の続き。ここでは祇園祭の行事に参加した前後、JR東海のキャンペーン企画で訪れたところを振り返ってみようと思う。
妙心寺天球院の特別公開
今年のJR東海「そうだ京都、行こう」のCMでは「初夏のしつらえ」をテーマに、京町家や寺院のしつらえと初夏の緑が織りなす空間でのひとときを伝えている。
この季節の京都が好き。そう語る人の、その理由がいいんです。|そうだ 京都、行こう。
といってももう酷暑の7月ではあるのだけど、EX旅先予約でCMの舞台となった通常非公開の妙心寺天球院の特別公開があるという。妙心寺は行ったことがなかったので、良い機会だと思って7月20日、後祭の曳き初め前に訪れることにした。
伊丹から阪急京都線で烏丸へ行き、四条烏丸から京都市バス91系統で妙心寺へ。

妙心寺は全国3300か所もある妙心寺の大本山でありとにかく境内が広く、東京ドーム6個分もあるそうだ。禅寺らしく主な伽藍が一直線に並び、多数の塔頭寺院が居を構える。あいにく非公開の寺院も多く、全てを観て回る時間もなく、そしてこの酷暑なのでかいつまんで見ていくことにしよう。しかし今写真を見返してもわかるくらいこの日はスカっと晴れて暑かった…。


山門を抜け法堂へ。ここは天井の雲龍図が有名で、雲龍図自体は建仁寺とかでも観たことがあるが、ようやく観ることができてうれしい。見上げる角度によって龍が空へ昇っていくようにも空から降りてくるようにも見えるそうで、ぐるっと回ってみたら確かにそう見えた。
そして国宝である日本最古の鐘楼が保管されている。今は鳴らすことができず、以前ゆく年くる年で収録された音が流れるのだが、その落ち着いた余韻がなかなか良かった。

さて奥へ進みましょうか。白壁に囲われた塔頭寺院が並ぶ妙心寺ならではの光景だが、ひたすら暑い…。

特別公開中の天球院に行く前に桂春院へ行く。
ここは数少ない通年公開している塔頭寺院で、緑の庭園が見事ということでやってきた。




境内はほとんど人がおらず、インバウンドや混雑とは無縁の世界だった。地形を巧みに生かして向きによって趣が異なる庭を眺める。青もみじが綺麗だったし、風鈴の音色が美しかった。が、所詮は京都の街中。暑いものは暑い…苦笑
さて、天球院にまいりましょうか。



ここは本堂の狩野山楽・山雪作の襖絵が有名だそうで、躍動感ある虎が印象的な「竹に虎図」など見ごたえがあるのだが、今は複製画に置き換わってしまっている。それはまあ良いのだが、だったら建仁寺みたいに撮影可にしてほしいな。
そしてここはそうだ京都、行こうのCMの舞台、方丈から書院前庭を望むCMのシーンを撮影できた。街中の寺院なのに本当に緑が豊かでそして静かで、京のしつらえの心意気を十分感じることができた。今回で天球院の特別公開は最後という話もちらちら聞こえてくるので、良い時に来た。
「京町家ラウンジ」でひと休み
JR東海のそうだ京都、行こう「初夏のしつらえ」キャンペーンでもう一つ目を引いたのが「京町家ラウンジ」である。
7月の京都旅は、"京町家ラウンジ"でひと休みを|そうだ 京都、行こう。
これは7月1か月間、EXサービス会員限定で京町家でさまざまな体験ができるイベントである。
自分は京町家が好きでこれまでもあちこち観に行ったのだが今回の京町家ラウンジの場所は1か所も行ったことがなかったので今回の祇園祭詣での合間に3か所訪問することができた。しかし、本当に京都は奥が深い。
まずは比叡山延暦寺から京都に戻ってから、京都駅からも歩ける距離にある和田家住宅へ行った。

和田家住宅は江戸末期の京町家で、登録有形文化財に登録されている。スマートEXのログイン画面を見せて入る。中は他に1人だけしかいなかった。



中はオーソドックスな京町家で、手前に店舗棟、奥に住居棟があってその奥には小さな庭が設えられている。

京町家ラウンジでは各町家それぞれ企業とコラボした体験ができるのが特色で、和田家住宅では山田松香木店による源氏香体験というのができた。どの匂いかを当てるのだが、全然わかりませんでしたわ…。
アンケートに答えると今回のそうだ京都、行こうのクリアファイルと伊右衛門のお茶を1本もらえた。暑い中、冷たいお茶が嬉しい。
続いて、前祭の曳き初めを観た後に向かったのは釜座町町家。

