の続き。
「そうだ京都、行こう」ロケ地に朝観光
日中は当たり前だが大阪に行かないといけないので京都には夜と朝しかいれないのだが、せっかく京都に来たのでどこか夜か朝観光できないかと探したところ、杉本家住宅が8月、9月の金土日に朝の公開を行っていた。
重要文化財にも指定されている京都で最大級の京町家である杉本家住宅は一度行ってみたい場所であり、特に今年はJR東海の「そうだ京都、行こう」のCMロケ地として妙心寺天球院とともに選ばれていたので7月の祇園祭の時期に行きたかったのだが、日程が合わず妙心寺天球院しか行けなかったので、このタイミングで行けるチャンスがあるというのは縁を感じる。
杉本家住宅のHPからは解説と打ち水体験付のコースのみ受け付けていたが、JR東海のEX旅先予約では自由見学のコースが予約出来たので金曜日のプランを手配。JR東海のEX旅先予約は良いプランばかり揃っていて素晴らしいね。
千葉県と縁が深かった杉本家住宅
ベッセルホテルカンパーナ京都五条を7時半過ぎにチェックアウトし、歩いて杉本家住宅へ向かう。今日は平日なので通勤通学客が行き交う中、のんびり朝観光とは贅沢だ。

碁盤の目の京都市街だが、実は西洞院通のあたりは窪地になっていて西に向かって緩い下り坂になっている。綾小路通を西へ向かうと、大きな杉本家住宅が見えてきた。

これまでいくつか京町家は観てきたが、幅が断然広く規模が違う。これは楽しみだ。

中に入ると呉服商時代の歴史を感じさせる看板が飾られていた。


EX旅先予約のQRを出して受付を済ます。コースの客が1組いただけで、滞在中2組くらいほかにも来たけど、客も少なくてじっくりと見学することができた。
まずは杉本家の歴史についての案内板を読みくださいと言われたので読んでいくと、杉本家の行商先が千葉だと書いてあってへぇとなった。しかも佐原、そして地元佐倉が拠点だと知ってなおさらびっくり。知らなかったわ…と思ってたのだが、後で調べてみると、杉本家は関東での屋号「奈良屋」として昭和期には百貨店を経営、千葉三越の前身であった「ニューナラヤ」も三越と合弁で運営していたと知りますますびっくり。ニューナラヤはさすがに千葉県民なら知ってる単語だったので、妙に親近感を感じてしまった。ちなみにニューナラヤ開業前の奈良屋は後のセントラルプラザだったのね。まあ、今やセントラルプラザはもちろん、千葉三越も無くなってしまったけど…。
京都の四季を快適に過ごす町家の知恵の数々
そんな千葉と縁の深く、行商で多額の富を得た杉本家住宅の、京都の四季を感じながら過ごす知恵の数々を見て回るとしよう。

綾小路通に面した格子の間。季節や時間によって趣が異なる情緒深い空間である。外は人や車が行き交っていたが、この部屋は全く異なるゆったりとした時が流れていて、時折風が入り込むのが心地よい。

格子の間の隣、昭和の時代に改装された洋間。アールデコ調の様式が全く違和感なく調和しているのは京都ならでは。



八畳の間、茶室、そして露地庭。燈籠や井戸が備わった西向きの庭は明るい雰囲気。

浄土真宗本願寺派の仏間。祇園祭の時は閉じられるのだそうだ。そしてこの仏間の内陣の地下には災害から守るための石室があるんだそうだ。すごい。



中の間から座敷、そして名勝にも指定されている庭園を望む。ここはCMのロケ場所で、撮影時には絹の簾がかけられていた。今日はないが、格子の間や八畳の間から流れる朝の風に身をゆだねると、暑い京都も涼しく感じるというものだ。


夏の暑さにも負けず青緑が鮮やかな庭園を眺める。京都のど真ん中とは思えない、落ち着いた雰囲気が良かったなぁ。


台所はおくどさんが並び、てんじょうは2階まで吹き抜けと迫力がある。おくどさんには一般的には愛宕神社のお札が張られるのだが、杉本家住宅は禁門の変で焼けて以来、独自の版木で刷られた「火用心」という札を張ってるのだそうだ。京都は至る所に深い歴史があるのだねぇ。
杉本家住宅のまとめ

大阪に行かねばならなかったので30分ほどの滞在ではあったが、来て良かった。四条烏丸から徒歩5分ほどと交通の便も良く、朝の比較的涼しい時に訪れることができたのは良かったです。そしてさすが重要文化財に指定されている京町家だけあって、これまで観てきた京町家と比べても質量ともに見ごたえがあった。
JR東海のCMのキャッチコピーは「京のしつらえ」なので、また厳しい冬の時期に来たら印象が変わるのではないかと思う。今度再訪してみたいところだ。そして祇園祭の時期は伯牙山の会所となり、屏風祭が行われているので、今年は日程合わなかったけどいつかは訪れたい。