今日の目的地、仙台へは最初宮古から釜石線経由で行こうと考えていたが、調べてみると久慈??八戸経由の方が速かったので、北上することにした。八戸線も東北新幹線盛岡以北も未乗であるため、楽しみである。
ずっとトンネルばかり進んできた三陸鉄道であるが、普代を過ぎて旧久慈線区間に入ると、開業が古かっただけあってところどころ海が見えるようになった。その中でよく写真で紹介される堀内のアーチ橋付近では列車も徐行運転し、乗客へサービスしてくれる。入り江から見える海は穏やかであった。
12:44に久慈着。接続は良く、12:54発の八戸線に乗り換える。キハ48の2両編成であるが、「うみねこ号」と称して車内はリクライニングシートに取り替えられており快適だ。
八戸線に入ると一転してのんびりした走りとなる。特に陸中夏井??侍浜間は、25パーミルの上り勾配が続いていて、列車は30キロそこそこであえぎながら走る。時刻表を見てみると上下で所要時間が全然違っていた。だがいくらキハ40系が非力だといっても、この現代にこんな走り方ではさすがにまずいだろう、と思う。
この区間を過ぎると、列車は海岸沿いを北上する。相変わらずスピードは上がらないが、先ほどの三陸鉄道と違って海は良く見えるので、景色としてはこちらの方が楽しい。
断崖はすっかり成りをひそめ、この区間は穏やかな海岸線が続く。サーファーの姿も見ることができた。
13:30に陸中八木着。交換待ちのため4分停車するため一旦ホームへ降りた。すると、昔懐かしいタブレット、手動ポイント操作機を発見した。
前方を見ると、信号機も腕木式であった。こんな旧式の設備がまだ残っているとは知らず、結構感動した。ただ調べてみると八戸線の自動閉塞化も近々予定されているようで、こういった設備が見られるのもあとわずかのようで、貴重なものを見ることができた。
海岸線を眺めながら1時間半、列車は八戸の市街に入っていく。その直前、小さな蕪島の脇を通る。
ちょうどウミネコの産卵期であり、島は白く覆われていた。ウミネコの集まるところとして有名な島であるが、すぐ近くは八戸の工業地帯であり、もっと環境のいいところはいっぱいあると思うのでは?と感じる景色であった。なぜウミネコはこの場所を選び続けているのか、ちょっと不思議だ。
列車は高架になり、14:35に中心部の本八戸に到着。しかしいつしか地上に戻り、一面の田園風景になった。八戸駅はルートの関係で市の中心部から大きく外れていることは承知していたが、本八戸との間でここまで落差があるとは思わず、ちょっと驚く。
14:44に八戸着。新幹線受入れのため大幅に改築されていて、昔の面影はまるでなかった。
ここで駅弁を購入し、14:55発のはやて20号に乗り込む。
新幹線はすぐにトンネルに入り、抜けると駅、という繰り返しであっという間に盛岡着。最近の新幹線はこんな繰り返しで新規開業しても面白みはあまりない。
盛岡から仙台は40分ちょっと。一眠りしている間に16:22定刻に到着。やっぱり新幹線は便利である。