほしいものだ。
城陽17:27発のみやこ路快速に乗り、奈良駅に17:52着。
夕食を食べてホテルに向かうことにしましょうか。