信濃大町で両親と別れ、ここからは長野までしばし息子との2人旅である。
信濃大町から長野まで鉄道で行こうとすると、普通は松本経由であろうが、今回はあえて北へ向かう。
15:08発の南小谷行は、E127系2両のワンマン運転であった。 松本から来た普通列車の接続を受け出発。車内は席が埋まるくらいで活況ではあったが、まで青春18の通用期間ではないのでそこまでの混雑ではなかった。 これが青春18期間だったらまた違うんだろうな。
あいにく再び雨模様になってしまったが、北アルプスの山々、仁科三湖の静かな水面を眺めながら北上する。
しかしE127系は、制御装置がJR東日本で唯一東洋電機製であり、モーター音が地元京成や京急の電車と全く同じなので、景色とモーター音が全く合わない(笑)近所の電車に乗ってる感じがしてちと興ざめである。
白馬で半数以上下車し、車内が静かになると、ほどなく定刻16:07、南小谷に到着した。
山間の小さな駅であるが、ここから先はJR西日本、非電化区間であり、運転の要衝である。 実はここから糸魚川までは未乗区間であり、あえて北上したのはそれが理由である。
この区間は本数が少ないが、今回はわずか17分待ちで乗り継ぐことができる。
16:24発の糸魚川行はキハ120形1両で、座れるか心配であったが無事席を確保することができた。
列車は県境を越え新潟県に入り、姫川の急峻な流れに寄り添いながら、徐々に高度を下げていく。
雨模様でもあり、川の流れは目を見張るが、しばしば不通になる区間でもあり、この大糸北線は北陸新幹線開業でJR西日本の在来線とは切り離された離れ小島の路線になってしまったこともあり、いつまでJR線として継続していくのか気になるところだ。
やがて狭いながらも新潟県らしい田んぼが広がってくると、新幹線の高架が見えてきて、17:21糸魚川駅に到着した。
ここからは北陸新幹線で長野に向かう。 次の列車は17:34発のはくたか572号と接続は良いのだが、一方でここ糸魚川駅は新幹線開業とともに、糸魚川ジオステーション「ジオパル」という鉄道を楽しむ施設がオープンしており、プラレールやかつて大糸線を走ったキハ52が展示されている。
あいにく息子は大糸線でずっと寝ていて起きたばっかりであり、ご機嫌が悪ければそのまま新幹線に乗る、ここにいるとあれば次の列車まで滞在しようかと思って向かったら…
さっきまでぐっすり寝てたくせに一気に元気を取り戻してました(笑) おかしいなあ、自分は全然電車のこと教えてないんだけどな。
そういうわけでここで1時間ほど滞在することにした。
施設は広く、プラレールを敷いて楽しんだり、有料ではあるが鉄道模型を運転したりすることができる。 息子は自分で持ってきた681系はくたかを運転したりしてくつろいでいた。
鉄道模型はNゲージ、HOゲージがあり、北陸本線を走る列車を中心に様々な車両が走っていたが、中でも秀逸だったのは大糸線のジオラマである。 これは実によくできていて、先ほど通った区間を見事に再現していて一見の価値はある。
模型だけではなく、2010年まで大糸線を走っていたキハ52が待合室として開放されている。 キハ52は同僚の1両がいすみ鉄道に移って活躍しているが、地元で静態保存とはいえ活用されているのは喜ばしい。
ただ残念なのは、場所的に正面からの写真が撮れないところ。時々駅前広場に移動し展示しているとのことだが、屋内の時でもなんとか撮影スペースは設けられなかったものだろうか。
ということで、あっという間の1時間であった。 無料ということもあり、糸魚川に来た際には必見の施設といえよう。 ただそもそも糸魚川にそんなに来る機会がなかなかないのよね。1時間の間、まあそこそこ人はいたけれど、鉄道模型の運転をする人はゼロだったし、いつまでこの施設が運営できるのかちと心配なところはあるが、まずは糸魚川市の頑張りに期待したいところだ。
さて、18:26発のはくたか574号で長野へ向かいましょうか。
車内はガラガラで、自由席であったが楽々席を確保できた。
昨年末普通列車を乗り継いで移動したこの区間ではあるが、新幹線ではわずか40分! 在来線を分断したり、不都合も多い北陸新幹線開業ではあるが、新幹線区間を利用するのであればものすごく便利だ。
定刻19:06長野着。 さっそくホテルに向かうとしましょう。