の続き。
新町通で山鉾を出迎える
前回も書いた通り、山鉾巡行は新町御池で解散となり山鉾町に戻ることになっているが、新町通は写真のように背の高い山鉾が通れるように電線が横断されておらず、多くの山鉾がこの通りを通って戻っていく。
また解散されたと言っても祇園囃子をしないなどは全くなく、むしろ幅の狭い道を大きな山鉾が目の前を通り抜けていく、昔ながらの風情が楽しめる場所だ。以前は穴場だったようだが今や人気スポットになりつつあるが、そんなわけで自分も後半戦は新町通で鑑賞することにした。
新町通は道の左右に高張提灯が立ち並び、ひときわ風情があって良いね。
11時頃はまだ人も多くなかったが、北に進むにつれて段々人が多くなってきたので、三条新町のファミリーマート前で山鉾を待ち構えることにした。
12時前に最初に通過する長刀鉾目当ての人がどんどん集まり、狭い新町通は大混雑。昨日までの宵山のような規制がされておらず混乱状態だった。新町通は表向き観賞場所ではないので明示的な規制はされてないらしいのだが、ちゃんと時間決めて規制すればよいのに。
大迫力の山鉾に感動!
12時少し前、パトカーに先導された長刀鉾がやってきた!
これは凄いっ!狭い新町通を大きな鉾がゆっくりと目の前を抜けていく迫力は、四条通とは全く違う。これは新町通素晴らしいわ。
なお長刀鉾に乗っていた稚児は新町御池で降りてしまうそうで、ここでは稚児は乗ってないが、祇園囃子の奏でる様子などは巡行そのものだ。
続いて白楽天山が通過。舁山は必ずしも新町通を通らないので、ここで全ての山鉾を見ることはできない。
白楽天山が通り抜けると、三条通を車が抜けていく。この大混雑で車通すのか…。ただ、山鉾が通るからとすべての東西方向の通りを止めてしまうと、3時間近く行き来できないのは、地元の生活などを考えると仕方ないのだろう。
函谷鉾。お囃子がテンポ良くて心地よい。新町通では山鉾の違いがよくわかる。
そして狭い新町通では屋根方さんが大活躍だ。電柱を蹴とばして進路をうまく調整している。
郭巨山に四条傘鉾。四条傘鉾は小学生が棒振り踊りを披露する。長刀鉾の稚児ばかりが注目されるが、四条傘鉾の小学生たちも暑い中立派な活躍だと思う。
時刻は12時40分。人が少し減ったので反対側に場所を移す。
鶏鉾がやってきた。朝四条室町で辻回しを見たのが遠い昔のようだ。
綾傘鉾。稚児さん暑くて大変そう。地元の人がお水やおしぼりを提供してくれていた。
三条通の車を通すために行列が止まっている間に棒振り囃子の演技があったのだが、自分がいた場所の少し北側だったので動画が撮れず。残念。
菊水鉾。この時点で13時を回っており、かれこれ2時間も新町通にいることになる。人も徐々に減ってきた。疲れたら適当に離脱しようかと思っていたが、全然見てて飽きないので最後まで観ることにする。
伯牙山、そして蟷螂山。蟷螂山はここでも人気だったけど、心なしかカマキリのからくりの動きが悪かったような…?
月鉾。さすが新町通ではその大きさが際立ちますな。
時刻は13時半を回る。あとはくじ取らずの岩戸山、船鉾、放下鉾です。
岩戸山は他の鉾に比べると小ぶりだね。岩戸山は辻回しの豪快さが格好良くて、お気に入りの山になりました。
山鉾巡行ではしんがりを務める船鉾であるが、新町通を本拠地とする放下鉾を最後に通すため新町御池で放下鉾を抜いてここでは最後から2番目となる。船鉾はスリムなのでこの新町通はらくらく通過。
さていよいよラストの放下鉾がやってきた。
気づけば時刻は14時15分。最後まで見ている観客はほんの一握りで、あれほど混んでいた新町通も人はまばらになっていた。勿体ない気がするが、この酷暑の京都で3時間も立ちっぱなしなのはなかなかしんどい。
最後の力を振り絞りゆっくりと進む放下鉾。観光客よりも地元の人たちの歓声が多かった気がする。昔ながらの祇園祭の光景を見ることができ満足。
これで新町通の鑑賞はおしまい。あっという間の3時間でした。
新町通は素晴らしい
評判通り、新町通の山鉾鑑賞は本当に良かった。こんな間近に山鉾が見れるなんて素晴らしすぎる。これ、一度見てしまうともう大通りの鑑賞だけでは満足できなくなるね。
ただ、3時間以上も外にいるのはやっぱりしんどかった。新町通の山鉾を見るのなら、この近くにホテルを取って涼み、昼寝でもしながら、特にくじ取らずの最後3基狙いで見るのが一番良いのではないかと思うが、この時期の新町通のホテルは激高なのがネックだ。また新町通は巡行の途中からは東西方向の通りから警備の人に止められて入れないので、交差点でないところで見るには11時台には新町通にいないといけない。
まあ、それを上回る魅力のある場所だったので、次に山鉾巡行を観る機会があったとしても自分は絶対新町通に行きます。
さて、山鉾巡行も終わったわけであるが、7月17日の祇園祭はまだまだ続きます。
(つづく)