「ドナウの真珠」ブダペストの最大の見どころは、夜景だろう。 他の有名な夜景を見てきた人も、ブダペストの夜景の美しさに息をのむという。
今回、当然自分も夜景を見たいと思っており、21時の夜行列車までにドナウ川の夜景を堪能しようと思っていた。 ところがよく考えたら、夏のヨーロッパは夜が遅い。 調べてみると、5月5日の日没はほぼ20時だという。 21時少し前には東駅に戻らないといけないので、正味日没後30分しか時間がない。 日没はすぐに真っ暗になることを意味しないので、果たして見れるのか、実は極めて怪しいのである。
ネットで調べたら、ちょうど同じGWの、しかも自分が乗る予定の夜行列車に乗る場合夜景は見れるか?というトピックがあった。
このトピックを読む限り否定派が多かったが、東京で日没時刻とにらめっこした限り、日没後15分ほどすればそれなりに夜景らしい景色になっていそうだったので、まあ見れるだろうと思い、20時30分までのわずかな時間にかけてみることにしたが、どうなりますか…?
時刻は19時半。まだまだ日没という雰囲気ではない。
雨はすっかりやみ、降る心配はなさそうなのは有り難いが、思ったよりも船が停留していて、うまくくさり橋と背後の王宮やマーチャーシュ教会を望める場所がない。 何隻かは夜景ツアー船だと思うのでじきに出航するだろうが、なかなかいい場所がないなあ。
本命にしていたくさり橋の北側も、大きな船が停留しており、これは動きそうになかったので、ぎりぎり船の手前でまずは狙ってみることにした。 王宮をバックに撮ろうと思っていたのだが、この位置だとかなりかぶってしまうがやむを得ない。
さて、20時を過ぎ、20時5分を過ぎたが、まだライトアップせず。 背後の家々には明かりが灯り、クルマのヘッドライトが目立ってきているが、果たしていつライトアップされるのか…。
20:08。街灯が点灯!
20:09。ケーブルに連なる数千もの電灯も点灯。いよいよライトアップの始まりである。
20:10。ライトアップ直後にしか見られないという薄緑色のライトアップ。ちょっと微妙な色合いだが、貴重な光景を見ることができた。
20:11。だいぶ夜景らしくなってきた。 背後の王宮も同時にライトアップされてきた。 それにしてもくさり橋の美しさはどうだろう。はるばる来た甲斐があったというものだ。
20:13。見事な夜景に言葉もありません。
もっと眺めていたかったが、今度はくさり橋の南側から見ることにしましょう。
20:15。ぎりぎり王宮を構図に入れて撮ってみる。
20:20。背後にマーチャーシュ教会を望む。昼間でも目立つ尖塔は、夜になりますます輝きを増していた。
ブダの丘に堂々と構える王宮も一段と存在感を示していた。
20:23。そろそろタイムアップ! 最後の1枚をパチリ。
もう少し暗くなると、ライトアップと夜の闇とのコントラストがより一層輝きを増すことになると思うのだが、個人的には十分満足であった。 むしろドナウの流れがはっきりと見渡せる、夕暮れの青い空に映えるライトアップの方がより綺麗なのではないかな?と思うほど、美しい夜景であった。 これは写真だけではなかなか伝えられず、残念。
くさり橋の手前に建つフォーシーズンズホテルや、トラム2号線の線路を見ながら、デアーク広場に向かって急ぐ…が、やっぱり見ておきたかったのでちょっと寄り道。
聖イシュトヴァーン大聖堂のライトアップである。 昼に増して、濃紺の空に突き刺さるドームと尖塔に圧倒される。 この大きさはどう写真にすればいいのだろう…。
見とれていると、20:30の鐘が鳴りだした。
ジカンニ カギリガ アリマス…。
速足でデアーク広場駅に行き、20:40の地下鉄に乗車。
無事、20:50前に東駅へ到着した。
てことで、GWに慌しく旅行をしなければならない同志の皆さん(いるの?)、EN462で日帰りでも夜景は十分堪能できます。 幸運を祈る。