今日のメインはメコンデルタへの日帰りツアーである。
ホーチミンは市内に見所がそれほど多くないこともあって、日帰りツアーが充実している。
最初はベトナム戦争の遺構が残るクチトンネルへ行こうかと思ったのだが、日帰りツアーは1名参加の場合2名分支払わないといけない場合が多く、なかなか良いプランが見つからなかった。
いろいろ調べてみた結果、VERTRAというサイトで見つけた「日本人専用!メコン川デルタクルーズ」というツアーに1名限定のツアーがあったのでここに申し込んだ。
クチコミを見る限り実際はグループの人と一緒のようだが、1名分の費用で申し込めるだけで十分だし、$40と他のツアーよりは高めだが、日本人限定だし時間もコンパクトにまとまっているので使い勝手が良さそうである。
従来の成田発弾丸だと、唯一観光で使える2日目の大半がこのツアーになってしまうので、市内観光とのバランスを考えると微妙なのだが、羽田便ができたおかげで到着日に余裕を持ってこのツアーに参加でき、その後翌日午前まで市内観光が出来るようになった。
8時少し過ぎにホテルにバスが到着。
格安ツアーだとワゴン車だったりするらしいが、ちゃんとした観光バスであった。
ホテルを回り、なぜかもう1回自分が乗車したホテルに戻って追加の客をピックアップしたりして市内をぐるぐる回っていたが、9時前にようやく郊外に向けて動き出した。ホテルのピックアップは乗り遅れとかを考えてかなり余裕を持っているのかもしれない。
結局集まったのは日本人20人ばかり。個人客は自分と学生の2人だけで後はグループ客であった。
ガイドさんは流暢な日本語を話し、バイクの話、ODAの話から最近険悪ムードの中国との関係など、ベトナムに関する話をいろいろ紹介してくれた。
なかなかこのツアー、質が高くて良いかも。
市内を抜けると、最近開通したという高速道路に入る。
田園地帯を突き抜ける高架道路は場違い感たっぷりであるが、この道路のお陰で日帰りツアーの所要時間はだいぶ短くなったという。
見渡す限り緑豊かな農地が広がり、しばしまどろんでいると1時間ちょっとで郊外のミトーという街に着いた。
メコン川の船着き場から船に乗り、10分ほど先にある中州を目指す。
川の水は茶色く濁っているが、土砂が水中を舞っているだけで水質は良いそうだ。
この水と土が肥沃なメコンデルタを形作っているわけだ。
船を降り、列を作って小道を歩く。
ここはひっきりなしに観光客がやってくる場所であり、観光客向けのお土産屋も多いのだが、見た感じはメコンデルタの原風景っぽい素朴な感じがしてなかなか楽しい。
お店も複数買いが前提ではあるが、1個当たりの値段はホーチミン市内で買うより安いようであった。ただ列を作って歩く関係でなかなか時間を作って立ち寄れないので繁盛しているようには見えなかったけど。
空を見上げると、ヤシの実と青空のコントラストが実に美しかった。暑かったけど…。
クルーズの前にいくつかの場所へ立ち寄る。
最初は蜂蜜農家。ミツバチを見て、ハチミツティーで休憩するわけだが、ここでロイヤルゼリーの押し売りに耐えなければならない(苦笑)
絶対買わされるようなことはないのだが、逃げることもできず座っている10分は結構しんどかった。ツアーはこういうのがあるから面倒だよね。
ただここで食べたバナナチップとかは結構美味しかったです。買わなかったけど。
続いてココナッツキャンディー工場へ。
大量のココナッツからキャンディが出来る様子を見学する。食べてみたが、実に濃密な味がして出来たてということもあり美味しかった。
実際ベトナム人がココナッツキャンディーを良く食べるわけではないみたいだが、会社土産に購入。
続いてトロピカルフルーツを食べながら民族音楽を鑑賞という名のチップの強要(?)。
トロピカルフルーツは…うーん全体的にあんまり美味しくなかったかなぁ。
まあこのくらいの商売タイムはツアーなら当たり前レベルなんでしょうね。
という儀式を経て(!?)いよいよデルタクルーズであります。
お、いっぱい待ってますね!
