たまの日記

最近は弾丸旅行ばかりです。

房総横断鉄道と久留里線の旅(1)

お盆休みの話。

今年の夏休み、JR千葉支社は「パワフル×スマイルちばフリーパス」というきっぷを売っていた。

これは千葉県内のJRに小湊鉄道いすみ鉄道銚子電鉄が乗り放題という切符なのだが、金額が超激安な1800円!

何しろ本八幡から茂原まで往復するだけで元が取れるのだから出血大サービスとしか言いようがない切符である。

しかも昨年は夏休みのピークを外した期間のみだったのだが、今年は夏休み中ずっと売っている。

これは使わないといけないでしょうという感じなのだが、逆に言うと夏のシーズンにこんな切符を売らないと集客できないくらい千葉のJRは追い詰められているってことなんだよね…。

さて、せっかくパワフル×スマイルちばフリーパスがJR以外に私鉄も乗れるとすれば、やはり小湊鉄道いすみ鉄道に久々に乗ってみたいところである。

いすみ鉄道は昨年大糸線で走っていたキハ52という国鉄気動車を走らせて注目を集めており、久々に訪れてみたいところであった。

ただし、キハ52は通常土日しか走っていない。

昨年はお盆休みに臨時運転していたらしいが、今年は時刻表やホームページを見ても書いていない。

うーん、走ってないのかと思ったら社長ブログに臨時運転をすると書いてあった。

これにしようと思ったら、Facebook房総横断列車というものを走らせるという記事が出ていて、さらに追加運転をするとのこと。

小湊鉄道からの乗り継ぎも考えるとこれにしようと思って決定。

しかし、列車情報を公式ホームページどころかFacebookまで調べないといけないというのはまさに情報戦だね。

8月15日。

朝保育園に子供たちを送り、新宿線本八幡へ行きパワフル×スマイルちばフリーパスを購入。

JRを乗り継ぎ五井駅へ。さっそく小湊鉄道へ。

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9:22発の上総中野行はキハ200の2両編成。

ロングシートの通勤型だが、国鉄色に似た塗装とディーゼルエンジン音が旅行気分にさせてくれる。

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この列車は定期列車なのだが、13日から15日までは大原行のサボが取り付けられている。

これだけなのだが、涙ものな人も多いようだ。

もっとも、列車は混んでいて座れず…。

保育園に行かないといけないので早く行くわけにもいかなかったし、これを逃すといすみ鉄道にうまく乗り継げる列車はもう夕方までないので仕方なく立っていく。

こういうイベントを契機にもう少しうまく乗り継げる列車を増やしてほしいものだ。

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9:22に五井を出発。

内房線から分かれると一気にローカルムード満点だ。

しかし乗客の半分は養老渓谷への観光客、残り半分は自分と同じいすみ鉄道への乗り継ぎ客といった感じで、途中駅で全然降りる気配なし。

結局終点まで1時間ちょっと立ちっぱなしで疲れた…。

しかもほとんどの人が例のパス保持者。普通に買えば終点まで1000円以上するのだが、一体小湊鉄道はパスでいくら収入をもらえているんだろう。

まあパスがあるから自分も来ているわけで、空気を運ぶよりは数百円でもいいから収入を、という感じなんだろうけど。

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平坦な千葉県ではあるが、このあたりまで来るとちょっとした山間モード。

途中ざっと雨が降ったが、終点上総中野はまた夏の日差しに覆われていた。

10:30に到着し、隣のいすみ鉄道のホームへ行き10:35に到着するキハ52の入線を待つ。

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来ましたね!

いすみ鉄道は木原線時代から何度か乗っているが、木原線の時はキハ30、いすみ鉄道もキハ200と全てロングシートで全く旅気分が出なかった。

なので国鉄ディーゼルカーで乗るというのは楽しみなところであったが、小湊鉄道の2両から1両に乗り継ぐので大混雑。結局ロングシートに座る。まあ座れただけ有り難い。

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こちらも同じサボがついている(大原行に変える前に撮ったので逆方向だけど)

さっそく両者の並びを撮ることにしよう。

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一昔前は当たり前だったが、今となっては貴重な光景。

多くの人がカメラを向けていた。

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味気ないレールバスより国鉄型のほうが断然いいですね!

経営危機を打開するために公募で募集されたいすみ鉄道の現社長のアイディアで引き取られたキハ52の運転であるが、全国から国鉄型ファンを集めており、なかなか好調なようだ。

中でもこのキハ52大糸線時代にHゴムが黒に変えていたのだが、わざわざペンキで白くしたらしい。

こういう細かい所作がファンには嬉しいところだ。

10:43に上総中野を発車。

この列車は定期列車なので日常客も乗ってくるのだが、老人が乗ってきたところ車掌室からパイプいすを出してきてここに座りなさいと案内していた。

そしてその人は何と社長さんであった。まさかこの列車の車掌さんをやっているとは…。

何と言うか、いすみ鉄道を何とか盛り上げたいという気合を感じましたね。

数年前の経営危機の時はまあなんの面白みもない路線だし廃線もやむなしだなと正直思ったところであるが、こういう人たちががんばっているのであれば応援したいなという気がしてくるというものだ。

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夷隅川に沿って列車はゆっくりと走る。

あいにく夷隅川沿いに大多喜城を眺められる向きに座れなかったが、新設の城見ヶ丘駅付近から城を見ることが出来た。

自分は1度行ったことがあり、今日は行けないが、またゆっくりと訪れたいところだ。

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いすみ鉄道沿線はムーミン谷の路線としても売り出しており、このクソ暑い千葉とフィンランドとどういう関係があるのか理解できないが、国吉駅にはムーミンの置物があったりするのでせっかくなので写真を撮ってみた。

11:35に大原着。房総横断列車の旅は終りである。

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折り返しの列車も混雑していた。いすみ鉄道に限って言えば混んでいる方がありがたい話だ。

駅を降りて少し歩いた踏切から折り返し列車を撮ることにした。

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日本の田園風景に合うのはやっぱこの色だよな。

最近の個性あふれるカラーは調和が取れていないってのが何でデザイナーさんはわからんのだろう。

さて、大原は乗り換えでは何度も来ているが降りたことはなかったので、せっかくなので海の方へ歩いてみた。

が、海は意外に遠かった…しかも道路に日陰はなく、終戦記念日の日中は猛烈に暑かった…。

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大原は漁港があり、イセエビなどが多く水揚げされるらしい。

海辺まで来ると少し涼しい風がふいてきたが、時間もないので駅に戻る。

駅に着いた時は大汗をかいていた。

いすみ鉄道の大原駅は売店になっていて、クーラーがついている。

せっかくなので涼ませてもらうとともに、少しでも経営改善の足しにとお菓子を買った。

銚子電鉄ぬれせんべいもそうだが、こういう収入が地方鉄道は大事なんだろう。

撮り鉄の方も結構買っていくそうだ。

さてこの後であるが、下り列車に乗り海を眺めながら房総一周というのが観光的には面白いところだが、次の目的地があるので上り列車に乗る。

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12:41発の千葉行は209系の4両編成。

113系が去った後初となる外房線だが、全く魅力のない路線になっちゃったなぁ。

疲れたのでずっと寝て過ごした。

(つづく)