秋は登山の季節。 今回は奥多摩に行くことにした。
奥多摩は何度も行ったことがあるが、登山で行くのは初めてである。 初心者向けの山はいくつかあるが、その中でも人気が高い川苔山に行くことにした。 標高1363mとさほど高くはないが、登山道の標高差は1000mほどあり、距離も13㎞ほどと、それなりに登り甲斐のある山であり、楽しみだ。
11月1日(日)。早起きして、新宿6:46発のホリデー快速おくたま1号に乗る。
早く来たので無事座れたが、出発前には立客も沢山いた。 普通の電車と違ってこの電車に乗る人の大多数は青梅線まで乗りとおすだろうから、始発で座れないと結構悲劇だね。
途中、御嶽駅で半分くらいの客を降ろし、終点奥多摩駅には8:21着。
さすがに奥多摩駅はひんやりしていた。自分もそれなりに寒さ対策はしてきたが、周囲の人たちはもっと本格的な重装備でちょっと心配になるが、それよりもこの混雑ぶりと来たら!
どの行先のバスも混んでいたが、中でも自分が乗る川乗橋へ向かう東日原行のバスが一番混んでいて、バス停に待つ人がとぐろを巻いていた。 こりゃ大変だ…と思っていたが、幸い8:35発の定期最終バスに運よく座れた。
10分ちょっとで川乗橋バス停に到着。
ちょうど団体さんが集まっているようで、すごい人! 人気のあるルートなのね。 軽く準備運動して、早速出発しよう。
細倉橋までは林道を歩く。なだらかな道を歩くのはちょっと単調だが、良い準備運動代わりになる。
日陰はまだひんやりするが、ところどころ柔らかな日差しを浴びるのが気持ちよい。 空は見事な青空。そしてところどころ赤や黄に染まった紅葉が綺麗だった。
40分ほど歩き、林道の終点、細倉橋に到着。 ここには登山ルート唯一のトイレがあり、行列ができていた。あと5時間以上歩くので、自分も立ち寄ったが、思いのほか時間がかかり30分以上もここにいる羽目になった。
ヤマレコとか見ると、山頂でコーヒー飲んだりしてるけど、トイレどうしているのかな。 まあ山登ると結構汗かくので自分もあまりトイレ行った記憶はないのだが。
だいぶ時間を食ってしまったので急いで山頂へ向かうことにしたいのだが、細倉橋からの登山道は幅が狭く、なかなか自分のペースで登山することができない。
幅が狭いので、中には滑落の危険がありそうな場所もあり、ちょっと子連れとかだと危ないなぁと感じた。
ただこの登山ルートの醍醐味はなんといっても沢沿いを歩くことにある。 水の音を聞きながら歩くのはとても楽しい。人気のコースだというのもわかる気がする。
細倉橋から先は急登と聞いていたが、さほどきついという感じはしなかった。 ほどなく奥多摩山域でも有名な百尋ノ滝への分岐にたどり着く。
突然現れた落差40mの堂々たる滝は目を見張る。 滝つぼに近づくと、水しぶきがとても心地よい!まさにマイナスイオン全開だね。
ここで小憩し、いよいよ山頂に向かうことにしよう。
百尋ノ滝からは岩場の登り、足毛岩分岐からは再び沢登りと変化に富んだ登りが続く。 沢が尽きた後の樹林帯の登りが眺望も効かずきつかったが、ほどなく昔茶屋があったというウスバ尾根に到着。
ここまでくればあと200mほどで山頂である。
12:22、川苔山山頂に到着!休憩込みで3時間半とまずまずのコースタイムであった。 それほど広くない山頂は人でいっぱい!
あいにく山頂手前で曇ってしまい、山頂からの景色は今一つ。 雲取山がかろうじて見えたくらいで、富士山は残念ながら見えなかった。
そして登りで汗かいたせいもあって、予想以上に寒い! 周りはカップラーメンやらコーヒーやらで暖を取る人ばかりで、すごく羨ましい…。 よし、今度こそコンロ買おうっと。
昼食をとって下山することにしよう。 帰りは鳩ノ巣駅に向かうのが定番ルートである。
しかしこの下山ルートは登りと違って、眺望が全く効かない。 最初の坂は予想以上にキツくて、下山が苦手な自分はだいぶ足にきた。 ゆるやかになったと思ったら、単調な樹林帯の道を延々と歩くので全く面白くない。 時々ある案内標識に距離が書いてないこともあり、何しろ退屈だった。
そして最後の大根ノ山ノ神からの下りがまたキツかった! みんなスタスタと歩く中、足を曳きながら歩く自分がなんとも惨めだった。 困ったなぁ。こんなんじゃ富士山とか再訪できないよ…。
熊野神社への案内板が見えると、ようやく景色が開けて民家が見えてきた。 そして踏切の音と、E233系の出発する音が聞こえてきた。こんな景色でE233系の音は全く場違いに感じるが、今日に限っては本当に安堵させる優しい音に聞こえた。
もっとも、ここから鳩ノ巣駅はなお距離があり、最後の舗装道路の下りがさらに足を痛めつけたのだが(泣)
登山口のある公園で休憩したこともあり、鳩ノ巣駅に着いたのは15時半を過ぎていた。 3時間近くかかってしまい、コースタイム以下である。
結局この下山がかなり足に来て、翌週は足をひきながら仕事をする羽目になってしまった。 なんとか苦手意識を克服しなくては…。
鳩ノ巣駅近くの国民宿舎は15時まで日帰り温泉があるのだが、余裕で間に合わなかった(苦笑)ので、15:43発の青梅行に乗る。
青梅で乗り換え、河辺で下車。駅前にある河辺温泉 梅の湯で一風呂浴びることにした。 【河辺温泉梅の湯】公式|青梅、御岳山、奥多摩の日帰り温泉。お食事、ご宴会。
大人860円と結構な値段であるが、広々とした温泉でゆったり疲れを癒した。 ここまで移動するのが結構大変ではあるが、駅前ということもあり奥多摩登山帰りにはおすすめな場所だと思う。
あとは帰るだけだが、電車を調べてみたら、ちょうど立川17:40発のホリデー快速富士山2号に接続することが分かった。 ホリデー快速富士山号は今や骨董品となった189系が使われており、混んでいるだろうがぜひ乗ってみたいところだ。
定刻より数分遅れてやってきたホリデー快速富士山号は、国鉄特急色の189系であった。 車内は混んでいて座れなかったが、歯数比3.5のMT54のモーター音を久々に堪能。 あと何度乗ることができるかな…。
意外に三鷹で結構な人が降りたので、幸いにも座ることができ、特急型電車の乗り心地を味わいつつ、新宿に到着。
やっぱりこの色はいいですねぇ。
ということで、楽しい登山ではあったけれど、川苔山は登りはいいけれど、下りがあまりにもつまらなくて正直再訪したいかというとちょっと微妙かなぁ。 登山道が狭いので往復というのもちょっと微妙だし。 奥多摩はほかにも山がたくさんあるので、次は違う山も目指してみようかな。
(コースタイム)
川乗橋 8:56~細倉橋 9:38/10:13~百尋ノ滝10:55/11:00~足毛山分岐11:39~ウスバ尾根12:15~川苔山12:22/12:49~大根ノ山ノ神14:25~鳩ノ巣駅近くの公園15:10/15:25~鳩ノ巣駅