Mainz Hbf 8:20発のIC2028でいよいよライン川の旅と行こうと思う。
ところが、まだ朝8時だというのに10分遅れとの表示が…ホント、ドイツ鉄道はダイヤ通りに走らないなぁ。
列車は混んでおらず、無事ライン川沿いの右側席を確保。ライン左岸線の旅スタートです。
ライン左岸線からライン川の景色を楽しむ
マインツを出発して10分ほど、ビンゲンを過ぎたころからライン川沿いを走るようになる。
次々と現れる古城、行き交う大型船など、この区間は3度目ながら全く飽きることがない。
中州にある明るい色のプファルツ城と対照的な古色蒼然のグーテンフェルス城を横目に見ると、鉄道写真スポットとしても有名なオーバーヴェーゼルを通過し、列車は大きくカーブしていく。
そしてあの有名なローレライを通過。であるが、古城や沿線の街並みを見ていると単なる岩なのと、あまりに一瞬なのでちょっと面白くないかも。
ボッパルトの大カーブにかかる。 列車ではなかなか感じることが難しいが、ライン川はこのボッパルトでU字型に大蛇行をしている。 今回はこの後ボッパルトに戻る予定だ。
今回ひそかに楽しみにしていたスポット、それはマルクスブルク城である。
1年前に宮古島でマルクスブルク城を模したうえのドイツ文化村を訪れて以来、本物をぜひ見たかったのである。 しかしこの区間、ライン左岸線とライン川の間に家が立ち並んでおり、なかなか良い撮影スポットがなく、かろうじてこんな写真が撮れただけ…。
なるほど、列車からはっきり撮れなければ、なかなか知名度は上がらないね…。
渓谷の山々が徐々に高度を下げていくと、コブレンツである。 定刻9:11よりも10分ほど遅れてKoblenz Hbfに到着。
あっという間の50分であったが、実に楽しかった。
さて、普段であればここを通り抜けて終わりであるが、今回はボッパルトに戻り、ライン大蛇行の絶景を楽しむことにする。
10分ほど遅れたので乗り換え時間が心配であったが、今度の列車は9:30発なので無事に乗り換えられそうだ。 ところが…。
逆方向の列車はもっと乱れていて、8:48発のICEが今頃入線してくる始末。 9:30発のRBも15分以上遅れるようだ。全く、朝っぱらから盛大に遅れるドイツ鉄道はどうしようもないなぁ…。
結局20分以上遅れて、Mainz Hbf行の列車はKoblenz Hbfを出発。 この区間の普通列車はドイツ鉄道運行ではなく、電車なので走ってしまえば快調に走る。
再度マルクスブルク城の撮影にチャレンジしてみるが、これが限界であった。
本当は9:46着だったBoppard Hbfには10:10前に到着。 観光の時間が削られてしまったので急いで次の目的地に向かうことにしよう。
ボッパルトでライン川の雄大な大蛇行を楽しむ
ボッパルトは人口2万弱の小さな街。静かなたたずまいの街を横目に見つつ線路沿いを歩くと、Sesselbahnの乗り場に着く。
ここからチェアリフトに乗ると、ラインの大蛇行を眼下に見下ろすことができる展望台、ゲデオンスエックに行くことができる。
ガイドブックに載っていた写真に惚れ、ぜひ一度訪れたいと思っており、今回の最大の目的地である。
朝10時過ぎと早いうえに、天気も悪いので、人がほとんどいなかった。 足元とか見たら怖いかなと思ったのだが、実際そんなに怖くはなかった。
むしろ、遮るものがないので風が吹くとリフトが風に揺られるのが結構怖かった。そして寒い。 一応ジャケットは着てきていたが、それでもかなり寒い。
さらに、ここに来て雨粒もポツポツ降ってくる始末。幸い本降りにはならなかったが、このチェアリフト、所要時間は20分とものすごく長く、かなりしんどかった。もっと天気よかったらよかったのになぁ。
そんな快適とは言えないリフトではあったが、だんだん高度を上げていくとラインの景色が一望できてそれはそれで楽しい。
そしてこの区間は列車の本数も多いので、頻繁に列車が通るのも面白い。 ちょうど、Koblenz Hbfを9:48に出発するEC7 Interlaken Ost行が遅れてボッパルトに差し掛かって来ていた。 スイス国鉄の客車であり、今となっては珍しくなった国際色豊かな列車である。一度乗ってみたいところだ。
後ろを振り向くとボッパルトの街並みと列車の姿がマッチして、いかにもドイツらしい景色が楽しめる。
半分くらい過ぎると、ライン川は見えなくなり、山間の登山道沿いをひたすら終点まで耐える時間が続く。
時々、椅子のない黄色いリフトが通り過ぎていくが、これは壊れているわけではなく自転車を積む用だそうだ。 ただ自転車を積む際にはリフトが止まるらしい。それはそれで嫌だなぁ。幸い今回はそんなことは起きなかったけど。
ということで、20分の苦行が終わり、終点から5分ほど山道を歩くと展望台に着く。
山小屋のような爽やかな建物が見えてきた。 展望台はカフェになっているのだが、まだこの時間は誰も客はいないようだったので、カフェのオープン席に行くと…。
出ました!ラインの大蛇行。 まさに絶景であるが、広すぎてiPhoneでは収まりません…(泣)
パノラマで撮ってみました。
自然の流れに逆らわず、U字にカーブするラインの流れは本当に見応えがある。 これは列車や船では絶対にわからんな。寒い寒いリフトに乗ってきた甲斐がありましたわ…。
そして左右の景色も堪能。特にボッパルト側の街並みは見事であった。 素晴らしい景色を味わいながら、また苦行のリフトで麓に戻ると致しましょうか…。
覚悟はしていたのと行きに通ったこともあり、下りはそこまでしんどくはなかった。 下るほうが、ボッパルトの街並みを一望できることもあり、景色は楽しい。
少し時間があったので、船着き場のある川沿いを散策。 月曜の午前ながら、のんびり散歩を楽しむ人、この時間からビールを楽しむ人などが集まり、それなりに活気がある。
ボッパルトの街は教会や古い建物、そして観光スポットがコンパクトにまとまっていて、ゆったり滞在したら楽しそうだ。
ライン川沿いでひとつ街に立ち寄るとするとリューデスハイムが交通の便の良さもあって人気で、あそこもゴンドラリフトに乗ってラインの眺めを楽しめるのだが、このボッパルト、特にゲデオンスエックの展望台は見事で、これで自分は両方とも行ったことになるけど個人的にはボッパルトのほうが楽しい気がした。
しかしながら時間がない上に当初想定していた列車に乗り遅れてしまったので、慌ただしく11:39発のREに乗ってコブレンツに戻る。
REは定時運転で、ディーゼルカーながら快走し、15分ほどでKoblenz Hbfに到着。 次の目的地に向かうことにしましょうか。