最終日は、前々から行きたかった総統府へ行くことにした。
MRT台大医院駅を降り、広い凱達格蘭大道の向かいに、赤レンガが印象的なルネッサンス様式の総統府が見えてきた。
戦争中でも壊されることなく、これほど美しい状態で残っている建物は日本でも少ないのではないか。優美な形に酔いしれると共に、現在まで活用してもらっている台湾人に感謝しなければならない。
さて、総統府は平日の午前だけ、1階が開放されている。ボディチェックを受け、荷物は預けないといけないのでカメラもNG(ただ2ヶ月に1回の全館公開のときだけはOK)。
ということで、ここから先写真はありませんが…。
内部はボランティアのガイドさんについて、総統府や台湾の歴史、文化の紹介を受ける。
日本人には日本語が堪能な台湾人が案内してくれる。
本日のガイドさんは、昭和一桁生まれという林玉鳳さんという、とてもそんな歳には見えない若いおばあちゃんであった。
彼女は日本統治時代の台北に生まれ育った人であり、その一言一言に実感がこもっている。
そして、我々は50年間も台湾を統治した立場であるにも関わらず、この時代の日本を功績を褒め称え、このことを語り継がないといけないと何度もおっしゃっていたのは、ただただ嬉しかった。
特に「台湾は日本の植民地ではない、領土として等しく取り扱ってくれた」「日本はもっと胸を張っていいんです」という言葉には涙が出る思いだった。
日本統治時代の是非については、全ての台湾人が彼女のような見解ではないと思うし、それについてはここであまり論じるつもりはない。
総統府のこれらの資料も、陳総統の民進党だからこんな資料になっているわけだし、今後どうなるかはわからない。
ただ、台湾人が長い歴史を経て、今なお日本人に対してこのように温かく、親近感をもって接してくれているという事実は、大事にしないといけないと思う。
こんな日台間が、国交すらないなんて事実は悲しいと思うけど、我々はもっともっと台湾を知り、台湾の人々と仲良くしていかなくてはならないと思う。
台湾がますます好きになったひと時であった。
時間をかけて説明してもらったので、時間があったら昨年行った竹里館でお昼を食べようと思っていたのだが、時間がなくなってしまい、嫁には悪いことをしてしまったけど、行って良かったと思う。
次は全館公開のときに、また行ってみたいと思う。
ちなみにhttp://203.66.167.137/Japanese/activities/2005/050523.htmで林さんの台湾今昔物語というのが聞けるので、興味のある方はぜひ。