たまの日記

最近は弾丸旅行ばかりです。

大阪から寄り道(2):木次線の旅(2021年7月)

大阪からの寄り道2日目は、木次線めざしてまずは飛行機で出発。

JL2341便で出雲空港

朝6時前にホテルユニゾ大阪淀屋橋を出て、伊丹空港へ。

伊丹から羽田以外の飛行機に乗るのは初めてでちょっと新鮮。

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伊丹7:05発JL2341便はJ-AIR運航便で、機材はエンブラエルE170・JA215J。久々のE170だ。

乗客は10人ちょっとくらいしか乗ってなかった気がする。なかなか苦しいね。

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伊丹を離陸後、神戸港の上空を旋回して出雲空港めざして一直線。 朝早かったのでちょっとうとうとしてたら、もう宍道湖上空で着陸である。

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定刻より少し早い7:50に出雲空港に到着。ちょっと雨が残るあいにくの天気のようだ。

木次線亀嵩駅の扇屋そばへ

木次線に乗るには普段であれば宍道11:27発の備後落合行に乗ればよいのだが、今日は7月第3日曜で、この列車が宍道から木次まで計画運休になっている。今年は違うけど、普段であれば海の日の連休が入るはずでなんだかなぁという気がする。

最近引退が発表されたトロッコ列車「奥出雲おろち号」も来週から運行で今日は走っておらず、仕方がないので宍道9:09発の木次行に乗るべく、タクシーで宍道駅へ向かう。

出雲空港から宍道駅まではわずか4キロほどしかないのだが、バスは松江駅出雲市駅しか走ってないのである。不便だな。

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宍道駅に着くが時間が余ってるので、徒歩5分ほどの宍道湖へ。

朝から釣りを楽しむ人の向こうに、羽田から着陸するJL277便を望むことができた。これはこれで楽しい。

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木次線はつい数日前に大雨で運休になっており、今回の寄り道も無理かと覚悟してたのであるが、幸い復旧作業は順調で今日は無事に走っている。車窓からは土のうが積みあがっているのが見えるなど復旧作業の様子が見ることができた。

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それにしてもこの列車、自分入れて2人しか乗ってない。こんなんで大丈夫なんだろうか…。

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9:43木次着。列車はそのまま出雲横田行となる。

レールはますます細くなり、25キロ制限区間が連発する。これでもかつては陰陽連絡線として急行列車や夜行列車まで走ってたのだが、信じられないな。

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途中の亀嵩駅に11:02に到着。ここで途中下車する。

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ここはそば屋が併設されていることが有名であり、せっかくなのでここでそばの昼食としようと思う。

亀嵩駅舎内の扇屋そば│石臼挽きの国産そば粉を使った手打ちそば

砂の器」のロケ地として有名な亀嵩駅舎内の扇屋そばでは、石臼で挽いた国産そば粉と奥出雲の天然水を使用して、手打ちで仕上げたこしのあるそばをお召し上がりいただけます。弁当そばはホームまでお届けします。

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古き良き雰囲気の店内で名物の割子そばを食べる。そばはコシがあって濃い味わいのつゆと合わせると非常に美味しかった。

ただ結構繁盛してたのだが、木次線で食べに来たのは自分だけというあるある状態だった。

そしてこの風貌でなんとキャッシュレス対応。便利だったけどちょっとびっくり。

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繁盛しているので店に入り浸ることもできず30分もせず店を出たのだが、次の列車は12:50までない。 この駅は町はずれにあるので、観光名所も遠く、唯一駅近くにあった、線路の反対側の藪の中にある和泉式部終焉の地と書かれた石碑を見てもまだ時間があり、結局小一時間待合室で過ごした。

まあ、何も考えずに駅の待合室にいるのも良いものだ。

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亀嵩12:50発の備後落合行に乗り、いよいよ木次線の名所へ向かいます。

三段式スイッチバック

ここからは中国地方の最高地点へ向かいます。

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神社っぽい重厚な佇まいが印象的な出雲横田駅で12分停車し、さらに山合いを進んでいくと、左手から線路が合流し、出雲坂根駅へ。

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ここからは三段式スイッチバックで山を登っていく。全国的にも少なくなったスイッチバック。 進行方向が変わるだけと言えばそれまでではあるが、乗っていてとても面白く楽しみだ。

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出雲坂根駅は綺麗な駅舎に改装されているが、ここで有名なのが湧き水延命水である。宮脇俊三氏の書籍などで読んで一度は訪れてみたいと思っていた場所へ来ることができて感無量だ。水はとても冷たくて心地よく、空きペットボトルに汲んで今後の飲み物にした。

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進行方向を逆向きに出発し、どんどん高度を上げて、スノーシェードに覆われた次の折り返し地点へ。

