今日はシンガポール発8:30のマレー鉄道に乗ってクアラルンプールまでのんびり列車の旅をする予定である。
7時からのバイキングを急いで食べて、駅へ向かった。
マレー鉄道は前回出張で来たとき日曜日を使ってジョホールバルまで乗ったことがあるので、この駅を使うのも2度目である。早速窓口へ行った。すると「8:30の販売はfinishした」と言われた…。
前回乗ったときはガラガラだったし、ガイドブックを見ても混むことはほとんどないということだったので、あえて何も手配していなかったのだが、何たることか…。
そう言われてみると、外国人観光客や、火曜日のナショナルホリデーを使った旅行客と見られる人で駅はかなり混んでいるようだ。
うーん、だったらWebでe-ticket予約しておけばよかったなあ。
そんなわけで、仕方がないので次の13:05発を予約する。
また、驚いたのは運賃である。クアラルンプールからシンガポールまで買うと、1等が68RM、2等が34RMである。ところが、逆区間は、1等が68SGD、2等が34SGDなのだ。通貨価値はシンガポールドルの方が2倍以上するので、ぼったくりもいいところだ。
最初は1等でのんびり行こうかと思っていたのだが、この金額(決して払えなくもないのだが)を払う気になれず、2等にすることにした。
ってなわけで、13:05まで暇になってしまったが、チェックアウトしてしまったので、荷物を持って歩かないといけない。
昨日見れなかったサルタンモスクとかにでも行きたいところだが、荷物持ちでは行きづらいし…。
ということで、昔からあるもうひとつのLRTに乗ることにした。
ニュータウンを巡るバスのような路線であるが利用者は多かった。ガイドに書いてあるように、住宅の近くを通るときに、ガラスが曇って外が見えなくなるようになっている。まあそんなに軒先すれすれを走っているわけでもないのだが。
まあ1周して満足したので、市内へ戻ることにした。
市内では、よく考えたらラッフルズ上陸の碑をまだ見てないことに気づいたので、ちょっと立ち寄ることにした。といっても、昨日夕食を取った「インドシン」のすぐ近くなんだけども…。
シティホール駅から歩くが、このあたり来週の式典準備ですでに立ち入り禁止になっていて歩きづらい…。
また汗だくになって、何とかたどりつく。
やっぱ絵になる景色ですな。
ということで、空白の半日がようやく終わり、再びシンガポール駅に戻って、13:05発の列車に乗る。
1等2両、2等7両、食堂車1両、電源車1両、機関車1両の長い編成である。
私の指定された最後尾は半分くらいの客を載せて出発。
20分ちょっとでウッドランズチェックポイントに着き、シンガポールを出国する。
ちなみにマレーシアの入国手続きは先にシンガポール駅で済ませてあるが、順序が逆なのでマレーシアの入国スタンプは押されていない。
前回ジョホールへ行ったときは帰りは徒歩でコーズウェイを渡ったのだが、何で入国したかをしっかり聞かれた。
今回はKLから空路なので、説明がちょっと面倒くさそうである。
コーズウェイを超えるとジョホールバルである。ここでほぼ満席になった。
前回来たときはコーズウェイ沿いを散策しただけなのであまり気にならなかったが、マレーシアに入った途端に住宅のレベルはがらっと変わり、何より線路沿いはゴミだらけになったのが印象的であった。
そんな景色が終わると、あたりは熱帯雨林とゴムのプランテーションに被われる。
何もない景色が延々と続く。
列車は時々小さな駅に止まりながら進んでいく。
走り出すと結構スピードを出してくるが、軌道状態が悪いので上下左右に激しく揺れる。この揺れがとても心地よい。せっかくの鉄路の旅であるが、ゴムの木を見つつ、うとうとしながら過ごした。
まあ、こんな旅もいいものだ。
ふと車窓に眼をやると、東海岸線との分岐駅であるゲマス駅に到着していた。
ところが、時刻メモを見ると1時間遅れていた。堂々とした遅れっぷりである。でも列車は遅れを取り戻す気配もなく淡々と進んでいった。
ただこちらはただでさえ到着が遅くなるのに、さらに1時間遅れたらクアラルンプールですることが何もなくなってしまうのが悲しい。
結局、ホタルツアーは他の催行者がいなくて参加できなかったのだが、マレー鉄道がこんな感じだったので、最終的には良かったのかもしれない。仮に8:30に乗れたとしても、ツアー参加時刻に間に合ったかどうか。
出発から5時間。あたりはすっかり夕方の気配になってきた。
ようやく視界が開けてきて、近郊電車の終着、スレンバンに到着。
ここからは電化複線区間であり、列車はスピードを上げた。
日はとっぷり暮れてしまい、マンションや高層ビルが見えてきたころ、定刻より1時間近く遅れた20:25、KLセントラル駅へ到着した。7時間の列車の旅は終わった。
KLセントラル駅は空港からの列車の終着駅でもあるので、とても綺麗な空港のような駅であった。