高崎支社管内を走る115系電車が 本年3月に定期運行を終了します! https://www.jreast.co.jp/takasaki/news/pdf/20180115_info.pdf
高崎支社では、1964年に運用が開始され、「かぼちゃ電車」や「みかん電車」などの愛称でも親しまれた湘南色の電車「115系」が本年3月をもって定期運行を終了します。
ついに、高崎の湘南色115系がこの3月で定期運行を終了するというアナウンスがされる時が来た。 1月15日=115系の日に発表されるあたりニクい演出であるが、211系が続々と投入されつつも、まだまだ10本以上が走っていたので3月改正後も走るものと思っていたのだが…。 まあ、平成も30年になった2018年まで走ってくれただけでもありがたいことである。
なので、3月までに一度は高崎に行きたいなと思っていたのだが、3月は忙しいこともあり、2月の3連休の最終日、ふと思い立って高崎に行くことにした。 しかし調べてみると、思いのほか115系の運用は減っていて、水上まで行く運用はわずか1本、うまくいけば大回り乗車で安く済ますことができる両毛線は、小山まで顔を出す運用は夜の1本にまで減っていた。 吾妻線は比較的追いやすかったが、単純往復できるほど時間がない。
いろいろ思案の上、夕方の桐生16:42発、高崎17:31着の両毛線456Mに狙いを定めることにした。 往路を東武にすると安く済むので、17:01発の伊勢崎から乗車することに決め、昼ご飯を食べてから家を出た。
最初はりょうもう号に乗ろうかと思っていたのだが、住吉でちょうど乗った急行久喜行に乗ると、久喜、館林と普通列車を乗り継ぐとりょうもう号に乗らなくても伊勢崎まで行けることがわかり、のんびり普通列車の旅に変更。 2時間以上ロングシートの旅は結構くたびれたが、1200円ちょっとで伊勢崎に行けるのはこの上なく安い。
館林からは単線、そしてワンマン列車となり、大手私鉄とは思えぬ素寒貧な景色を見ながら伊勢崎駅に到着。
駅は立派な高架駅であったが、駅前広場は北関東にありがちな人通りもなく寒々としていた。 両毛線も気づけば徐々に本数が減ってるし、この先群馬の鉄道は大丈夫なのかと心配になる。
両毛線456Mで最後の115系乗車を楽しむ
両毛線の駅に入り、桐生からやってくる456Mを狙って入線シーンをまず撮影。
運用変更もなく、MT54のモーター音を響かせながらやってきた。 慣れ親しんだ115系に久々に会えて嬉しくなる。
あわただしく乗車。この456MはT1037編成+T1038編成の6両であった。
日が暮れる前の最後の115系ではあるが、桐生発だからか、マニアの数は予想よりも多くない。 というか、ガラガラでボックスシートも含めて選び放題だった。
夕日を浴び、赤城山を眺めながら456Mは高崎へ快走する。最高の時間だ。
次の駒形で一気に客が乗り、車内は一変にぎやかになる。 まあ、115系は近郊型電車。にぎやかな方が逆に良いのかもしれない。
新前橋では反対側に吾妻線の459M・万座・鹿沢口行が入線。車庫に留置中の115系と合わせて3本が並んだ。 3本も並びながら、来月で引退とは信じがたいなぁ…。
456Mは高崎までラストスパート。定刻17:31に高崎駅へ到着した。 早くも115系を狙う撮影隊が何人もいた。3月16日のラストは結構混むのだろうなぁ。
高崎駅で最後の115系を記録
456Mから高崎線への接続は良く、わずか2分後に快速アーバンに乗り継げるのだが、あまりにも勿体ないのでしばらく撮影タイムとすることにした。 幸い、折り返しは17:57発の小山行465Mと20分以上時間がある。
小山行は貴重な大回り乗車で乗れる唯一の115系運用なだけあって、この列車を狙うマニアが何人もいた。 道中真っ暗なので個人的には微妙だと思うのだが、大回り乗車じゃないとなると往復で3000円以上かかるわけなので、コスト的には大いに魅力である。
テールライトが消え、ヘッドライトがつく。どの顔も格好良い。
高崎の115系は昨年、盗難防止からか前面種別幕が緑の板で覆われてしまっており、写真映りとしてはイマイチなんじゃないかと思っていたのだが、現物を見るとそんなことはどうでも良く、とにかくこの顔の格好良さに惚れ惚れしてしまう。こんな惚れる顔を持つ電車はもう二度と出てこないだろうなぁ。
そしてその顔が連結する連結部もまた格好良い。 特にクモハ115の雪切室が非常に良い味を出している。
個人的には115系は幌がついている方が断然格好良いと思うのだが、幌のない顔もどことなく優しい顔つきがしてそれはそれでよい。要するになんでも格好良いのだが。
115系の特徴の一つである半自動扉、高崎駅の駅名票を交えたショットなど、今ここに115系がいたという証を何枚か抑えておく。 返す返すも、来月でいなくなってしまうというのは信じがたいな…。
さて、17:57に出発する前の最大のハイライト、それは17:53に隣の5番ホームに横川からの152Mが到着してからの4分間である。 5番・6番ホームに115系が並ぶという、つい2年ほど前まではありふれた、しかし今となっては貴重なシーンが展開されるのだ。
と思ったら、なんと152Mの到着が遅れているという。うーん、間に合うのか…?と思ったのだが、幸い2分ほどの遅れでやってきた。
115系が並んだ!この光景をもう1回見ることができるとは、とても嬉しい限りだ。
反対側のホームへ行き、115系の並ぶ様子を撮影。 このままここで465Mの出発を見送る。
最後に折り返し18:12発の横川行149Mを撮影し、高崎駅を撤収。
短い時間であったが、最後に115系に触れ合うことができ、大変満足であった。 一念発起して来てよかったです。
大混雑の新幹線で帰京
さて、帰りは時間もないので新幹線で一気に帰る。 北陸新幹線が遅れていたので、18:00発のあさま626号に間に合いそうだ。
ところが、これがとんでもない大混雑で、自由席は通路までいっぱい。 隣にすでに入線していた18:03発のMaxとき336号に乗ろうかと思ったが、こちらも1階席まで満席。 うーん、スキーシーズンで3連休最終日だとこんなに混んでるのか…。 まあ大した時間でもないのでデッキに立っていくことにした。
特急料金節約のため大宮までの乗車なのでわずか26分だからいいのだけど、この区間で新幹線特急券に1800円以上払っているのにこの仕打ちはひどいなぁ…。 まあ、さすがに在来線だと1時間以上かかる大宮までが30分もかからないというのは素晴らしいのだが。
大宮で降りると、18:29発のMaxたにがわ188号があさま626号を退避していた。大宮で追い抜く運用なんてあるんだね…。
大宮からは上野東京ラインに乗車。予想よりも混んでいたが無事座れ、上野~秋葉原と乗り継ぎ岩本町から新宿線で帰宅した。
高崎から115系が引退となった今、残る113系・115系は、新潟の115系、しなの鉄道の115系、湖西線・草津線・山陰線の113系、岡山・広島・下関の115系、四国の113系といったところか。 しかし、新潟、広島、四国は風前の灯火だし、他の地域も少数派だったり新車の噂が立つなど、数年も持たないだろう。今のところ安泰なのは岡山だが、末期色ばかりなのがネックだ。 そうすると、注目は新車の話はあるものの湘南色もスカ色も復活したしなの鉄道くらいだろうか。
気軽に行けるところがだんだん少なくなってきたが、できるだけ活躍の場を巡って記憶に留めていきたいなと思います。