ここでさらに向きを変えて、右手にこれまで乗ってきた線路をわけ、ぐんぐん高度を上げていく。列車が山を越えていこうとする様がよくわかり無茶苦茶楽しい。

この区間は前の列車よりは人が多かったがそれでも10人程度だろうか。この1週間後のオリンピック開幕式連休のときは青春18シーズンでもあったのでこの区間が無茶苦茶混んでいたようで、それに比べるとゆったり景色を楽しめたのは良かったと思う。

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トンネルを抜けると、右手に奥出雲おろちループと呼ばれるループ橋を望むことができる。なかなか楽しい景色だが、木次線に沿ってこんな高規格の道路ができてしまうと、もう列車は立ち行かないよね…。

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JR西日本最高地点の駅、標高727mの三井野原駅を過ぎると、列車は高度を下げていき、14:33に備後落合駅へ到着。

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朝9時に宍道駅を出て、途中下車はあったものの81.9キロの区間をえらくのんびり走破に時間がかかってしまったが、木次線は車窓が面白くて全く飽きが来なかった。雨だけでなく雪も多く、常に災害リスクにさらされている先行き厳しいローカル線であろうけど、貴重なスイッチバック区間であるし、これからも生き延びてほしいものだ。

廃線危機の芸備線

14時半前後の備後落合駅は、芸備線の新見方面、三次方面、木次線の列車が集まり、旅行者が乗り換えられるのはダイヤ上この時間だけなので、一瞬ではあるが賑わう。

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近年こども駅長さんが任命されたとのことで、今日も観光客に大人気だった。

ただこれから乗車する芸備線の備後落合から新見にかけては、県境を通るためとりわけ乗客が少なく、最近JR西日本から存廃に向けた協議の申し入れをされている。おそらくそう遠くない将来廃止になるだろうから、この3本の列車が集まる備後落合駅も2本になってしまうのだろうか。

備後落合14:38発の新見行はそんな情報を察知した旅行者が集まり、ほぼ席が埋まるくらい盛況だった。 この区間次の連休週は積み残しが出るほど混んでたらしい。普段からそれだけ乗ってればよいのだが…。

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この区間木次線ほど見どころはなく、あいにく再び雨が降り出した山間を縫うようにのんびり走る。列車からはあまり見れないが中国道が並行しており、鉄道はもはや必要とされてないのだろう。途中の乗降はほとんどなく、旅行者を乗せて16:01新見着。

これで中国地方屈指のローカル線を走破することができたのだが、福塩線と、芸備線の三次から備後落合までがまだ乗ってないので、備後落合にはまたもう一度行かねばならない。その時までにこの区間は残っているのだろうか。

倉敷を瞥見して帰京

新見からは伯備線に乗る。

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新見16:38発の特急やくも22号に乗る。今年の春踊り子号で走ってた185系が定期特急から撤退したので、伯備線の381系が全国唯一国鉄型車両を使った電車特急になった。といっても色は塗り替えられあまり面白味はないのだが、引退までに国鉄特急色にでもなってくれないかな。

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山間を縫うように走る景色は他のローカル線とそうは変わらないものの、レールは太く、振り子特急はスピードをあげて走破する。全く別世界のようだ。

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今やくも号の短区間利用向けにお試しチケットレスサービスを行っており、自由席でも1200円かかるのをわずか700円で特急に乗ることができる。ただ、そのせいか指定席はかなり混んでて自分の隣席にも人がおりちょっと息苦しい。自由席の方がガラガラであった。

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やくも22号にこのまま乗っても空港連絡バスにタッチの差で間に合わないので、17:27着の倉敷で下車。

やくも22号があと10分早かったら1本早い飛行機で帰れるのだが、まあJR西日本からしたらそんな客知ったことではないだろう。

一日中国地方の山奥にいると、倉敷駅が大都会のように見える。

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わずか30分ちょっとの時間ではあるが、駅から10分ほど歩いた倉敷美観地区を散策。白壁の蔵屋敷が並ぶ街並みがこの都市の真ん中に残るとはすごいね。さすがに観光客も夕方にもかかわらずそこそこ行き交い賑わっていた。

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倉敷18:10発の三石行で岡山へ。この車両、115系かと思いきや113系だった。岡山は色が真っ黄色なのが残念だが、113系115系など国鉄型車両が行き交う貴重なエリアである。またちょこちょこ来たいと思う。

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岡山には18:27に到着。普通に考えればここからのぞみで帰るのが早いのだが、この連休は飛行機が安かったので飛行機で帰る。

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岡山20:10発NH660便で帰京。楽しい1日寄り道は無事終了です。

前回の鳥取寄り道とあわせてJRの未乗区間消化がだいぶ進んだが、だんだん手近な場所が減ってきて1区間乗るだけでも一念発起しないと難しくなってきた。果たして完乗するのはいつになることやら…。