1艘あたり4人乗りなので、自分と家族3人連れの組で乗船。
一番後ろから景色を楽しむ。
ここは中州を巡る水路のようで、メコン川の合流部までの15分ほどを船で下る格好となる。
なので出発地まで回送する船がひっきりなしに来るし、下る船も我々の組以外にも沢山いるので結構ぶつかったりしてスリリングだ。
良く見るとクルマの通れる橋やコンクリート造りの建物が見えたりするのだが、ヤシの木に囲まれた静かなジャングルの中を船で下っていくのは何とも心洗われる。ああ、アジアに来た~と思う一瞬だった。
所詮観光地巡りだよ、とややもすると揶揄されるメコンデルタクルーズであるが、自分はとても良い体験だったと思いますです。
ただ残念だったのは船に乗船した写真が撮れなかったこと。奄美大島のマングローブツアーのときは一人ひとり撮ってくれたので同じイメージを持っていたのだがそういうサービスはなかった。よくある記念撮影サービスでもあったら有料でも買ったんだけどな。
15分ほどのクルーズはあっという間に終わり、メコン川の合流部でミトーに戻る船に乗り換える。
ヤシの木を抜けると、強烈な太陽の日差しが直撃する。暑い~!
と思ったら復路の船ではココナッツジュースがふるまわれる。
甘ったるいジュースではあるが嬉しいサービスだった。
続いて昼食である。
てっきり中州で郷土料理でも食べるのかと思ったら、バスに乗って10分ほど行ったレストランでの食事であった。
食事場所はメコンレストストップという大規模なレストランで、地球の歩き方にも載っているがメコンデルタのツアーの大多数はここで食事を取るらしい。
いわゆるドライブイン的な場所であるが、緑豊かで雰囲気も良さそうなところだった。
食事会場へ行く途中、揚げ物をする場所を通るが、これが何なのかは後でわかります。
2階の食事会場でグループになってセットメニューの食事を取る。
今回の20人は家族連れ、カップル、一人旅とバラバラであったが、若い人たちはカンボジアとの組み合わせが多いようだった。自分もアンコールワットには行きたかったのだが、カンボジアは現地1泊しないとダメなので断念したのである(泣)いつかは行ってみたいものだ。
まずは春巻。ベトナムの春巻はどこでも美味しい。日本人の味覚にも合うね。
続いてミトーの名物、エレファントイヤーフィッシュ。
見た目は非常にグロテスクではあるのだが…。
店員さんが白身を出し、野菜などと一緒にライスペーパーにくるんで食べる。
食べてみると川魚特有の臭みもなく、非常に上品な白身魚で普通に美味しかった。
続いてボールのようなものが出てきましたよ。実はこれが先ほど揚げていたものです。
店員さんが素早く解体すると、中にはお餅が入っていました。この揚げ餅もとっても美味しかった!
あとスープにデザートがつき食事は終了。
ボリュームも多からず少なからずと言う感じで、全体的に美味しかったし団体ツアーの食事としてはレベルが高かったのではと思う。
食事が終われば後はホーチミンへ戻るだけ。
さすがに復路はみんな寝ていた。
15時少し前にベンタイン市場へ到着。終着はドンコイ通りであるが自分はここで下車した。
メコンデルタのツアーは体験記を読むと結構トラブルも多かったりするようだが、自分のツアーは日本人限定で比較的高いツアーだったこともあり、非常に快適に過ごすことが出来て良かった。
メコンデルタも予想よりも楽しく、ホーチミンの雑踏とは対照的な、自然豊かで静かなメコン川を体験できたのはとても良かったです。
また余計な立ち寄りがなく、渋滞もなかったので予想よりもかなり早くホーチミン市内に戻ることが出来たのも良かった。
なので明日行こうかと思っていた市内観光を予定を繰り上げて廻ろうかなと思います~。