たまの日記

最近は弾丸旅行ばかりです。

北陸親子乗り鉄旅行記(7):さよなら、特急はくたか

直江津からは13:02発の特急はくたか11号で越後湯沢へ向かう。

この区間をショートカットする第三セクター北越急行は、はくたかの全廃に伴い第三セクターの優等生からから地方のローカル線に陥落してしまう。なので特急はくたかが活躍するうちにぜひ乗ってみたかった。

特に今発売中の鉄道ファン2月号に北越急行の大熊孝夫前社長が寄稿している北越急行はくたか”の時代」は、小さな第3セクター会社が18年間に渡り特急はくたかの運行を守り続けてきた軌跡を知ることのできる秀逸な資料で、当たり前のように走っているはくたかの裏に様々なドラマがあったことを初めて知り、とても勉強になった。

今回の旅行を決断した最大の理由はこの資料に出会ったことといっても過言ではない。 さてこの資料を読んだからには、ぜひとも真っ白な車体に濃赤の帯が引かれた北越急行所属の車両、愛称スノーラビット(スノラビ)が運行するはくたかに乗りたかった。

特に2005年に増備された683系は、久々に「カッコイイ」と思わせた特急列車で、JR西日本の同型車とは色が違うだけなのに、全く違う上品さを感じ、ぜひとも見てみたかった。

しかし北越急行JR西日本の681・683系は完全に共通運用のため、普通の列車であればネット上の運用報告を駆使して推理しなければならないのだが、北越急行は何と毎月の運用表をホームページで公開しており、これを見ればいつ北越急行所属の車両が来るかが一目でわかるのだ。 こういうファンを大事にしてくれる会社は嬉しいね。

そして今日乗る予定の12月28日のはくたか11号は…

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なんと基本スノラビ683系+付属スノラビ681系のオールスノラビ車! 日ごろの幸運に感謝しつつ、運用変更にならないことを祈って直江津駅で待つと…

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やってきたのはスノラビ681系!運用通りオールスノラビ車でした。

さすがにこの区間帰省ラッシュとは逆方向でも混むだろうと思って指定券は確保してある。 基本編成の8号車へ。ちゃんとM車指定で座席取りました(爆)

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車内はところどころ空席があるものの混んでおり、さすが在来線屈指の高収益特急だけある。

乗ってしまえばJR西の683系と同じだが、あの資料を読んだ後だとこれまでの功績をたたえたくなるものだ。

はくたか11号は北越3号の遅れも影響せず定時に直江津駅に到着したものの、出発時の安全確認作業があって4分ほど遅れて出発。 越後湯沢駅で接続するMAXとき326号への接続時間はわずか10分しかない。今回自分たちはこの列車に乗る予定ではないので良いのだが、大丈夫かな…?

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はくたか11号は信越本線を2駅走り、犀潟駅より北越急行ほくほく線に入る。 トンネルばかりのほくほく線であるが、くびき駅までは一面の平野を突っ切るので景色が良い。

この区間を160kmで突っ走る。周囲に建物がないのでスピード感はあまりないが、確かに速い。 160kmは京成スカイライナーでも体験できるが、あちらはレールの幅が新幹線と同じ標準軌なので、狭軌でこのスピードはなかなかスリルがある。

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やがてトンネルが続く区間に入ったので、直江津駅で買った駅弁で昼食とする。 直江津駅は駅弁の種類が多く迷ったが「さけめし」(1200円)を選択。 ちょっと値は張ったが、焼き鮭がふんだんに詰められて美味しかった。

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トンネルを抜けると一面の雪! このあたりは豪雪地帯で有名であるが、はくたか11号は難なく通過していく。

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信濃川を渡り、定刻13:30より4分遅れたまま十日町着。 ここで接続する飯山線は森宮野原までの間が雪のため運休とのこと。今年は雪が多いね。

今日は晴れているが、年明けにはまた寒波が襲うという予報であり、最後の帰省シーズンが無事に終わることを祈りたい。

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全長10キロ以上に及ぶ赤倉トンネルを抜けるとほくほく線の旅も終わり、上越線に合流する。 積雪はますます深くなり、この旅一番の雪景色だ。

しかしこの区間は25日に除雪作業で日中運休となってはくたかが長岡行に変更になったばかりであり、今回も結構心配だったところである。 何しろほくほく線を走るはくたかに乗りに来たのに長岡迂回などされたら何のために来たのか意味がなくなるので…。

幸い天気もよく、はくたか11号は越後湯沢に向けてラストスパート。 結局4分遅れのまま13:58、越後湯沢駅に到着した。

MAXとき326号へ急ぐ乗客を尻目に、我々は写真撮影。

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スノーラビットエクスプレス、北越急行のロゴも3月まで。 3月からは北越急行の681・683系は全てJR西に移籍する予定だが、塗装は塗り替えられる予定で、特徴あるスノラビ色を今のうちに目に焼き付けておこう。

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最後尾のクロ683。683系付属編成は両方とも貫通型なので、流線形のカッコイイ先頭車は基本編成の金沢方1両のみなのである。 681系に比べ、ライトの処理が秀逸で、とてもカッコイイ!

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斜めにしてもう1枚! ところが、息子はこのライトの形が怖いらしく(笑)、昨日見たしらさぎ用683系も怖がっていた。 はくたかはこれじゃない!後ろの先頭が見たい!というので、時間はないのだが逆側も見に行くことに…。

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6号車、7号車の自由席には越後湯沢名物の行列が早くもできていた。 今日はまだ帰省ラッシュのトップシーズンではないので列は短かったが、彼らは時刻表を見ると13:26着の新幹線で来ているはずで、折り返しはくたか14号の発車時刻は14:39と1時間以上待つことになる。 こんな大変だけど活気あふれる光景も、3月で思い出の世界になるのね…。

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反対側のクハ681にたどり着きましたよ。 681系は丸型ライトが何となく間抜けな感じがして個人的には好きではないのだが、それでも赤く塗られたスノラビ681系はJR西の681系よりも格好良く感じる。

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お約束の連結部分も確認(苦笑) ただ、我々も時間に余裕があるかと言うとそうでもなく、次の新幹線の時間が迫ってきたので、名残り惜しいがはくたかと別れを告げて新幹線ホームに向かおう。

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乗り換え通路にはこんな掲示が…みんなに愛されていたのね。。。 さらばはくたか、最後に乗車することができて良かったです。

(つづく)