の続き。
青函トンネル記念館では15:05まで40分ほど自由時間となる。
龍飛埼まで行く時間はなく、有名な階段国道も行く時間はないということなので(実際は走れば間に合うようだが)大人しく展望台に行ってみることにした。
青函トンネル記念館は竜飛側の工事基地跡に建てられている。
無粋な建物の中に体験坑道に行くケーブルカー乗り場がある。
展望台はケーブル乗り場のわき道を登ること10分弱で着いた。
展望台から竜飛岬と北海道を望む。若干薄ぼんやりしていたが北海道がはっきりと見えた。この海峡の下にトンネルが通っているとはやはり信じがたいものがある。
2枚つないでみました。
左手は竜飛岬。その下は津軽海峡冬景色歌謡碑があり、間延びした歌が聞こえてくる。すぐそこに見えるのだが、まっすぐ行く道がないようだ。
目の前にはホテル竜飛があり、展望台の景色を台無しにしている。なんでこんな場所にあるんだろう。
遠くには北海道だけでなく、右手には下北半島を一望できた。
記念館を見下ろす。薄日は差しているものの、晩秋の午後は寒く、さすが竜飛だけあって風が強かった。
展望台の下には慰霊碑があるのだが、さすがにここまで来る人はほとんどいなかった。
来る前にプロジェクトXを見て来たので感慨深い。犠牲になった人に敬意を示す。
記念館へ戻り、少し時間があったので施設を見学。
本物をずっと見てしまうと物足りなさを感じるが、建物の中でトンネルの断面を見るとその大きさを改めて実感できた。
青函トンネルの軌道は当初から在来線と新幹線を併設できるように三線式になっている。
開業から四半世紀が過ぎ、現実のものになる日が近づいてきたが、模型の200系はすでになく、ED79型は今は現役であるが架線電圧が新幹線に合わせられるのでそれまでには置き換えが決定している。そう考えると物哀しい模型とも言えますね…。
15:05になり、再びケーブルで体験坑道へ戻ります。
竜飛斜坑線は1日にこれだけ走っており、竜飛海底駅見学者も実はこのダイヤに組み込まれている。往路の14:12発は26便であった。次の列車は15:15発の31便。
警報音を鳴らしながら海底へ。8分で体験坑道駅へ着いた。
このケーブルはこの先、先進導坑まで延びているが、当然先に進むことはできない。ところが、調べてみると2006年に吉岡海底駅ではあるが、ケーブル脇の階段を更に下って先進導坑まで行く最深部体験ツアーというのがあったそうだ。
もっと気を配っていればさらに青函トンネルを深く知ることが出来たのに…と思うが、今回の見学でも十分感慨深く、ここに来れただけでも良しとしなければならないなとも思う。
帰りは体験坑道の展示施設をショートカットして進む。
自転車が置いてあったが、半ば錆ついていた。こういう環境で施設を維持するのは大変なんだろうなと思う。
ユーモラスなイラストのある柵を超えると、再び竜飛海底駅見学者専用エリアへ入る。ここももう開くことがないのかと思うと残念だ。
避難所を過ぎ、今度は下り列車の作業坑へ。
再び駅名票を記念撮影(上りの駅名票とは隣駅の順番が逆なのに注目!)
現在のコースは全て函館駅方面で乗車するので、下り列車は3本停車する。今度の列車は15:49発の白鳥23号。
11月11日以降は一般人は見ることのできないトンネルを再度瞼に焼き付ける。
上りホームには2時間半ほど前に立っていた通路が見えた。遠い昔のようだ。
そして…
列車接近を知らせる警報音が鳴り響く中、定刻より少し遅れ、我々を乗せる15:49発の白鳥23号がやってきた。あっという間だったな…。
停車時間も短いので、慌しくガイド氏に御礼の言葉を述べ乗車。定刻より5分ほど遅れて、ゆっくりと出発。竜飛海底駅の見学はこうして終わった。
とにかく、充実の見学であった。定価の2040円であったら安すぎ、ヤフオクの価格であっても満足のいくものであった。
この駅がもう見学できないのはとにかく残念で仕方がないところであるが、今後も、青函トンネルが本州と北海道をつなぐ動脈として、活躍し続けていくよう利用者として応援していくことにしよう。