明治初期に建てられた町家で町内会の建物として使われていたそうだが、近年京町家作事組によって改修されその拠点として使われているそうだ。三条新町の交差点のすぐ奥であり、このあたりは山鉾巡行の見物で何度も通っているのに全く存在を知らなかった。



中に入ると店舗、そして座敷、さらにその奥には中庭が続く。こじんまりとしているが典型的な奥に長い京町家の間取りだ。

脇には細長い台所が。さすがにおくどさんはなかったが、この京都らしい眺めが嬉しい。

ここでは宇治市に工房を構える南條工房のおりんを展示している。ちりんちりんという癒し系の音色が心地よかった。
そしてこの釜座屋町家では、入口でサントリーとコラボした、伊右衛門でも有名な福寿園の茶葉を利用した、石臼での抹茶作りと呈茶の体験ができる。整理券式ということで、曳き初めの日でもあり全く期待してなかったのだが、思ったよりも人が少ないようで貸し切り体験できた。


石臼で茶葉を挽くのだがこれが結構力がいる。それだけに自分で挽いた抹茶を頂くのは格別だった。これが無料でできるんだから素晴らしすぎだ。
最後は、先斗町の清壽(旧長谷川邸)。お茶屋さんとして利用されてきたこれまでとはちょっと趣の違う町家である。妙心寺天球院の見学を終え、後祭の曳き初め前に訪れてみた。

先斗町も何度も来たがこんなところがあるなど知らなかった。




町家に入ると外の喧騒とは一転、静かな空間が広がっていた。ここは提灯がテーマで至る所に提灯が飾られている。なかでも祇園祭の提灯はこの時期ならでは。そして先斗町の千鳥の提灯は雰囲気あったなぁ。

髙橋提燈の提灯は、浅草寺雷門の提灯も手掛けてるのだそうだ。これは知らなかった。江戸文化の象徴ともいえるあの提灯が京都製だったのか…。

2階の窓から見下ろす先斗町の景色がまた良かった。最近は外国人に支配されてしまったかのような先斗町ではあるがそれとは全く異なる昔ながらの景色が良かったな。
蹴上の北村家住宅はさすがに遠くて行けなかったけど、3か所巡れて満足だった。
JR東海のキャンペーンプランは本当おすすめ
今回のJR東海の「そうだ京都、行こう」のキャンペーンはとても良かった。自分の興味関心ともマッチしてたこともあるが、訪れたことがなかった妙心寺へ行く良い機会になったし、京町家に至っては全く知らなかった場所を教えてくれた。そしてどちらもEXサービスに入ってないと行けないので、(そもそも外国人が行きそうなメジャーな場所ではないが)外国人が全くいない。というかそもそも日本人も含めて全然人がおらず、インバウンドの混雑とは全く無縁の観光ができた。
過去もずらし旅の貸切特別体験とかでJR東海の企画は何度も使ってきたけど、JR東海の京都の商品はどれもこれも秀逸で凄いと思う。さすが30年以上も「そうだ京都、行こう」をやってきた会社はレベルが違う。
昨今、京都のオーバーツーリズムが社会問題となっていて、JR東海の「そうだ京都、行こう」もそれを助長するキャンペーンとして批判される向きもあるようだが、個人的には何を言ってるのだろうと思う。ちゃんとJR東海は京都と向き合って、穴場観光地にスポットを当てて贅沢な体験ができるようにしてくれているのに、当の日本人がそれに気づいてないだけではないかと。京都はちょっと目線を変えるだけでまだまだゆったりと観て回れる場所はたくさんある。ただ外国人が多い、京都はつまらないと言ってるだけではだめだと思う。
まあ、これが広く知れて入場待ちになっても困るのだけど、これからもJR東海のキャンペーンをうまく使っていきたいと思います。ま、そうJR東海をベタ褒めしてる割には、京都に新幹線であんまり行ってないんですが…笑